鉄道ホビダス

2009年4月16日アーカイブ

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▲会場は東京・銀座の中心。辺りの喧騒が嘘のような静かなギャラリーで、ゆっくりと作品を鑑賞することができる。

連載でお送りしている「遙かなり梅隆鉄路」はいよいよ佳境となってまいりますが、ちょっとお休みして昨日から始まった河田耕一さんの作品展「鉄道の風景を描く」-北から南まで-をご紹介いたしましょう。

090416n052.jpg河田耕一さんといえば、名著『シーナリィ・ガイド』(機芸出版社)の著者としてご記憶の方も多いのではないでしょうか。国鉄幹線の駅構内配置から軽便鉄道の沿線風景まで、モデラーの目線で克明に記録された写真と味わい深いフリーハンドの図の数々は、レイアウトを志向する者のみならず、広くファンの共感を呼びました。私が『RM MODELS』月刊化にあわせて始めた『模「景」を歩く』も、なにを隠そう、河田さんの『シーナリィ・ガイド』に“実測”というエッセンスを加えたものでした。
▲最新作「地底を巡る」(横浜高速鉄道/2008年)を前にした河田耕一さん。『シーナリィ・ガイド』の時代から、駅間でのいわゆる列車写真はほとんど撮らず、駅とその周辺に拘り続けてこられたという。
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現在は四国にお住まいのその河田さんが、東京・銀座のギャラリーで作品展を開催すると聞き、会期を心待ちにしておりました。今回の作品展は、1953(昭和28)年から2008(平成20)年までの各時代の、列車、駅、機関区、そして沿線、旅客、鉄道員が織りなす鉄道のさまざまな場面を描いた風景画40点により構成されています。

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▲「入換作業」(相模線寒川/1964年)と、「牧場の朝」(浜中町営軌道秩父内/1966)。ともに『シーナリィ・ガイド』時代の古き佳き情景。
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事前にお送りいただいたポストカードの絵柄が、山手線渋谷駅を出るE231系だったのには、正直なところ少々驚かされましたが、展示作品を拝見して改めて河田さんの思いに気づかされました。北から順に展示された作品は、昭和20年代の風景から最新作のみなとみらい駅まで新旧とり混ぜて並べられていますが、河田さんは時空を超えてどの時代の鉄道にも魅力を感じておられ、それを分け隔てなく表現されようとしておられるのです。昨年作の東京駅新幹線ホームを描いた作品の解説文には「16両編成の高速列車が2、3分おきに発着する鉄道風景は世界一壮観だ」と記されており、河田さん=『シーナリィ・ガイド』=枯れた昔の鉄道情景と勝手にイメージを創ってしまっていた自分を恥じ入るばかりです。

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▲「駅裏の夕暮れ」(和歌山線御所/1957年)と、対照的な「ときを追う」(阪神電鉄梅田/2008年)。河田さんのお話では、写真ではとかく邪魔な電柱などが、絵画の場合は大きな効果を生むという。
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お伺いしたところでは、このような形で作品をお描きになり始めたのは、表装を手掛けておられる奥様の勧めもあって2年ほど前からのこと。撮りためた写真をベースにミリペンでデッサンを描き、油性パステルや水彩絵の具で仕上げを施されているそうです。どの作品も絵画としての素晴らしさはもちろんながら、モデラーとしての細部への拘りは驚異的で、たとえば「信号所のある風景」(1953年鳥栖)では、目をこらして見ると遠方の線路のディテクターバー(分岐器鎖錠装置)までが正確に描き込まれています。

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▲会場では額装レプリカや特製ポストカードブックなども販売されている。

「これは二次元レイアウトなんです」とおっしゃる河田さん。まさに模型のレイアウトの三次元に対して、二次元のレイアウトに違いありません。なお、この作品展は月曜日まで。あと数日ですが、会期中は河田さんご本人も会場におられるそうですので、週末はぜひ足を運んでみられては如何でしょうか。
■会期:2009(平成21)年4月15日(水)~4月20日(月)
■時間:11:00~19:00(最終日は17:30まで)
■会場:ミレージャギャラリー(※入場無料)
     〒104-0061 東京都中央区銀座2-10-5 オオイビル4F 

■アクセス
 東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅11番出口より徒歩1分。出口すぐのホテルモントレー角を右折した南隣りオオイビル4F。
 JR有楽町駅京橋口より徒歩10分
■問合先:ミレージャギャラリー TEL:03-6303-8844  http://www.mireyagallery.com

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※明日から出張のため、小ブログは20日(月曜日)まで休載とさせていただきます。あしからずご了承ください。

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