鉄道ホビダス

向谷さんと「鉄道を熱く語る」。

edohaku101.jpg
夏休み後半となっていよいよ賑わっている江戸東京博物館の「大鉄道博覧会」ですが、昨日は関連イベントとして向谷 実さんと私の対談「鉄道を熱く語る!」が行われました。なんとも面映いタイトルですが、ひとこと弁明させていただくと、これは博物館の起案したタイトルで、企画の詳細が決定する前にリリースを流さねばならなかった経緯によるものです。
▲たいへん多くの皆さんにご来場いただいた江戸東京博物館映像ホールでのトークショー。向谷さんならではのキーボード生演奏もあってあっという間の1時間半だった。'07.8.18 P:東京都写真美術館

さて、向谷 実さんは改めてご紹介するまでもないかと思いますが、日本を代表するフュージョン・バンド「カシオペア」のキーボード・プレーヤーとして30年以上にわたって精力的に活躍を続けられるとともに、鉄道趣味人としてはあの「トレインシミュレータ」生みの親として広く知られています。現在は株式会社音楽館の代表取締役としてシミュレータをはじめとした数々の鉄道趣味関連コンテンツを構築されています。

edohaku105.jpgそんな向谷さんですが、これまでリリースされたトレインシミュレータのほとんどが「電車」とあって、根っからの電車ファンと思われがちです。ところが、実は少年時代からの熱心な蒸気機関車ファンで、「国鉄時代」さながらに蒸機撮影に飛び回っていたそうです。ことにご親戚がいる北海道は馴染み深く、今回は自ら撮影された留萌本線のD61 5、函館本線深川(!)のC55 30、そして釧網本線北浜-浜小清水間をゆくC58といった8ミリ映像に自ら曲を重ねるパフォーマンスもご披露いただきました。しかもキーボードにはブラスト音や汽笛も仕込まれているというスペシャルバージョン。ご来場いただいた皆さんも予想しなかった展開に大拍手でした。
▲生まれ育った世田谷・二子玉川園での“原点”=東急大井町線、玉電、そして砧線との出会いを語る向谷さん。'07.8.18 P:東京都写真美術館

edohaku103.jpgedohaku102.jpg
▲向谷さんといえば「トレインシミュレータ」。12年前の第1作誕生から最新作の台湾新幹線(日本未発売)まで、“ライブ”でなければ聞けない“秘話”も飛び出した。'07.8.18 P:東京都写真美術館

もちろん“本題”は12年以上にわたって進化し続けるトレインシミュレータです。CD-ROMドライブが内蔵されているパソコンさえ少なかった1995年8月19日(ちょうど12年前の今日)の第一作発売(中央線201系・初期受注はなんとたった350本!)から、その後大ブレークしてコンシューマ用ばかりか鉄道事業者の乗務員訓練用シミュレータまで制作するようになるヒストリーはまさに波乱万丈です。そして今回は先般完成したばかりのトレインシミュレータ「台湾新幹線」版の開発秘話を未公開のメーキングビデオを交えてご紹介いただきました。台湾鉄路局の全面的な協力のもと、スタッフも日台協同で制作されていますが、ノンストップの撮影専用列車運転計画から撮影当日の様子、そして国際回線を使っての会議、CGの制作手順と、まさに“手の内”を公開していただきました。

edohaku106.jpgさらに向谷さんといえば忘れてはならないのが「発車メロディー」でしょう。鹿児島(南)から吹く風をイメージしたという九州新幹線の発車メロディーはよく知られていますが、この6月から流れている向谷さん作曲の京阪本線の特急発車メロディーに隠された秘密には会場を埋め尽くした皆さんもびっくり。その秘密とは…各特急停車駅の特徴をイメージしたうえで、実は淀屋橋から三条へ続けて聞くと一曲になっている(!)のです。
▲ご本業(?)のキーボードを持ち込んでの発車メロディーの生演奏も…。'07.8.18 P:東京都写真美術館

edohaku107.jpg
▲1階特設会場では「大鉄道博覧会」にちなんで多くの作品が寄せられたフォトコンテストの入賞作品展示も行われている。'07.8.18

事前打ち合わせの際に用意していた“ネタ”はこれにとどまらずまだまだ溢れるほどでした。残念ながら限られた1時間半の枠に収めねばならないため、ショートカットしたり、まったくご紹介できなかったりといった部分も多々ありましたが、ご来場いただいた皆さんには概ねご好評をいただけたのではないかと思います。それにしても毎度のことながら、向谷さんの多彩ぶりには圧倒される思いの1時間半でした。

レイル・マガジン

ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2018 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.