鉄道ホビダス

近江鉄道五箇荘側線を訪ねる。

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▲五箇荘駅を発車、東海道新幹線の高架をくぐって側線分岐付近を加速する近江鉄道本線貴生川行き。実は数秒の差で新幹線とのツーショットはならず、これは残念ながら2枚の画像を合成したもの。'09.8.15 五箇荘
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そのうち訪ねてみようと思いながら、ついついその機会を逸してしまった場所はいくつもありますが、近江鉄道の五箇荘駅から愛知川(えちがわ)河岸へと続く側線もそのひとつでした。先週末、私用で大阪へ出掛ける機会があり、行きがけの駄賃?にと彦根から近江鉄道に乗り込み、この五箇荘側線などを訪ねながら貴生川へと抜けました。

090817n026.jpg近江鉄道を訪れるのは一年ぶり(アーカイブ「近江鉄道ミュージアムを見る」参照)です。彦根9時22分発の貴生川行きはモハ806。高宮で多賀線分岐付近に留置されたセキ1などに興味をひかれながらも一路五箇荘を目指します。尼子、豊郷、愛知川と東海道新幹線に寄り添うように走り続けた806Fは、1897(明治30)年英国製とされるポニーワーレントラスの愛知川橋梁を渡って9時47分に五箇荘に到着。五箇荘駅は新幹線高架のすぐ横に位置する交換駅で、目指す愛知川への側線はこの構内外れから分岐しています。

▲本線(手前)側から五箇荘側線をのぞむ。垂直がおぼつかない木製の架線柱、シンプルカテナリーの頼りない架空線…暑くなりそうな夏の朝のひととき。'09.8.15 五箇荘
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▲地形図に見る五箇荘側線。かつては愛知川(えちがわ)河岸まで達していた側線だが、現在では途中のバラス積載場までとなっている。 (国土地理院電子国土より)
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東海道新幹線の海側シートに座った時は、米原を出ると目をこらしてこの五箇荘側線を見つけるのが習慣のようになっています。愛知川を渡るとほんの一瞬、眼下に見える時代を忘れたような砂利採り線は、気忙しい出張時にもひとときの安らぎを与えてくれる存在でもありました。いつかはあの側線を行く列車を見てみたいものと、十年ほど前には近江鉄道さんにお願いしたこともありましたが、いつも予定が合わず、結局は機を逸してしまいました。

090817n021.jpg五箇荘駅から愛知川河岸へと続く側線は、もともとは愛知川の川砂利を採取するための専用線でした。復興社(のちの西武建設)愛知川事業所が河川敷にクラッシャーや水洗機など大規模な採取設備を展開し、安比奈(アーカイブ「安比奈線再訪」参照)と同様に西武マークの小型内燃機関車がナベトロを牽いて走り回っていたのです。ちなみにこの愛知川河岸で使用されていた小型内燃機関車のうちの1輌は、その後、平台車の上に載せられた“おいらん機関車”となって日野駅構内で放置されていたのが下嶋一浩さんによって報告されています(『トワイライトゾ~ン・マニュアル10』参照)。
▲五箇荘駅は2000(平成12)年に地元の東近江市と共同でコミュニティーセンターを併設した立派なものに建替えられている。ちなみに駅名は五箇荘だが、地名は「五個荘」である。'09.8.15 五箇荘
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▲昭和36年、最盛期の五箇荘側線終端部。愛知川事業所第二水洗機前には近江鉄道ト500形506やトム220などが停まっている。'61.6 P:復興社
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▲愛知川を目指して農地の中を続く側線。軌条は30㎏/mか。写真前方が愛知川方面。'09.8.15
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五箇荘側線の砂利輸送がいつ頃終焉を迎えたのかは定かではありませんが、販売用砂利製品の搬出がなくなってからも側線は近江鉄道の事業用バラストの輸送用に残り、ED31がホキを牽いて入線していました。

090817n023.jpg現在でも五箇荘側線は全線にわたって架線が残されており、軌道も少し手を入れれば運行可能な状態に見受けられます。一時はこの側線の一部を利用してのイベント等も行なわれていたそうです。
いつの日か、見ることかなわなかったこの側線を行く列車を目にできることを祈りつつ、短い訪問を終えたのでした。
▲途中には宅地を横切る踏切もある。モデラーにとってもそそられるシーンが随所に見られる。'09.8.15 五箇荘
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▲東武徳川・仙石河岸、常総三所線、西武安比奈、そしてここ五箇荘側線。河原を目指す「砂利線」にはなぜか不思議な魔力がある。'09.8.15 五箇荘
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