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次世代新幹線N700系量産車ただいま製作中!

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東海道・山陽新幹線の次世代車輌として各種試験が行われてきた「N700系」新幹線電車ですが、ついに量産車第一陣の構体が完成、昨日、日本車輌製造豊川製作所で報道公開が行われました。RMからは新幹線車輌にたいへん造詣の深い梅原 淳さんが現地に赴いてくれ、極めて的確な解説をお書きくださいました。その本編は今月21日発売の本誌誌上でご覧いただくとして、今日は梅原さんの解説をもとに、一足早くN700系量産車の様子をお伝えしてみたいと思います。
▲「エアロ・ダブルウィング」と呼ばれる10.7mの長さを持つ特徴的な先頭部。「口」の中には連結器が収納され、最終的にはFRPのカバーが取り付けられる。製造途上をこんな角度から見られる機会はめったにない。'06.12.7 P:梅原 淳
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▲12ブロックに分けて組み上げられる先頭部分。こうやってブロック別に分類されるとわかりやすい。(JR東海・JR西日本・日本車輌提供資料より)

まず最も気になる先頭形状ですが、これはちょっと意外なことに、量産先行試作編成(Z0編成)とほとんど変わっていません。報道公開まではその変更点が伏せられていただけに、ひょっとすると大きな変更が…と緊張が走っていたものの、これはちょっとばかり肩透かしだったと梅原さん。ただ考えようによっては、量産先行試作車がそれだけ完成度が高かったという証左でもあります。

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▲姿を現したN700量産車の先頭車構体。これほど巨大な構体にも関わらず質量は7tほどというから、いかに効率的な軽量化が図られているかがわかる。'06.12.7 P:梅原 淳

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▲大型押出形材を用いて作られた妻面(左)と、シングルスキン構造の先頭部とダブルスキン構造の客室部の接合部(右)。'06.12.7 P:梅原 淳

ほぼアルミニウム合金でできた車体構体を塗装前に目にできる機会はめったになく、その意味では今回は千載一遇のチャンスでもありました。構体は先頭部はシングルスキン構造、客室部はダブルスキン構造となっており、連結器枠のみが鋼鉄製となっています。先頭部分は最大で長さ4m、幅2mの12に分割されたブロックを組み上げる方式ですが、日本車輌ではこのブロック製造にあたり、板金ではなく部材をプレスして成形する方法を開発、この量産車に採用しています。しかもこのプレス、厚さ3?4㎜の板材を左右方向に引っ張りながら圧力を加えることにより、溶接時の“変形しろ”を計算した部材を作れる特殊プレス機だそうで、こんなところにも日々進化発展してゆく日本の新幹線技術の片鱗を見ることができます。

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▲完成した先頭部構体を内側から見通す。前面窓下部に見える仕切り板によって室内の気密状態が保たれるという。'06.12.7 P:梅原 淳

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▲同じく先頭車構体を内側から見る。骨組みが密集している部分はトンネル微気圧波などの強い力がかかる箇所。'06.12.7 P:梅原 淳

n700z1n8.jpg今回公開されたのはJR東海所属のZ1編成新大阪・博多方先頭車783‐1。来年度から2009年度にかけてJR東海が42編成672輌、JR西日本が12編成192輌、合計54編成864輌が導入されるN700量産車のトップバッターです。いよいよ東海道・山陽新幹線がN700系に席捲される日も間近となってきたようです。
なお、量産先行試作編成(Z0編成)の試乗記(動画付き)も好評配信中ですので、この機会にぜひご覧ください。
▲仮台車に載せられた構体床下を見る。これまためったに見られない光景だ。'06.12.7 P:梅原 淳

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