鉄道ホビダス

2009年6月25日アーカイブ

入川森林軌道再訪。(上)

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▲入川森林軌道跡の現在。木漏れ日の軌道に、この時期ならではのエゾハルゼミの鳴き声がシャワーのように降り注ぐ。'09.6.20
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先日、ひさしぶりに「入川森林軌道」跡を訪れました。奥秩父の入川渓谷に残されたこの軌道跡は、東京から日帰り圏内で見られる森林軌道の痕跡としては随一のもので、しかも今年になって荒川源流を訪ねるハイキングコースとして再整備されたこともあって、一般にも広く知られるようになりました。

irikawakidou01.jpgこの入川森林軌道には格別な思い出があります。1983(昭和53)年夏、軌道終点に位置する発電所取水口の工事が行なわれ、軌道が奇跡的な復活を遂げたのです。この経緯については『トワイライトゾ~ン・マニュアル5』誌上で「つかの間の夏 ~入川森林鉄道復活の日々~」として詳しくご紹介いたしましたが、とにかくひと夏限りのこの復活を見たさに、8回も“入川通い”をしてしまったのですから我ながら尋常ではありません。
▲滝川線との分岐点である川又には今でも秩父木材の木造モーターカー庫が残されている。滝川線は庫の先で左に分岐していた。'09.6.20
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▲トワイライトゾ~ンでは竹内 昭さんのレポートを中心に、これまでにも幾度となく奥秩父の森林軌道の謎を追いかけてきた。図中の武州中津川森林鉄道のみが東京営林局秩父営林署の森林軌道で、それ以外はすべて演習林と民有林の民間林用軌道。
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▲遊歩道入口には、6月17日に入川森林軌道2100m地点で熊が目撃され…と注意を呼びかける張り紙が(左)。現在、赤沢出合までの東大演習林区間はハイキングコースとして供用されている(右)。'09.6.20
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今でこそ国道140号線が整備され、大滝大橋ループ橋や大峰トンネルを経て比較的楽にアプローチできるようになりましたが、1980年代初頭の入川渓谷はとても気軽に行き来できるような場所ではありませんでした。秩父鉄道の三峰口から荒川を遡るように秩父湖(二瀬ダム)へ。ここからが尋常ではなく、交互通行のトンネルやら林道と錯覚しそうな狭隘な区間を経て、ようやく入川線と滝川線の分岐点である川又の集落へ到着します。

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▲四世紀を経た矢竹沢付近の軌道起点の定点撮影。1983(昭和58)年の復活時点では架線(索道)でこの起点まで資材を降ろし、ここから赤沢の発電所取水口工事現場まで軌道による運搬が行なわれた。あの当時の分岐器もそのまま残されている。'83.6.4/'09.6.20
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irikawakidou15.jpgさらなる困難はこの川又から先で、軌道跡のダートが延々と続き、矢竹沢の残存軌道起点まで3キロ近くを、今度はひたすら歩かねばなりませんでした。当時の愛車はすでにこの時点で17年落ちの英国車。毎回未明に東京を出て、ダブルクラッチを踏みながら延々と秩父を目指していたのですから呆れます。今さらふり返れば、何かに取り付かれたとしか思えない1983年の夏だったのです。

▲渓流を見下ろす軌道起点の今。現役時代を彷彿させるシーンに、しばしデジャブ(既視感)に捉われる。'09.6.20
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