鉄道ホビダス

日本鉄道保存協会総会を開催。

hozonnkyoukaitop.jpg
全国の保存鉄道を横断的に取りまとめている「日本鉄道保存協会」(事務局:日本ナショナルトラスト)の平成17年度総会が今日始まりました。開催地団体であるJR北海道さんのご案内でまずは同社の苗穂工場を見学、午後からはホテルのレセプション・ルームに場所を移して議事が始まりました。
▲あまり知られていないが、苗穂工場内にある鉄道技術館はなかなかの充実ぶり。各種の実物展示のほか、資料類も驚くほど充実している。ただし、公開日にしか見学できなのが残念。

hozonnkyouki 2jpg.jpg
今年のメインテーマは「これからの鉄道保存」。いろいろな意味で大きなターニングポイントにさしっかっているわが国の鉄道保存の現状を、海外の事例も検証しつつ多角的に議論しようということで、まずは交通博物館の菅 建彦館長の「これからの鉄道保存」と銘打った基調講演からスタートしました。生活の中に鉄道がどう生きてきたかを積極的に見せようとする欧米の博物館の事例が次々とOHPで投影されると、50名を越える参加者からは感嘆とも羨望ともつかない溜息が漏れました。
▲北海道最新の話題といえば、何と言ってもJR北海道の「DMV(デュアルモードビークル)」。ちょうど苗穂工場に戻っていた試作1号車をバックにDMVのポテンシャルを語るJR北海道の柿沼副社長。中央は交通博物館の菅館長、左が私。

DMV2.jpg
続いて行われたパネルディスカッションでは、「鉄道保存の将来を考える」と題したテーマのもと、開催地の北海道の保存団体、つまりJR北海道、遠軽町(旧丸瀬布町)、三笠市、小樽交通記念館、ほべつ銀河鉄道の里づくり委員会から、それぞれの保存活動の現況と問題点が報告され、いつにない活発な議論が繰り広げられました。

hozonnkyoukai2.jpg
東京では景気の踊り場脱却が云々される中にあって、開催地・北海道地方の経済状況は決して良好とは言えません。「鉄道村」の維持運営が危機的状況に陥っている三笠市をはじめ、理想と情熱だけでは必ず限界がくる「鉄道保存」という長期的なテーマを、決して理想を失うことなくどのように折り合いをつけ将来につなげてゆくか…その抜本的解決策は見えないにせよ、今日の数々の議論の中からいくつかのヒントだけは見えたような気もします。ことに、菅館長の基調講演の締めくくりにあった「むやみに幼児の興味に迎合することなく、大人も納得できる保存展示に務めなければ将来が見えない」という言葉や、コメンテーターを務められた産業考古学会の堤 一郎理事の「これからもっと困難になるであろう若年層の鉄道に対する興味の教育の側からの掘り起こしの必要性」は、多くの参加参加団体にとって深く心に刻まれるものとなったに違いありません。
▲苗穂工場に「静態」となって保存されているC62 3とも久しぶりの再会。気がついてみると、復活運転が終了してから今年の11月で10年になる。

レイル・マガジン

ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2018 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.