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名残の北陸鉄道加賀一の宮を訪ねる。(上)

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▲いつの間にか季節はすっかり秋。手取川にようやく朝日が差し込む頃、冷気をついて朝2番の上り野町行きが発車してゆく。'09.9.21 加賀一の宮
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このところ小康状態を保っていたかに見えるローカル私鉄の路線廃止ですが、既報のとおり(アーカイブ「北陸鉄道石川線部分廃止へ…」参照)、北陸鉄道石川線の鶴来~加賀一の宮間2.1㎞が来る11月1日を持って廃止となります。

090924nmap.jpg1970年代末までは加賀一の宮~白山下間の「金名線」、鶴来~新寺井間の「能美線」と合わせて「石川総線」と通称される一大ネットワークを形成しており、クロスシート車での準急運転や、ジャンクションとなる鶴来駅でのせわしい発着風景などを目にするたびに、私鉄王国=北陸を実感したものです。その王国も1980(昭和55)年の能美線廃止、1987(昭和62)年の金名線廃止と櫛の歯が抜けるように痩せ細り、いつしか石川線野町?加賀一の宮間15.9km間のみとなってしまいました。そして、その石川線もついにその一部が欠けることになるのです。
▲1980年代以降の北陸鉄道路線変遷。かつては石川線、金名線、それに能美線を含めて「石川総線」と通称されていた。
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▲石川線の中枢・鶴来駅は加賀一の宮に伍する格式ある駅舎が特徴。正面に掲げられた社紋が燦然と朝日に輝く。'09.9.21
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▲今回の廃止区間唯一の中間駅である中鶴来。かつてはこの駅と鶴来駅との間に並行する能美線の本鶴来駅があった。'09.9.20
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シルバーウィークなる妙な名称を付けられたこの連休、所要で北陸方面に出向いたついでに、名残の鶴来~加賀一の宮間を再訪しました。かつての金名線の素晴らしいロケーションを知る者としては、今回の廃止区間は、加賀一の宮駅の風格ある駅舎以外にとりたてて印象に残ってはいませんが、いざ現地を訪れてみると「石川総線」健在なりし頃の記憶が次々と甦ってくるから不思議です。

090924n009.jpg鶴来を出た列車は、市街地の中を大きく右にカーブをきって手取川の堤防を目指します。1980(昭和55)年秋まではまるで複線区間のように能美線が並行しており、市街を抜けたところに本鶴来の駅がありました。石川線はこの本鶴来には停まらず、手取川に沿うように左にカーブをきって、今回の廃止区間唯一の中間駅・中鶴来駅へと至ります。ちなみに能美線跡はこの本鶴来駅を出たところの用水路を越えるガーダーがしっかりと残っており、車窓からも間近に確認することができます。
▲加賀一の宮駅(写真左奥)手前にはがんばれ石川線の看板が…。'09.9.21
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▲まさに威風堂々とした構えの加賀一の宮駅駅舎。残念ながら現在は無人で、ワンマン運転の列車は出迎える人もなく静かに折り返してゆく。'09.9.21
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中鶴来駅からしばらくは用水路と宅地に挟まれた区間で、決して車窓展望が良いとはいえませんが、終点の加賀一の宮駅手前で一気に視界が開けて手取川沿いに躍り出ます。といっても四半世紀前の牧歌的な印象とは異なり、手取川には巨大な山上郷大橋(橋長241m)が架かり、高速道路並みに整備された鶴来バイパス上をひっきりなしにクルマが行き交っています。

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▲加賀一の宮駅を出て手取川沿いを鶴来へと向かう上り列車。7101Fは今週末に開催される「ほうらい祭り」のヘッドマークを掲出している。'09.9.21
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山上郷大橋を渡った加賀一の宮駅のちょうど対岸側には道の駅「しらやまさん」が出来ており、連休中とあってドライブインも大混雑の様子。閑散とした石川線とは対照的な光景に、抗えない時の流れを実感せざるをえませんでした。

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