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愛しの“ギャロッピンググース”。(9)

■7番グースのこと
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ギャロッピンググース7兄弟の末っ子7番グースは、3番4番と同じ1926年ピアース・アロー製タイプ“33”ボディを搭載して1936(昭和11)年10月27日に誕生しました。ただ、エンジンはグース一族のなかで唯一フォードV8(1936年モデル)を搭載していたのが特筆されます(1946年にGMC製6気筒に喚装)。また全長46フィート(約14m)は、ビッググースと呼ばれる3~5番よりさらに0.8mほど長く、自重(約7.5t)とともに一族最大です。
▲クラシックなリムジンボディが残るNo.7。荷室部分はNo.3~5と同様にエクスカーションユースの客室に改造されている。'92.9.13 CRRM

7goose2.jpgなぜかこの7番は3~5番のようにいわゆる“バスボディ”に載せ替えられることはなく、ピアース・アロー製のクラシックな車体のままエクスカーション用として改造を受けます。時に1950(昭和25)年、定員32名のシートはデンバーのトラムからの流用です。つまりバスボディ以外で唯一の「旅客車」となったわけです。側面中央の窓下、ホイールアーチの痕跡のすぐ前には例のギャロッピンググースのヘラルドが描かれ、1950年当時は3~5番に伍してエクスカーションユースに活躍したようです。ただその活躍も長くは続かず、1952(昭和27)年には後部客室部を取り払った無残な姿で路線の撤去作業に当たっている姿が目撃されています。
▲現役時代は“丑の刻参り”の蝋燭のごとく正面左右屋根上に掲げられたライトがおどろおどろしかったが、リビルド後は少々おとなしい表情となった。'94.9.3 CRRM

6goosedrive1n.jpg2番6番とともにコロラド・レールロード・ミュージアムに救い出された7番グースは、最後まで事業用として使われていただけあってとりあえずは可動状態にあり、1954(昭和29)年にエンジンをシボレー6気筒に喚装のうえ、同ミュージアムの園内デモ運転用軌道で“体験乗車”に供されることとなりました。しかし新製以来車体載せ替えを行っていないだけにその状態はかなり悲惨だったようで、“decrepit condition”(よぼよぼの状態)とまで評されるありさまでした。
▲グースのファイナルドライブは外掛けのチェーン。結構走行中にチェーンが外れるトラブルがあったらしい。ちなみにこの写真はNo.6。'92.9.13 CRRM

そんな満身創痍の7番グースにさらなる悲劇が訪れます。ある日、ロッキーから吹き降ろす突風で、あっけなく車体が吹き飛んでしまったのです。もちろん間もなくリビルドされたものの、その後は動く機会もなく、今もミュージアムの片隅でひっそりと余生を送っています。

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