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2009年6月21日アーカイブ

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湯口 徹さんのRMライブラリー『日本の蒸気動車』(上巻)が、鉄道友の会が選定する2009年島秀雄記念優秀著作賞を受賞することとなりました。同賞は、毎年1回、趣味的見地に基づき、鉄道分野に関する優れた著作物または著作物に関わる功績を選定し、鉄道および鉄道趣味の発展に寄与することを目的として、2008年に新設された賞です。

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▲汽車会社で製造された鉄道院6005形ホジ6010の公式写真。写真右側の台車が動台車。 P:汽車会社(RM LIBRARY103『日本の蒸気動車(上)』より)
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賞の名称は、もと国鉄技師長で鉄道友の会の初代会長・島秀雄さん(1901~1998)の功績を永久に記念すべく名付けられたもので、単行本部門(書籍の中から優秀な作品を選定)、定期刊行物部門(定期刊行物に掲載された著作物の中から優秀な作品を選定)、特別部門(単行本や定期刊行物以外の著作物で選考委員会が特に認めるもの、または著作物の企画、複製、展示、頒布、その他著作物に関わる功績を選定)の3部門が設けられています。

rml103boiler1a.jpg対象となるのは毎年1月1日から12月31日までに発行された著作物で、今年は単行本部門では湯口さんの『日本の蒸気動車』のほか、長船友則さんの『山陽鉄道物語』(JTBパブリッシング)、河田耕一さんの『鉄道風景30題』(機芸出版社)が、定期刊行物部門では澤内一晃さんの「東京市の静脈物流と私有貨車」(電気車研究会『鉄道ピクトリアル』2008年1月増刊号掲載)が受賞することとなりました。また、特別部門では博物館の出版物という枠を越えて本格的な写真集として発行された点が評価され、田部井康修さんの『上州を走ったトラム 伊香保電車』(東武博物館)が選定されました。
▲国鉄名古屋工場で復元修復中のキハ6401。機関部の取り外しのために煙突が2ピースとなっているのがわかる。'63年 P:国鉄名古屋工場(RM LIBRARY103『日本の蒸気動車(上)』より)
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▲唐津線山本駅に停車するキハ6414。1913(大正2)年に鉄道院九州鉄道管理局に配置された汽車会社製工藤式蒸気動車のうちの1輌である。'37.1.7 所蔵:湯口 徹(RM LIBRARY103『日本の蒸気動車(上)』より)
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鉄道友の会優秀著作賞選考委員会(西野保行委員長ほか10名)による『日本の蒸気動車』の選定理由は以下です。

yuguchusan01n.jpg「蒸気動車とは、客車に小型の蒸気機関を乗せて自走できるようにした構造の鉄道車両で、現在では博物館明治村に鉄道記念物として1両のみが保存・展示されている大変珍しい車両です。本書は日本国内で使用された約60両あまりの蒸気動車について、その導入経緯、技術的特徴、運用状況、末路などを記述したものです。本書は、上編と下編の2冊で構成され、上編では外国からの導入時の時代、国産車の時代、各鉄道・軌道での使用実績などが解説され、下編ではさらに国有鉄道での使用実績、1940年以降における動向、蒸気機関の再利用や客車への転用などについて言及されています。
蒸気動車については、これまでにも鉄道趣味誌などでたびたび紹介されたことがありますが、俗説や憶測などによる誤解もあり、導入時のいきさつやその後の使用状況などについてはなお不明な点が残されたままでした。著者は、蒸気動車に関わる特許や実用新案にさかのぼってその実用化の過程を丹念に検証し、これまでの誤謬を修正するとともに、明らかでなかった多くの事実を解明しました。
著者はすでに、日本の内燃車両に関する優れた著作をいくつか執筆していますが、これまでに発掘した特許や図面、写真が豊富に掲載され、国内で使用されたすべての車両についての車歴が網羅的に解説されています。さらに、蒸気動車としての役割を終えた後の使用例や再生例までが綿密な考察の上で明らかにされており、鉄道趣味者ならではの車両史研究の代表作として選定しました。

▲沼田林業機械化センターに保存されているホイットコム製ガソリン機関車から顔を出す湯口 徹さん。'07.12.2 P:名取紀之
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このような賞をいただける著作物に、微力ながら関われたことは編集者としても大きな悦びで、これを励みとして、これからも各方面から評価いただける本創りを心がけたいと思いを新たにする次第です。

■『日本の蒸気動車』以外の湯口 徹さんの主な弊社刊著作
『内燃動車発達史』上巻(戦前私鉄編)
『内燃動車発達史』下巻(戦前メーカー編)
『戦後生まれの機械式気動車』上巻(RMライブラリーNo.87)
『戦後生まれの機械式気動車』下巻(RMライブラリーNo.88)
『石油発動機関車 ー福岡駒吉とわが国初の内燃機関車ー』(RMライブラリーNo.115)

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