鉄道ホビダス

遼東半島に未知の大ナローゲージ網を探る。(5)

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▲第8塩場への本線はまさに海の中道と呼ぶに相応しいロケーション。運転規程には最高速度15km/hと記されているが、実際の列車は結構なスピードで“水上”を駆け抜けてゆく。'08.3.22
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五島運輸站機関区の見学を早々に切り上げて、結局今の今までこの目で見ていない「塩場」へと向かいます。孫副長が先導して目指したのは第8塩場。どうやらかなりの距離にわたって並行道路があり、ほかの塩場よりは多少はアプローチしやすいということのようです。

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▲五島運輸站本線ジャンクション付近の概念図。第5?7塩場方面はまったく道路がないが、第8塩場への本線はしばらく道路と並行して塩場を目指す。右が普蘭店方。

それにしてもこの第8塩場への本線も結構な長さです。五島運輸站から並行道路を走る間にも対向列車がすれ違ってゆきます。農村風景の中をしばし走ったのち、急に視界が広がり、線路は長いコンクリート橋で“海”へと伸びていました。

fukusyuuwan511.jpg道路はこの地点で線路と分かれて別の方角へと去ってしまいます。いやはや、覚悟はしていたものの、大海原(?)の彼方まで続いている線路は、もうここから先は歩くしか手がありません。いずれにせよ休日をつぶして案内していただいている孫副長にこれ以上お世話いただくわけにもゆきませんので、丁寧にお礼を申し上げてここでお引取りをいただくことにしました。
「ほんとうにここを歩いてゆくつもりなのか…」というような好奇とも憐憫ともつかない眼差しに送られながら、海を掻き分けるようにどこまでも続く線路を歩き始めました。
▲五島運輸站の取り卸し設備は移動式のラダーエキスカベーターを備えたかなり大規模なもの。推進運転で押し込まれた貨車は、機関車が離れた後はウインチによって移動される。'08.3.22
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▲かつての貯水池なのだろうか、塩場までの道中にも随所に池が見られる。カモが群れる溜池の横を五島運輸站行きの盈車列車が通過してゆく。ちなみに画面左に並行道路がある。'08.3.22
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それにしても今日まで軌道が使われ続けてきた理由を身をもって思い知ったような気がします。干潟の軟弱な地盤に敷設された海面すれすれの軌道敷は、とてもトラックが頻繁に往来できるようなものではなく、1編成26車という輸送力を考えると、この環境では今もって軌道が最も効率的な輸送手段に違いありません。

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▲第8塩場のストックヤード。塩は野積みの状態でいくつもの山となっている。それにしてもひたすら広大で、ついにその全貌は把握できずじまいだった。'08.3.22
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それにしても、気温も摂氏7℃程度と恐れていたほど低くなく、風も微風に終始してくれたから良いようなものの、気象条件によっては“歩く”などもってのほかでしょう。なおかつ潮の香どころか空気そのものが塩っぽく、あまり長居をしたくはない環境ではあります。

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▲第8塩場入口付近から五島運輸站方面を見る。海面すれすれに果てしなく続くこの線路を、また歩いて戻らねばならないと思うと気が遠くなる。それにしても、天気に恵まれたから良かったものの、荒天であれば怖くてとても歩けたものではなかろう。'08.3.22
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それでも第8塩場へは文字通りピストン輸送が行なわれており、撮影効率と言った面ではありがたい限りでした。ほとんど30分ヘッドで列車がやってきます。海面を渡ってゆくような不思議な光景に、髪の毛が塩でガビガビになってゆくのも忘れてひたすらシャッターを切り続けていました。

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