鉄道ホビダス

映画「鉄道王国北海道」が完成。

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▲会場となった芝浦港南区民センター。立派なホールを備える公共施設で、公募でお出でになったファンの姿も少なくなかった。'08.4.13

東海道新幹線開業初列車の運転士を務め、なおかつ古くから熱心な蒸気機関車ファンとして主にムービーを撮影してこられた大石和太郎さんと、わが国のライブスチームの普及に尽力されてきた?日本ミニクラブ会長の栗山 弘さんが数年前から制作に取り組んでこられた16㎜映画「鉄道王国 北海道 ?その隆盛と衰頽?」が完成、昨日、東京・港区の芝浦港南区民センターで完成記念上映会が行なわれました。本誌先月号インフォメーションでご案内したこともあってか、会場には公募参加の方もたくさんお出でになっておられました。

eisyakai103.jpgeisyakai102.jpgお二人の鉄道映画共同制作は今から36年前の1972(昭和47)年に遡ります。無煙化までの二俣線を追った「機関車と共に」(1973年)や、三菱美唄鉄道の4110最後の活躍を記録した「美唄の汽車」(1974年)などを皮切りに、近年では「碓氷峠」(2000年)、「津軽の鉄道」(2004年)などをまとめられ、?日本ミニクラブフィルム・ライブラリーとして管理されておられます。
▲エントランスに設けられた受付では無料頒布される立派なパンフレットに驚きの声が上がっていた(左)。右は上映を待つ参加者。'08.4.13

ooishisan101.jpg今回完成した「鉄道王国 北海道 ?その隆盛と衰頽?」(トーキー/光学、60分)は、お二人の共同作品としては16作品目。
まず新橋?横浜間の官設鉄道開業より3年早い1869(明治2)年に敷設された茅沼炭礦の軌道を端緒に北海道の鉄道の歴史を振り返り、次に国鉄隆盛期の象徴として蒸気機関車全盛期の石北本線、石炭産業の衰退による私鉄廃止の象徴として末期の美唄鉄道、そして道内の鉄道を取り巻く昨今の厳しい状況として北海道ちほく高原鉄道の廃止までを追ったドキュメンタリーの3つのストーリーで構成されています。
▲ともにこの映画を完成された栗山 弘さん(左)と大石和太郎さん(右)。(「鉄道王国北海道」パンフレットより)

なかでも圧巻は1971(昭和46)年に遠軽機関区の乗務員に密着した映像で、官舎から弁当を携えて出勤してゆく様子から点呼、乗務までを素晴らしいカメラアングルで追っています。大石さんのお話では、当時の鉄道管理局のみならず組合の協力もあって実現したものだそうで、添乗によるキャブ内の様子はもとよりのこと、フロントデッキから捉えた力行シーンなど、驚きの映像も見られます。

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▲「鉄道王国北海道」のストーリーボード(部分)。常紋信号場の解説ではイラストを使った分かりやすい解説も織り込まれている。(「鉄道王国北海道」パンフレットより)
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美唄鉄道の廃止を追った作品では、廃止後、まだ現役で蒸気機関車が活躍していた大夕張鉄道を訪れた星 修美唄鉄道機関区長が、去ってゆく9600を見送りながら「機関車はやはり動いていなければ…」と寂しそうに呟くシーンが胸を打ちます。

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▲頒布されたパンフレットでは道内の地方鉄道・軌道の消長を路線図を含めて解説されている。もちろん国鉄線の推移も詳述されており、映画のパンフレットとは思えない力作。(「鉄道王国北海道」パンフレットより)
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2部に分かれて好評裏に終了した上映会ののち、場所を自由が丘に移して懇親会が開催されました。映画に出演されていた星もと美唄鉄道機関区長や、前作の舞台となった津軽鉄道の澤田長二郎社長も駆けつけ、賑やかに完成を祝しましたが、残念ながら現時点では今後の公開予定は未定とのこと。60ページにもなる北海道の鉄道の歴史をまとめたパンフレットも自主制作されただけに、ぜひ遠くない機会に多くの皆さんにご覧いただける機会が再び訪れることを願いたいと思います。

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