鉄道ホビダス

2009年4月12日アーカイブ

遙かなり梅隆鉄路。(3)

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▲紅衛1形ディーゼル機関車に牽かれて梅県からの152列車が西埔に到着する。後部に連結された客車内は満員で、あふれた乗客はゴンドラにまで乗り込んでいる。'95.3.18 西埔
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梅県空港に着いた時にはすでに昼過ぎ、まずは梅県駅へと急ぎます。なにしろ極めて断片的かつ時間の経った情報しか入手していませんから、駅へ行くまでは果たしてどんな運行状況なのか皆目検討もつかないのです。

090412n004梅県駅はクルマさえ入れないような細い道の奥にありました。それなりに広い構内を持ってはいるものの、恐れていたように構内には貨車1輌見当たりません。構内に運転指令室らしきものを見つけ、例の日本語→北京語→客家語の“伝言ゲーム”状態で質問を重ねますが、これまたまったく要領を得ません。かろうじてわかったのは、すでに今日の列車はなく、しかも蒸気機関車は走っていないということだけ。成田を経ってから3日目にして、列車の姿さえ見ることができないのです。
▲西埔駅駅舎。梅隆鉄路の中心駅ながら極めて質素。隣に小さな売店(画面右端)がある程度で、駅周辺には商店さえ見当たらなかった。'95.3.18 西埔
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のちにわかった情報を総合するに、この時、運転指令氏が言っていた“今日の列車”とは、梅県を発車する旅客列車のことで、“蒸気機関車は走っていない”とは、旅客列車の牽引は蒸機ではない…との意だったようです。通訳も現場の人も、貨物列車のことなどハナから頭にないのはよくある話ですが、もう少し突っ込んでいればと悔やまれてなりません。

090412n021結局、この日は宿泊地の興寧(Xingning)まで移動せねばならないため、梅県での撮影は断念。翌朝は早朝5時出発でスイッチバックの要の部分に当たる西埔(Xibu)を目指します。梅隆鉄路は梅県~西埔、龍川(老隆)~西埔と2つの本線が西埔でスイッチバックのように合流する線型となっており、炭礦地帯のこの西埔から搬出される石炭が貨物需要の大半を占めています。
まったく照明のない未舗装路を飛ばすこと1時間半、ようやく辿り着いた西埔駅は、これまた何の目印もなく、機関区を併設したやたらと広い構内の片隅に小さな待合室があるだけでした。もちろんホームと呼べるような設備はなく、この鉄道にとって旅客輸送は明らかに二の次なのでしょう。
▲出札窓口。小さな黒板には老隆(龍川)方面の旅客列車は「全部停発」とある。'95.3.18 西埔
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▲折り返しの梅県行き153列車は12時55分発。ミキストの旅客車は窄軌硬座客車3輌と代用客車1輌のみでかなりの混雑ぶり。閑散としていた構内がにわかに活気づく。'95.3.18 西埔
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ここで初めて最新の運転状況が把握できました。梅県~西埔間には3往復の旅客(混合)列車が設定されているものの、実質運転されているのは2往復だけ。龍川(老隆)~西埔間の旅客列車はなんと3週間ほど前、3月1日に廃止されていたのです。それもあってか、機関区にはつい最近火を落としたばかりと思われるC4形がずらりと並んでいました。

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▲西埔機務段はささやかながら検修設備も備える。かなりくたびれたC4形7215号機が整備中。'95.3.18 西埔
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▲炭礦への専用線の起点でもある西埔は広大な構内を持つ。線路も縦横無尽に敷設されており、予想もしないところから単機が現れたりする。'95.3.18 西埔
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ところでここ広東省をはじめとした中国沿海地域は、特区を中心とした著しい経済発展と、とり残された内陸部の経済格差がニュース等でもたびたび話題となりますが、昼食をとろうと入った西埔駅構内の売店で出てきたのは、なんとお湯をかけたインスタントラーメン。煮るのでもなければカップ麺でもなく、具のない乾麺にお湯をかけただけのものです。つい2日前、香港で前夜祭と称して食した“広東料理”との落差に、図らずも現代中国のひとつの断面を体感することとなります。

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