鉄道ホビダス

修復進む都電6191。

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先日、府中市市民健康センター交通遊園のEB10の現況をお伝えしましたが、今日は同じ遊園内に保存されている東京都電6191号についてお伝えしてみましょう。この6191号は1981(昭和56)年に東京都交通局から払い下げられてこの遊園に保存されたものですが、なぜか車番が「4154」(良い子よ…か?)と縁もゆかりもないものに書き換えられ、経年劣化が進んでいました。
▲武蔵野の地もいつになく冬の訪れが遅い。欅林に囲まれて陽だまりの中に佇む6191は、まるで現役かと錯覚させるほどに甦った。'06.12.2

IMGP0716n.jpgそんな状況を見かねたファンや市民がボランティアを買って出て、2年ほど前から手探りの修復作業が始まりました。メンバーはそれこそ会社員から小学校の先生、大学生、高校生、さらにはたまたま通りかかった近所の人まで実にさまざまで、文字通りボランティアによる修復プロジェクトです。メンバーのお一人の岸 由一郎さんから頂戴したメールによれば、外装の修復はほぼ一段落し、現在では内装と機能面での復元作業に入っているとのことです。車内の整備はまず剥離している古い塗装を除去することから始まりますが、スクレーパーを片手に天井を見上げながら浮いた塗料を削り落としてゆく作業は、想像以上に地味できつい作業だといいます。
▲横にはこれまでの修復歴をわかりやすくまとめた説明看板が立てられている。この看板によって修復整備が行政の手ではなくボランティアによるものであることを市民が知ることにもなる。'06.12.2

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▲床下機器まですっかり綺麗になった6191号。本車はRMライブラリー『東京都電6000形』によれば1950(昭和25)年の日本車輌製。同年11月16日に南千住車庫に新製配置され、のち1971(昭和46)年3月18日に荒川車庫に転じて現在の荒川線で活躍をしていた。廃車は1978(昭和53)年4月27日付け。'06.12.2

IMGP0713n.jpgすでに今年度の作業は4月18日のスタートから13回目を向かえているそうで、去る12月9日には圧縮空気で動作する機器類の試験も行われたそうです。外部コンプレッサーから現役時代の圧力(400~500キロパスカル)を込めると、これまでの努力の甲斐あってブレーキシリンダーの動作も確認でき、夕方には片側の運転台の警笛が吹鳴可能な状態にまでなったというから驚きです。
▲見違えるように美しく整備された台車。車号からするとD16形台車を履いて落成したと思われるが、振り替えられたのか古いD10形台車を履いている。'06.12.2

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▲外観は素晴らしい状態に甦ったが、ボランティアの皆さんによる修復整備は今後機能面にまで及んでゆくという。来年にはさらに充実した6191号の姿を目にすることができるにちがいない。'06.12.2

今日24日は年内最後となる修復作業が行われたはずです。先般ご紹介した沼田のボールドウィンといい、天竜二股のキハ20修復といい、このようにいつの間にか各地でボランティアによる保存車輌整備の動きが活発になってきているのは実に嬉しい限りです。
ちなみに、現在この府中市市民健康センター交通遊園は、塗装工事等園内整備のため来年1月末まで完全閉鎖となっており、園内に立ち入ることはできません。2月になったら、美しくレストアされた6191号の姿を再び目にすることができるはずです。

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