鉄道ホビダス

惜別! ライン河軌道。

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先日、個人的に非常にショッキングなニュースが飛び込んできました。なんとあのライン河上流工事事務所の軌道があっけなく廃止されてしまったというのです。
▲コルバッハ採石場で休む“サンティス”。この情景ももう二度とふたたび見ることができなくなってしまった。'05.9.26

一昨年、このブログで足かけ10回にわたって連載しましたので、ご記憶の方も多いと思いますが、利根川になぞらえて便宜的にライン河上流工事事務所と勝手に名づけた“Internationale Rheinregulierung”(直訳すると「国際河川改修」)の軌道は、スイスとオーストリアの国境を流れるライン河の河川改修工事とボーデン湖の調整を目的に敷設されたもので、百年以上にわたって走り続けてきた750㎜ゲージ軌道です。おそらく現存する河川改修用インダストリアル・ナローゲージとしては世界最大規模で、本ブログのタイトルにも毎日使っているように、そのロケーションも群を抜いて魅力的なものでした。

koblach103.jpg詳しい状況はわかりませんが、どうやら改修工事用の石材輸送列車は昨年いっぱいで運転をやめ、今年になってから軌道の撤去が開始されたようで、積み込み側の起点であったコルバッハ採石場周辺はすでにすっかり撤去が完了してしまっているとのことです。オーストリア側のルスティナウにある工事事務所に隣接した河川改修博物館は従来どおり開館しており、その啓蒙活動の一環として運転されているエクスカーション・トレインはこれからも運転されるとのことですから、博物館周辺の軌道は存置されるものと思われます。
▲コルバッハには煉瓦造りの駐泊庫もあり、シンプレックスのDLが終日入換えに励んでいた。この付近の線路もすでにすっかり剥がされてしまったという。'05.9.27

おびただしい輌数が在籍している木製ダンプカー、石材用平トロ、それにナベトロ類は希望者がいれば払い下げるそうですが、機関車に関しては特にアナウンスされていませんから、恐らく博物館で保管されるのでしょう。

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▲ライン河堤防上をゆく定期砕石列車。ルスティナウの博物館周辺の軌道はエクスカーション・トレイン用に残されるというが…。'05.9.26

それにしても、かくもあっさりあの軌道が終焉を迎えようとは…、本当に言葉がありません。一昨年、12年ぶりに訪れたライン河軌道はほとんど変わることなく、インダストリアル・ナローゲージ本来の魅力を思う存分に味わうことができました。「今度は12年ぶりと言わずにまた来よう」、そう思ってあの堤防を下りたのが、最後となってしまいました。

※一昨年のブログではほんのワンシーンしかお目にかけられなかった動画を、今日はたっぷりとご覧にいれようと思います。ありし日のライン河軌道を偲んでいただければ幸いです。
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▲上の画像をクリックすると動画がご覧になれます。音声付きですので、周囲の環境に配慮のうえご視聴ください。なお、Macでは再生できないことがあります。
〔動画〕
・ルスティナウ付近の東岸堤防上をゆく石材輸送列車
・スイス川西岸堤防上をゆく砕石輸送列車
・国境の併用橋をゆくナベトロ列車
・ボーデン湖の終端付近をゆく石材輸送列車
・同返空列車(非電化のためディーゼル運転)

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