鉄道ホビダス

2009年6月16日アーカイブ

写真展「ゆる鉄」を見る。

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中井精也さんの写真展「ゆる鉄 from1日1鉄」を見てきました。「ゆる鉄」とはなんとも奇妙な響きですが、イントロダクションによれば「絶景ではないけれど、感動的な情景ではないけれど、2本の線路のまわりには、思わず微笑んでしまうような“ゆるい鉄道風景”がありました。現実のようで夢のような、記憶のようで日常のような…」そんな世界感を中井さんは「ゆる鉄」と名付けたのです。

090616n004.jpg会場は新宿副都心・新宿三井ビル一階のエプソンイメージングギャラリーエプサイト・ギャラリー2。オフィスビルのフロアを進んでゆくとそこに現れたのは木製の改札ラッチ。写真展会場ではなく、駅の待合室のような会場にしたかったとおっしゃる中井さん手作りのラッチです。隣のギャラリー1では大御所・森山大道さんの写真展が開催されており、言うなれば「犬の記憶」と「ゆる鉄」が対極のコントラストを醸し出しています。それにしても、学園祭のようなこちらの会場は、一瞬戸惑うものの、会場内で時を過ごすにつれ、その目指すところが鮮明に見えてくるから不思議です。
▲エプソンイメージングギャラリーエプサイト・ギャラリー2はちょうど駅の待合室ほどの広さ。'09.6.16
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▲巨大な布状の写真はプレミアムサテンキャンパスロールと呼ばれる素材にプリントアウトされたもの。厚くて柔らかなコットンとポリエステル混紡の光沢タイプのキャンバス地のメディアで、絵画を思わせる仕上がりとなる。'09.6.16

090616n002.jpg会場内に展示されている作品はすべてスクエア・フォーマット。ハイキーなトーンとあいまって川内倫子さんの一連の作品を想起させますが、もちろん銀塩ではなくデジタルで、トリミングすることを前提に撮りおろした作品群とのことです。あえてスクエア・フォーマットに拘ったのは、横位置、縦位置の写真が混在することによって連続性が阻害されることを嫌ったのと、もうひとつは駅の待合室に並んだ窓に見立てたかったからだそうです。
▲「待合室」だけにベンチもある。平日の午前中にも関わらず、ギャラリーが絶えることがない。'09.6.16
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▲これが「ゆる鉄」の真骨頂。一言のコメントが「ゆるい鉄道風景」を大切な何かに変える。'09.6.16
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090616n003.jpg通常の鉄道写真展とは違い、それぞれの写真には撮影場所も撮影年月日もなく、一言のコメントが添えられているだけ…。しかしこのコメントが実に効いていて、見事に心象風景を浮かび上がらせてくれます。ほんとうに絶景でも感動的でもない「ゆるい鉄道風景」がこれほどまでに迫ってくるとは思いもしませんでした。お見事です。鉄道写真に多少なりとも興味のある方には、ぜひともご覧になっていただきたい、いや、ご覧になるべき写真展です。
▲「改札ラッチ」に立つ中井精也さん。この写真展を“ライブ”と語る中井さんご本人は、25日までの会期中、別の講演が入っている21日を除いてベタで会場におられるとのこと。直接ディスカッションする絶好のチャンスでもある。'09.6.16
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