鉄道ホビダス

ひとりぼっちの「RhW」。(上)

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国策として鉄道輸送にプライオリティーをおいているスイスでは、地域を問わずさまざまな種類の鉄道が活躍をしています。ことにアルプス山岳地帯に数多存在する登山鉄道は良く知られるところで、アプトやリッゲンバッハ、シュトルプなどのいわゆるラック式もメッカの様相を呈しています。

そんなスイスの片田舎で実にささやかな登山鉄道(?)を見かけたのでご紹介してみましょう。場所はチューリッヒの北東、対岸はドイツとなるボーデン湖のほとりのライネックという街です。ラインの曲がり角という名のこの街、9月に「12年ぶりのライン河上流工事事務所」でご紹介したあの工事事務所への道すがらにあたります。
▲彼方にボーデン湖をのぞむワルツェンハウゼン村をトコトコと登るたった1輌だけの電車。'05.9.27

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有名なRhB(レーテッシェ・バーン)と紛らわしくRhW(ベルクバーン・ライネック・ワルツェンハウゼン)という略号を持つこの鉄道、何と延長1.9km、保有車輌1輌! という超ミニ鉄道です。現在の日本で一番営業距離が短いのが普通鉄道では芝山鉄道の2.2kmですから、このRhWはさらにそれより300mも短いことになります。周囲にはとりたてて観光地もなく、ではいったい何のための鉄道なのかと、いぶかしく思いながら起点のライネックの駅を訪ねてみました。
▲山頂(?)のワルツェンハウゼン駅は村の郵便局と同じ建物。駅を示す小さな案内看板はあるものの、よぼど注意しないとまったく判らない。写真の入口を入ると途端に電車が待っているのにはちょっとびっくり。

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SBB(スイス国鉄)のライネック駅はとりたてて代わり映えのしない小駅で、ホームは対向式2面。複線の本線は結構な列車容量ですが、この駅に停まるのは近郊電車だけ。お目当てのRhWはというと、駅舎側のホーム上のコンクリート上に埋め込まれた軌道が…。1200㎜ゲージのRhWの電車はSBBの列車に合わせてこのホームから出ているのでした。

待つこと暫し、カタカタとピニオンの空転音を響かせてやってきたのは、派手な塗装を纏った2軸の小型電車でした。見ていると、ライネック駅のホームに到着した電車はわずか数人の乗客が乗り込むとすぐに折り返し、300mほど国道脇を走ったのち、急に向きを変えてラックのエントランスに入り、今度は250‰のリッゲンバッハ区間をよじ登って消えてゆきました。
▲SBBのライネック駅で発車を待つRhW。実に可愛らしい単車だが、日本人の感覚からすると塗色がちょっと…。'05.9.27

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