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名鉄犬山モノレール 最後の春。

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▲最後の春を行く犬山モノレール。路線は道路上ではなく、最急勾配は97‰。森の中を抜ける区間もあり、なかなか変化に富んでいる。'08.4.6 犬山遊園?成田山 P:高橋一嘉
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名鉄は昨年12月17日、モンキーパークモノレール線(通称:犬山モノレール 犬山遊園?動物園間1.2km)の2008(平成20)年12月28日付け廃止を発表しました。このモノレール線は名鉄が経営する犬山市内の遊園地「ラインパーク」(現・モンキーパーク)に動物園が開設されるのに合わせ、「ラインパークモノレール線」として1962(昭和37)年3月21日に開業したもので、跨座式モノレールとしては日本初の営業路線のものでした。今日は、先日このモノレールを訪れた高橋一嘉君の写真とレポートで、犬山モノレールを振り返ってみることにしましょう。

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▲終点動物園駅の入口(左)。駅自体は「モンキーパーク」の敷地内にあり、利用客のほとんどが直接モンキーパークへ入るためか、一般道路からの入口はかなり寂しい。右はトラバーサーが備わる動物園駅構内の検修施設。ちなみに路線上に分岐器はない。'08.4.6 P:高橋一嘉
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モノレールの起源は1821年イギリス人ヘンリー・パルマにより発明されたものとされていますが、都市交通として旅客用のものが実用化されたのは1901年、ドイツ・ヴッパータールでのことです。RMライブラリー94『江ノ電旧型連接車物語』で触れられているように、日本でも昭和のはじめ頃からいくつかのモノレール路線が計画されていましたが、いずれも実現することはありませんでした。戦後、1950年代になるとまず遊園地「豊島園」に懸垂式モノレールの遊戯物が登場、その後、路面電車に代わる新たな都市交通の手段として積極的に研究開発が進められるようになり、1957(昭和32)年に日車製懸垂式を採用した営業路線第一号が東京・上野動物園内に誕生したのはご存知の通りです。

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▲犬山遊園駅を出発する。手前の線路は名鉄犬山線。'08.4.6 P:高橋一嘉
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inuyama003.jpg犬山は営業路線としては上野に次ぐ第2号となりましたが、上野が園内に限られた交通手段であることを考えれば、短い距離とはいえ本格的な営業路線としては犬山がパイオニアということができましょう。この犬山の跨座式は日立製作所が西独ALWEG社と技術提携して開発した「日立アルウェーグ式」と称するもので、この方式は犬山での実績をもとに名鉄も運営に参画した東京モノレールで花開くことになり、やがてこの規格をもとに日本の跨座式モノレールの標準規格がまとめられていくことになります。ちなみに名鉄自身も岐阜?養老間など40kmあまりの跨座式モノレール路線の免許申請をしましたが、結局これが実現することはありませんでした。
▲車内に誇らしげに掲げられた「HITACHI ALWEG」のプレート。'08.4.6 P:高橋一嘉
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▲車内は車体全周が貫通しているためもあって広々と感じる。アルウェーグ式の特徴である台車部分の車内へのでっぱりがあるのは東京モノレールと同様。天井にはファンデリアが並ぶ。'08.4.6 P:高橋一嘉
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▲名鉄電車の御札でお馴染みの犬山成田山の境内を行く。唯一の途中駅である成田山駅も有人駅である。'08.4.6 犬山遊園?成田山 P:高橋一嘉
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現在の犬山モノレールは、開業時に比べ正式路線名こそ変わったものの、1.2kmの路線は開業時と同じ。車輌も塗色は異なりますが、開業時に用意された2編成6輌がそのまま使用されています。日本の跨座式モノレールのパイオニアに乗れるのもあと8ヶ月余り、人気のパノラマカー撮影に犬山方面へお出かけの際には、このモノレール線にも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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