鉄道ホビダス

RMライブラリー新刊は『国鉄EF13形-戦時型電機の生涯-』。

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▲新鶴見機関区で待機する凸型第1次装備改造車体の5号機。わが国のF級電機のなかで異色のスタイルであった。P:三谷烈弌
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お待たせいたしました。かつて小ブログ上でも皆さんに写真のご協力をお願いいたしましたRMライブラリーの『国鉄EF13形-戦時型電機の生涯-』がいよいよ完成いたします。ひさしぶりに国鉄電気機関車にスポットをあてた本書は、技術士として長く国鉄の研究部門にお務めで、模型の世界でもつとに知られる小林正義さんが、まさにライフワークの一環としてまとめられた大作で、いち形式としては異例のことながら、今月と来月の上下巻でお送りいたします。

RML125h1.jpgサブタイトルにもある通り、EF13形電気機関車はD52形蒸気機関車や省電モハ63形、あるいは3軸貨車のトキ900形と同じく「戦時型」と呼ばれる車輌で、第二次世界大戦末期の1944(昭和19)年に誕生しました。戦況による資源の枯渇や人材不足が深刻化するなか、それまでのEF12形の設計変更による資材の節減も限界に達し、EF13形は当初から資材の節減とともに工数の低減を徹底して設計されました。それは本線用電機としては異例の凸型車体の採用に象徴されますが、勇壮なその姿とは裏腹に、大型電気機関車の必需品とも言える高速度遮断器を省略したことによる主回路機器の焼損事故が発生するなど、トラブルが続発、さらに乗務員も冬季の隙間風など過酷な乗務環境を余儀なくされたそうです。

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▲数々の貴重な未発表写真とともに、本書の白眉ともいえるのが著者・小林正義さん自らがCADを駆使して作図した図面類。モデラーの皆さんにもまたとない資料となるはず。 (RMライブラリー『国鉄EF13形-戦時型電機の生涯-』上巻より)
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そんないわば“問題児”であったEF13形ですが、1948(昭和23)年からは高速度遮断器の取り付けをはじめとする第1次装備改造が始まり、以後、戦後復興に大活躍することになります。車体補機室前方に出入台の手摺りが付いた模型などでもお馴染みの姿はこの時代のものです。もっとも、そのスタイルも長くは続かず、1952(昭和27)年から始まった第2次改装によりEF58の旧車体と振り替えられ、EF12形に似た箱型デッキ付きの標準的な貨物機の姿へと変わってゆくのです。

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▲わずか31輌ながらその形態は実に多種多様。本書では可能な限りのバリエーション違いを、時期による差異も含めて紹介・解説している。 (RMライブラリー『国鉄EF13形-戦時型電機の生涯-』上巻より)
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▲東海道本線をゆく凸型車体のEF13たち。弱め界磁さえ持たない急拵えの電機ながら、戦後復興の担い手として大活躍を果たした。 (RMライブラリー『国鉄EF13形-戦時型電機の生涯-』上巻より)
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本書上巻では誕生時から第2次改装が始まるころまでの、凸型車体の時代を収録しています。車体はもちろん、台車、主回路に至るまで資材の節減が徹底された戦時型として仕様と、その後の装備改造を詳細に解説するほか、当時の運用、さらにEF58の車体を譲り受けた第2次装備改造の概要を多くの貴重な写真とともに収録しています。ちなみに著者の小林正義さんは実際に機関助士としてEF13に乗務した経験をお持ちで、それだけに外観上の形態分類はもちろん、主回路つなぎや主接触器作用順序のEF12形との比較など、内外にわたって詳細に解説していただいています。

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▲偶然にもEF58の旧車体と同数だったことから、凸型車体を脱ぎ捨てて箱型車体への第2次装備改造が行なわれることとなった。車体載せ替えのためB50 23に推されて川崎車輌へと入ってゆくEF13 11と、廃棄された凸型車体。 (RMライブラリー『国鉄EF13形-戦時型電機の生涯-』上巻より)
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なお、7月13日付け小ブログ「EF13凸の写真を探しています」でも写真のご提供をお願い致しましたが、おかげさまで全31輌のうち8割強の機番の凸型時代の姿を収録することができました。東京近郊はもちろん、東海道線浜松、さらに上越国境まで、わずか13年で幕を閉じた凸型EF13形を記録した貴重な写真50点以上を収録した本書は、わが国の車輌史に残る一冊だと自負しております。どうか1月発売の下巻とともに書架にお揃えください。

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