鉄道ホビダス

遼東半島に未知の大ナローゲージ網を探る。(3)

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▲五島運輸站ヤードで組成作業に励む“4号機”。五島所属の本線機は白い車体に赤帯を巻いた姿で、一応番号標記もされている。画面右端がヤード入口で、立派な二階建ての信号扱い所もある。'08.3.21
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時計を見ればまだ14時前。これで打ち止めとあっては、いったい何をしにこんな遼東半島の端までやってきたのかわかりません。しかもさらに追い討ちをかけるがごとく、「明日は土曜日なのでここ(金城運輸站)の運転はない」とまで言うではありませんか。

fukusyuuwan302.jpgかくなるうえは、多少の無理をしても日が落ちるまでの時間を何とか有効活用せねばなりません。そこで第5?8塩場を受け持っている五島運輸站を目指してクルマを飛ばすことにしました。金城運輸站のある復州湾鎮から国鉄瓦五線の終点でもある五島までは十数キロ。今から向かえば少なくとも15時前には現地に到着するはずです。正式には明日見学できるように手配しておくと約束してくれた孫副長と別れ、まだ見ぬ五島運輸站を目指します。いったいどんな場所でどんな車輌が“棲息”しているのか、とにかく現地に行ってみるまでまったくわかりません。
▲信号扱い所二階から五島運輸站ヤードの全景を見渡す。右端を併用軌道で伸びてゆく線は彼方の機関区への出入庫線。'08.3.21
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fukusyuuwan303.jpg左眼下に広大な塩田を見ながら、道路は丘陵地帯のようなアップダウンをひたすら繰り返しながら五島へと続いています。思えば眼下の塩田の先にはこの道路と並行して五島へと続く“本線軌道”があるはずで、数年前まではこの本線上を両運輸站間を結ぶ列車が運転されていたわけです。
復州湾鎮から30分ほど、五島の町に入り、鉄路局瓦五線を踏切で渡ると、左に「五島運輸站」の正門が見えてきました。金城運輸站とは比べ物にならないほど大規模なヤードが広がり、高い塀に遮られてはいるものの、白い車体に赤帯を巻いた機関車たちが忙しそうにシャンティングを繰り返しています。

▲第5?7塩場への本線と第8塩場への本線へのジャンクションである五島は運転関連の施設もかなり整っており、写真のようなシザースクロッシングに入換信号機もある。'08.3.21
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▲第5?7塩場からを戻ってきた盈車列車。塩田は画面左遙か後方で、軌道は沖合いの交流島にまで伸びている。この付近は茫洋とした“満州”の畑が続く。'08.3.21
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これはダメモトで五島までやってきたのが大正解と、まずは撮影ポイントを探します。機関区をはじめとした“正式訪問”は明日にとっておいて、今日は軽いロケハンがわりにこの五島運輸站周辺で小一時間撮影することにしました。

fukusyuuwan313.jpgここ五島運輸站は海上の交流島方面(第5?7塩場)にのびる本線と、遙か北方の第8塩場に向かう本線のジャンクションとなっており、ヤード出入口には立派な信号扱い所が設けられているのみならず、両本線から構内に入る列車に向けての場内信号機(色灯式)まで設置されており、ちょっとした地方鉄道並みの運転設備です。想像以上の規模に呆気にとられていると、さっそく第5?7塩場方面からの盈車列車が戻ってきました。さらにその列車の到着を待って今度は組成を終えた空車列車が第8塩場方面へと出発。これは驚きの列車密度です。
▲金城運輸站ヤードへと入ってゆく盈車列車。サイドのエンジンカバーは開け放されたまま。'08.3.21
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▲塩田とはいえ、ヤードからの何キロかはまったく海が見えず長閑な農村風景の中を走る。彼方を走り去ってゆくのは第5?7塩場への空車列車。手前の線路は第8塩場からの本線で、右に五島運輸站(画面左奥)の場内信号機が見える。'08.3.22
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結局2時間ほどで、次はこちらの線、今度はあちらの線と、撮り逃したものも含めれば十本近くの列車を目撃できたことになります。しかも、撮影を終えて普蘭店へと戻ろうとするクルマの中から遠望した列車は、客車(人車?)らしきものを連ねたミキストではないですか。明日の再訪への期待が膨らみます。

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