鉄道ホビダス

12年ぶりのライン河上流工事事務所。(第8回)

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第8回:イエンバッハとシンプレックス

本線の主力は“URS”“HEIDI”そして“ELFI”“SANTIS”といったディーゼル・電気機関車たちですが、コルバッハの採石場をはじめとしたシャンティング・エリアで活躍するのは3輌のシンプレックスです。
▲12年前に写したイエンバッハJW20形(1950年製)。この時はまだ現役であった。全長2340mm×全幅1100mmとえらく小さいが、自重はそれでも3.8tある。'93.10.15

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“シンプレックス”とは、英国ベッドフォードにあった“Motor Rail Ltd.”が送り出した2?15tの小型内燃機関車の商品名で、その形態は実にプリミティブ、一言で言えば農耕用トラクターが軌道を走るような代物です。実際に初期の製品は“Petrol Tractor”とうたっていますから、メーカー側も軌道を走るトラクターといった感覚だったのかもしれません。
▲左はルスティナウ工場の入換えに働くシンプレックスの“Juno”、右は1950年自家製のロッド式DLで、その名も“Rhein”。残念ながら現役を退き、西岸本線脇のロータリーに保存展示中。'05.9.25

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この決してカッコいいとはいえないシンプレックスですが、英国のインダストリアル・ナローゲージ、ことにモデルシーンでは絶大な人気があり、さまざまなメーカーからさまざまなスケールで模型化されています。残念ながら本国イギリスでも現役で活躍しているシンプレックスはおらず、あまた残された個体はすべて動態・静態の保存機です。(余談ですが、かの地の名だたるインダストリアル・ナローゲージャーは、皆さんお決まりのごとく1輌はこのシンプレックスの実機を個人所有しています)。
▲“A Guide to SIMPLEX Narrow Gauge Locomotives”はシンプレックスの入門書としてベスト。残念ながら日本では手に入らず、これはイギリスで仕入れたもの。

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それだけに「今なお現役」として日々使用されているのは欧州広しといえども極めて珍しいことです。ライン河上流工事事務所には“Juno”(1950年製)、“Miki”(1951年製)、“Susi”(1960年製・2代目)の3輌のシンプレックス(いずれも7.4t)が在籍しており、今回は“Susi”がコルバッハ採石場の入換え、“Juno”がルスティナウ工場の入換え、そして“Miki”が検査入場中でした。
▲コルバッハの入換えで終日ちょこまかと構内を走り回っているのはシンプレックスの“Susi”。屋根上のパトライトは採石場入り口の国道を横切る際に点灯させる。'05.9.27

DH000126.jpgDH000123.jpgDH000114.jpgそしてもう1輌、忘れてはならないのが地元オーストリアのメーカー、イエンバッハ製の超小型DL“イエンバッハ”JW20です。この機関車も12年前はルスティナウ工場の入換えに用いられていたのですが、今回はコッペル製の古典DLであるMD2(静態保存機)とともに機関庫内に押し込められてしまっていました。
▲ルスティナウ工場の庫内に保管されているイエンバッハ(赤色)とコッペル(緑色)。なかには烏天狗(?)を思わせるインスペクションカーもあった。'05.9.27

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