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レイル・マガジン編集長自らが作る編集日記。

2009年7月 8日

復活! 足尾のフォード。

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▲加藤製4tディーゼル機関車と並んだ“フォード”。2009年生まれの“ガソリン機関車”である。P:足尾歴史館提供
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“足尾のフォード”と聞いて即座に「フォード万歳」を唱える方はかなり年季の入ったナローゲージャーに違いありません。『鉄道ファン』誌1975年4月号(№168)誌上で臼井茂信さんがその名も「フォード万歳」のタイトルで発表された一枚の写真は、大きな衝撃波となって当時の軽便ファンを包みました。かく言う私もその一人で、それ以来、“足尾のフォード”は脳裏に焼き付いて離れない存在となったのです。

090708n004.jpgその“足尾のフォード”が復活を遂げます。NPO法人・足尾歴史館が昨年より復元に取り組んできたもので、先ごろついに完成、野外展示場の「足尾ガソリン軌道・歴史館線」(アーカイブ「“パリダカ”の増岡さんと足尾・日光のトワイライトゾ~ンを巡る」参照)で試運転を行ないました。注目なのは、機関車の心臓ともいえるA型フォードガソリンエンジンを探しあて、さらにアメリカで復元用として販売されているリビルト用パーツを輸入して、外観のみならず機能的にも忠実に再現された点です。なんと、2009年製の“ガソリン機関車”が誕生してしまったわけです。
▲A型フォードのエンジン。各種のパーツはアメリカ本国から取り寄せたという。P:足尾歴史館提供
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▲完成した“足尾のフォード”。レプリカとはいえ、可能な限り忠実に再現されており、半世紀ぶりにその愛嬌ある姿が甦った。P:足尾歴史館提供
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“足尾のフォード”は大正末期に足尾銅山工作係がフォード社製自動車のエンジンを利用して自力で作り上げた機関車で、足尾の街中を走っていた馬車軌道に最新鋭の機械動力として投入されました。以後、銅山の資材や生活物資の運搬はもとより、「定時」とも呼ばれた無料の旅客列車の牽引にも用いられ、戦後まで足尾の風物詩として親しまれてきました。

090708n003.jpg「定時」の廃止は1953(昭和28)年。2年後には貨物も含めて全廃されてしまったといいます。戦後十年近く残されていたにも関わらず、この機関車に関する資料・写真は極端に少なく、復元に当たっては数々の困難が立ちはだかっていたそうです。それでも足尾歴史館の長井一雄館長の情熱と、同館理事で実作業の中心となった自動車修理業を営む町田 洋社長の卓越した技術力が、今回の奇跡的な“復活”を支える原動力となりました。
▲快調に試運転するフォード。果たして甦ったガソリンエンジンのエキゾースト・ノートは如何に…。P:足尾歴史館提供
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来る8月8日(土曜日)には「足尾歴史館ガソリンカー祭」と銘打って復元記念式典が行なわれる予定です。

「足尾歴史館ガソリンカー祭」開催
開催場所:足尾歴史館(下図参照)
開催日:平成21年8月8日(土曜日)・9日(日曜日)の2日間
開催時間:10:00~16:00
【開催予定内容】
●ガソリンカー復元記念式典/8月8日(土曜日)13時~
●2台のトロッコ機関車(加藤製作所4トン機関車とガソリンカー)の競演
●歴史館内でガソリンカーがテーマの企画展示開催
●鉄道模型と&おもちゃ鉄道の大集合
●わたらせ渓谷鐵道沿線と地元住民による「あおぞら市場」

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【交通】
わたらせ渓谷鐵道「通洞駅」下車徒歩3分
JR日光駅・東武日光駅と通洞駅間の日光市営バスもあります。
(1日4往復、片道約40分要問合TEL:0288-93-3113市民課)
【入場料】
あおぞら市場は入場無料ですが、足尾歴史館の入館と足尾ガソリン軌道歴史館線の乗車には歴史館の入館券をお求めください。
※お願い※
駐車場は限られています。わたらせ渓谷鐵道か日光市営バスをご利用ください。
【お問合せ】
NPO法人 足尾歴史館 
〒321-1523
栃木県日光市足尾町松原2825 
TEL/FAX: 0288-93-0189
ホームページ:http://www18.ocn.ne.jp/~rekisikn

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▲2輌の客車を牽いて快走する「ガソリンカー」。元遊園地の客車を牽引するというミスマッチな光景も楽しい。P:足尾歴史館提供
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この2009年生まれの“足尾のフォード”は、合計13輌存在したというフォードエンジン搭載機のうちNo.8~13を基本としていることから、続き番号としてNo.14を名乗る予定だそうです。梅雨明けの渡良瀬川の渓谷に響くであろうA型フォードのエキゾースト・ノートを聞きに、私もひさしぶりに足尾の地を訪れてみるつもりです。
なお、本機の復元作業の詳細は今月21日発売の本誌誌上で紹介いたしますのでご期待ください。

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