鉄道ホビダス

エキスポ・メトリック2006レポート。(番外編)

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さて、連載冒頭で「実はいかにもフランスらしいギミック、いやエスプリが仕組まれている」と書いたレイアウトの種明かしですが、この写真をご覧になれば一目瞭然、そう、トランクを用いたモジュールなのです。
▲単なる田舎道との交差部なれど、トランクの蓋を巧みに使って、さながら“騙し絵”のように奥行き感を持たせたモジュール。う~ん、やられた…。'06.11.26 P:岡山英明

emr43.jpg固定式のホームレイアウトと異なり、モジュールレイアウトの利点はイベント会場などでほかのモジュールと自在に連結して運転を楽しめる点です。わが国でもさまざまなスケールのモジュールレイアウトが隆盛ですが、持ち運べる特性のわりには運びにくいのが最大のウィークポイントなのではないでしょうか。いきおい自作の箱に厳かに収め、周囲に気を遣いながら電車に乗ることになります。そんなモジュールレイアウトの弱点をフランス流(?)の逆転の発想で解決したのがこの“トランク・モジュール”なのでしょう。
▲トランク・モジュールにもやはり水辺のシーンが盛り込まれている。釣り人などフィギュアにひとかたならぬ拘りを見せるのもヨーロッパ流。'06.11.26 P:岡山英明

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▲小さな庫を配した構内シーンのトランク・モジュール。背景の工場建屋は「蓋」の部分にくっついているようだが、果たしてどのように畳み込まれるのかは不明。'06.11.26 P:岡山英明

emr45.jpg岡山君の見聞でも残念ながら詳しいことはわからず、いったいどういう仕掛けになっているのかは不明ですが、どうやらトランクの「底」に収納されている地面を開口部と面一に持ち上げ、ほかのトランク・モジュールとはブリッジ状のレールで連結するようです。モジュール同士が接しないために線路のin-outの位置設定も自在で、その点では狭い面積ながらかなりの自由度を確保できるようです。さらに一石二鳥なのは「蓋」の部分がそのまま背景として利用できることでしょう。ここにご紹介したいくつかの例のように、「蓋」を巧妙な騙し絵にしてパースペクティブを表現したり、はたまた工場建屋の正面部だけをスライスして貼りつけたりと、実に巧みに有効利用しています。このトランク・モジュールならば、キャスターも付いているため旅行気分で気軽に外部に持ち出せ、電車に乗っても不審がられることもなさそうです。
▲甜菜の積み込み風景だろうか、ささやかなサイディングでは小型コンベアを使っての収穫の積み込み作業が行われている。'06.11.26 P:岡山英明

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▲ブリッジ状の連結レールで接続されたトランク・モジュールの数々。今後果たしてトレンドとなってゆくのだろうか…。'06.11.26 P:岡山英明

今年のエキスポ・メトリックの様子を垣間見るに、「作る」取り組み、ことに地面系にかけては、3大ナローゲージ・モデル・エキジビションの中でヨーロッパ大陸が一歩リードした印象を持ちます。マテリアルや技法の豊富さもさることながら、トランク・モジュールのような実験的な取り組みまで、やはり来年こそはかの地を踏まねばなりますまい。
ともあれ、エキスポ・ナローゲージに続いてのレポートを送ってくれた岡山英明君になによりも感謝です。

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