鉄道ホビダス

2009年4月15日アーカイブ

遙かなり梅隆鉄路。(6)

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▲西埔から二砿へは急勾配と急曲線が続く。途中、道路を跨ぐ大橋梁がこの専用線のハイライト。谷間に盛大なブラスト音を響かせてC4が喘ぐ。'95.3.18 西埔-二砿 P:水野克成

梅県~西埔間の本線混合列車仕業は紅衛1形DL、西埔~龍川(老隆)間は運休とあっては、このままではC4が活躍する姿を目にすることができません。機務段に尋ねると、しばらく後に二砿へ上がる列車が出るとのこと。これは好都合とこの二砿へ空車を上げる7216号機を狙うことにします。

09415n025西埔駅の北側には大規模な専用線が2本のびており、手前が炭礦へ、奥が鉄鉱石鉱山へと続いています。列車はこの炭礦線の二砿へと上るのですが、聞き込んだところではどうも並行道路がないようです。これでは先回りして撮影どころの話ではなく、急遽方針転換、終点の二砿まで貨物列車に乗せていってもらうことにしました。空車のゴンドラを見ると二砿近辺の住民らしき人の姿もちらほら。どうやらこの専用線貨物列車も便宜的に沿線住民の足となっているようです。
▲二砿は緩やかな山の斜面に広がる大規模な炭礦。'95.3.18 二砿
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▲盈車の列を牽いて西埔へと戻る列車。大きな曲線を描くこの橋梁はかなりの高度もある。'95.3.18 二砿-西埔
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どうせ無蓋貨車に乗るのだったらと、私は機関車のキャブに添乗させてもらうことにしました。ナローだけに決して広くないキャブには機関士、機関助士、石炭かき寄せ要員、砂撒き要員とすでに4人もが乗り込んでいますので、そこにカメラを手にした余計な輩が入るとほとんど満員状態です。

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▲空転につぐ空転…道半ばにして列車はついにスタックしてしまった。キャブから身を乗り出しているのは私。'95.3.18 西埔-二砿 P:水野克成

090415n051.jpgC4の運転台は右側。空車だけに軽々と西埔駅構内を出た7216号機ですが、専用線に入ると途端に速度が落ちはじめ、身震いするような力闘が始まります。何パーミルなのかは定かではありませんが、25‰程度はありそうな急勾配と急曲線、それにウェットなレール踏面と悪条件が重なり、先行きが案じられます。
▲C4のキャブ内。右側運転台である。逆転ハンドルはえらく小さな回転式のもの。'95.3.18 西埔 P:水野克成
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090415n028ところがキャブ内はさほどの緊張感は感じられず和気藹々(?)。そのうちに機関車全体が身震いするような振動とともに大空転。「SL甲組」なら機関士は事前に空転を察知すべく全身全霊を傾け、片手は加減弁ハンドル、片手は砂ハンドルに、助士は火床の荒れを最小限に食い止めるため、瞬時に焚口扉を開けるべくハンドルに手を掛け…といったところでしょうが、このC4の場合滑りっぱなし、加減弁を閉めようとさえしません。「早く閉めないと火床が! 砂、砂…」などと心の中で焦っているのは異邦人の私だけで、結局いつの間にか粘着を回復、助士は火床の状態を確認するでもなく、何事もなかったかのように再び列車は走りはじめました。
▲砂撒管も詰まり、ついに助士が砂撒きにキャブを降りる。'95.3.18 西埔-二砿 P:水野克成
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▲スタックした機関車の前のレール踏面に手作業で砂を撒いてゆく。空車とはいえ自重6.5tのゴンドラを10輌以上連ねているだけに、C4にとっては苦難の道が続く。'95.3.18 西埔-二砿
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▲再びアドヒージョンを回復して二砿へと登り始めた列車。ゴンドラに添乗している人たちはシンダの雨に傘をさしている。'95.3.18 西埔-二砿 P:水野克成
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▲巨大なホッパー・ビンが聳える二砿へと到着。二砿駅構内には広大な貯炭設備が広がっていた。'95.3.18 西埔-二砿 P:水野克成
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ところがそれ見たことか(!)、ド、ド、ドドッ…とその後も何度かの大空転を繰り返したのち、ついににっちもさっちもゆかなくなって7216号機はスタック。どうやら砂撒管が詰まってしまい、砂が出ていないようです。助士がスパナを持ってランボードに上り、ガンガンと砂撒管を叩くものの復旧せず。最終的には機関士以外の全員がキャブを降りて砂を撒くはめとなってしまいました。

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▲隣にあった三砿正門(左)。なかなか凝った意匠だ。右はその構内で見かけた架空線式電気機関車。こちらはかなりの年代物に見受けられた。'95.3.18 三砿
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▲選炭ポケットにゴンドラを入れ、ようやく編成から解放された7216号機。積み込みが終わると、今度はさきほどの急坂を盈車を従えて西埔へと降りねばならない。'95.3.18 二砿
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シンダで体中ざらざらになりながらようやく二砿に到着。中国での蒸気機関車添乗経験は何度かありますが、それにしてもなかなか強烈な運転方法ではありました。

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