鉄道ホビダス

12年ぶりのライン河上流工事事務所。(第4回)

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第4回:架線1本で列車交換する方法?
「ライン河上流工事事務所」がなぜ今もって軌道輸送に拘っているのか、その正確な理由はわかりません。ただ、スイスは古くから国策として鉄道貨物を最優先しており、その辺にも軌道を使い続けている訳があるような気がします。事務所の資料によれば、この軌道で運ばれる土砂は年間で実に10万トンにものぼるそうです。たかが750mmゲージのナローと侮るなかれ、この輸送量をトラックに転換するとなると、環境に大きな影響が出ることは自明です。
▲スイスの人々はどうやらたいへんな犬好き。各所に“ドッグラン”用の駐車場が設備されており、朝の河川敷は愛犬を散歩させにくる人で結構な賑わいとなる。西岸本線 '05.9.24

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軌道総延長33km中、現在運行されているのは26kmほど、その中でレギュラートレインが運転されているのは20km程度でしょうか。本線の使用レールは18kg/m、平均勾配は15‰、最急曲線は半径60m、電化区間は直流750V、最高運転速度は18km/hだそうです。
▲土手にはいたるところに犬の散歩用のビニール袋とフンポスト(?)が備えられている。見ていると誰もがごく自然にこの設備を利用している。
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本線の上下列車はほぼ中間地点となるスイス側(西岸)のウィドナウという所で交換します。かつては交換設備以外にも駐泊設備もあったようですが、現在では未舗装の道路脇にサイディングが設けられているだけとなっています。

ここでの交換の仕方がなかなか見物です。なにしろ架線は1本しかなく、いったいどうするものかと思って見ていると、実に単純かつ巧妙な方法で交換します。まず、ボーデン湖行きの盈車(積車)列車が到着、ポールを下げてコルバッハ採石場行きの空車列車を待ちます。空車列車は側線に入りますが、ポールはグイッとばかり角度を変えてお隣の線路上の架線を掴んだまま走り続けます。確かにこの方法であれば架線が1本しかなくても交換可能なわけで、この“コロンブスの卵”的発想には脱帽です。
▲ウィドナウで交換する盈車列車を牽くURS(右)と空車列車を牽くハイジ(左)。ハイジのポールがお隣のURS側の架線を掴んでいるのがわかろう。ここから国境の併用橋までは盈車にとって逆勾配となるため、空車列車を牽いてきたハイジはここで一旦列車を解放し、ディーゼル機関車となって盈車列車の後部補機を務める。'05.9.27

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