鉄道ホビダス

ついに完成!『改訂新版 木曽谷の森林鉄道』。

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すっかり遅くなってしまいましたが、かねてより予告していた『改訂新版 木曽谷の森林鉄道』が、本日ようやく完成いたしました。初版発行から実に19年、第三版目にあたる今回は随所に大幅な追加・改訂を加え、決定版と呼ぶにふさわしいものとなっています。

IMGP0687n.jpg本誌上の予告でもご承知のことと思いますが、今回の「改訂新版」最大の見所は、なんといっても3箇所に挿入された総計32ページのカラーグラフです。1960年代に支線の奥にまで足を向けられた北市正弘さんの貴重な記録を中心に、著者の西 裕之さんをして、よくぞこれほどのカラーがあったものと驚かれるほどの画像の数々です。
▲「改訂新版」の巻頭カラーページの扉。秋の三浦湖畔をゆく「みやま号」の車中からの光景が、あの日の「木曽谷」へといざなう。

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▲カラーページはトップの「木曽谷の森林鉄道」、中面の「木曽谷の車輌たち」、そして各支線区の画像をまとめた「美しき木曽谷」と続く。

モノクロページのさらなる充実ぶりも特筆に値します。濁川、小俣、瀬戸川、水無…といった支線についてもそれぞれ初公開の写真を用いて詳細にご紹介しています。ことに濁川や小俣、瀬戸川に関しては停車場配線図も掲載していますので、モデラーの皆さんにもまたとない資料となるに違いありません。

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▲モノクロページでは各所に挿入された配線図や路線詳細図が必見。支線はもとより、作業軌道の位置まで詳細に記入されている。

そしてさらにご注目いただきたいのが、崩越(くずしご)以遠の王滝森林鉄道本線と、その全支線を詳細に記入した5万分の1図の数々です。実はこの地図の校了に予想以上に手間取ったために出版時期が遅れてしまったのが真相なのですが、西さんが等高線一本にまで拘って記入指示された渾身の作だけに、今後“木曽森”の探訪を志される方にとっては間違いなく必携の地図となるはずです。

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▲そして巻末には有名な樽ヶ沢橋梁など木橋や隧道の建設図面が折り込みで挿入されている。これまた必見。

今月号の本誌編集後記にも記したことですが、この『木曽谷の森林鉄道』は、私の編集者生活にとっても忘れられない一冊です。初版の校了時、西さんは新婚ほやほやで、毎夜毎夜キャプション書きだ校正だと編集部に遅くまで詰めていただき、私がご自宅に“事情”を説明する電話を掛けるといった日々が続きました。私の方も全ページのレイアウトを自らこなし、なおかつワープロさえない時代ゆえ、すべてのキャプションを短時間に原稿用紙にリライトしてゆく作業も並大抵ではなく、結局、当時用賀にあった編集部に丸一週間泊り込むといった今では想像さえできない状況でした。編集に着手した時点では私もまだ二十代。当時流行していたゲームソフトが4800円だったことから、「そんなもの(失礼…)に身をやつすなら、あと100円足せばこれが買えるぞ」とばかり定価4900円に決めたのも、今となっては懐かしい思い出です。それだけに西さんはもとより、私にとってもこの一冊は、若さと情熱の詰まった何ものにも代えがたい格別の一冊なのです。

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