鉄道ホビダス

12年ぶりのライン河上流工事事務所。(第5回)

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第5回:“オレンジなめくじ”の恐怖。
「ライン河上流工事事務所」のレギュラー・トレインは採石場のあるコルバッハを平日の朝7時に出る一番列車で幕を開けます。このいわば“初電”は、前日夕方に平トロに積まれた巨大な石を東岸最奥の非電化ローディングポイントまで運ぶ長距離列車(?)で、続いて8時頃に架線終端部まで行く鍋トロ列車が出発します。まばゆいばかりの朝日を全身に浴びてラインの堤防上を行くこの2本は、一日の始まりにこれ以上ないほどの相応しさでした。日本とかの地の時差は7時間(サマータイム)。今日も日本時間の14時にはあの一番列車がポールをかざしながらコルバッハ採石場のヤードを後にするはずです。
▲日曜日の朝、平日であれば一番列車で賑わうコルバッハの採石場もひっそりと静まりかえっていた。秋の陽が駐泊用矩形庫とその周辺を照らし出す。画面奥に見える採石現場も、今日は発破の音さえなく静寂に包まれている。’05.9.25

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ところで、こうやって写真になった情景を見ている限りは、何ら問題のない素晴らしくきれいな所のように思われるでしょうが、実はとんでもない恐怖体験(?)をしてしまいました。お食事前の方はこれから先はお読みにならない方が良いと思います。

ライン河河川敷の土質はほとんど粘土に近いような感じで、しかも常に湿っています。それゆえに見た目にきれいな草地となるのでしょう。それは3日目のことです。

だいたいのロケーションも把握し、昨日、一昨日と続けて撮影した河川敷で列車を待っていました。そういえばそれまでにもあちこちで見かけたような気がするのですが、足下にはパラパラと紅葉した笹の葉(?)のようなものが落ちています。私は目が悪いもので、それまではよく見えなかったのですが、この時初めてその物体を凝視しました。

まさに身の毛もよだつとはこのことでしょう。そのオレンジ色の物体は何と“なめくじ”だったのです。見たこともない長さ10センチ以上もあるオレンジ色のなめくじがそこら中にウヨウヨ ! そんなこととは露知らず、2日にわたってスニーカーでずかずかと歩きまわり、カメラバッグをどかっと置き、思い出したくもないことに、一回は腰をおろして昼飯さえ食べてしまいました。
▲木製ダンプを連ねて東岸本線をゆく“ハイジ”。一見美しく見える土手周辺だが、足下に注意していないと本当にとんでもない恐怖体験をすることになる。'05.9.26

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そんなわけで、3日目以降は草地に入っての撮影はパタッとやめ、キョロキョロと足下ばかり気にしながらの挙動不審な行動となりました。

ちなみに、ベルギーのブリュセルに単身赴任中の同期の友人によれば、ベルギーあたりにもウヨウヨいるそうで、雨上がりなど事務所前の歩道にまで這い上がってきて踏んづけないように難儀するとのこと。彼からのメールによれば「色は焦げ茶で、木切れでひっくり返してやると、裏はアワビに似た模様…」だそうですから、ラインの方々と同族なのは間違いありません。おぞましや、おぞましや。一体何と言う種類なのか知りませんし、知りたくもありませんが、とにかく日本では見たこともないあの巨大な“オレンジなめくじ”の集団は、ライン河を思い出す時の個人的トラウマとなってしまったことだけは確かです。まぁ、森林鉄道歩きでよく遭遇する吸血ヒルのようにジャンプして飛びかかってこないだけ、多少マシではありますが…。
▲「利根川上流工事事務所」になぞらえるなら、近くの「町」といえば栗橋や古河に相当するルスティナウという町。当然ながら観光的要素など微塵もなく、5日間日本人の姿を見ることもなかった。スーパーの前に小型トラックを停めて焼きたてのローストチキンを売っていたので、無理を言って半身だけ売ってもらった。日本で言えばスーパー店頭のやきとり屋といったところか…。パンがついて日本円で300円ほど。ブロイラーを禁止しているスイスだけに鶏肉はうまい。写真は、あの方々が周りにウヨウヨしているとは気づかず、草地にドカッと座り込んで食べてしまった痛恨の昼食。'05.9.25

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