鉄道ホビダス

2009年4月11日アーカイブ

遙かなり梅隆鉄路。(2)

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▲西埔機務段を出区してゆく7326号機。1973年広州製のC4形で、確認できた梅隆鉄路所属のC4のなかでは最も新しい。汽笛の蒸気のように見えるのは蒸気溜の加減弁リンケージからの盛大なリーク。'95.3.18 西埔
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梅隆鉄路の起点である広東省梅県(Meixian)は、現在では中国鉄路局が管理する広汕線で結ばれ、広州から夜行で8時間ほど(445km)とアプローチしやすくなっていますが、この当時はまだ広汕線も開業しておらず、まさに陸の孤島。返還前の香港から曜日限定で飛んでいる中国南方航空のチャーター便を利用して梅県を目指すしか術がありませんでした。

090411n003.jpgチャーター便とは地方行政府や旅行会社などが航空会社に委嘱して運行している便で、定期便とは異なり必ずしも定時性が保証されていない不安があります。へたをすると利用客が少ないことを理由に欠航してしまう例さえあり、わずかな休日を使って往復しようという身にとってはかなりリスキーではあります。往路はともかく、他の交通手段がない地域の場合、復路がキャンセルされてしまおうものなら目もあてられません。香港・啓徳空港発梅県行きの出発は昼前。そんな不安にかられながら、同行の水野克成さんと朝早めに出発ロビーへと向かいました。
▲香港発梅県行き中国南方航空3080便のワッペン。これを付けて待つ。
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090411n002.jpgチェックイン・カウンターで梅県行き中国南方航空(CZ)3080便のインフォメーションを探しますが見当たりません。ようやく見つけた表示板の行先は梅県ではなくなんと「中国」。香港が英国から中国に返還され、特別行政区となるのはこの2年後のことですから、確かにこの時点ではCZ3080便は“国際便”というわけです。それにしても出発時刻もゲートナンバーもブランクのままでいよいよ不安が募ります。
▲梅県空港の香港便。飛行機と空港建物の間は延々と歩かされる。これでも一応“国際空港”だ。'95.3.20 梅県機場 P:水野克成
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見れば湛江への便は半日もディレイとの表示。これは梅県便も…と悪い想像が過ぎりましたが、結果的にはたいした遅れもなく11時50分に離陸。機体も737‐300で、まずはひと安心です。

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▲C4形は大型のボギー・テンダーを持ち、自重42tとC2形と比べてかなり大きく「窄軌大型机車」と称される。'95.3.18 西埔
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梅県着は12時35分。わずか40分ほどのフライトでした。一応国際空港(?)とはいうものの、梅県空港はたいした設備もないまさに“飛行場”といった感じのところで、駐機場のタラップを降りると、ターミナルビル(?)までは延々とコンクリートの路面を歩かねばなりません。荷物は…というと、軍用のようなジープがCZ3080便から降ろした荷物を満載した台車を牽いてそのままロビー(?)まで乗り込んできてびっくり。あたりに排気ガスの臭いが充満していました。

090411n004.jpgさて、ここで頼んでおいた現地ガイドと合流ですが、梅県地区ではもうひとつ大きな問題があります。実は梅県を中心とする広東省東部は「客家語」(はっかご)の本拠で、北京語(標準話)が通じない人が少なくありません。鉄道現場ともなればなおさらで、交渉をするにも客家語を話せる通訳が必要です。ところが客家語と日本語の直接通訳が可能なガイドがおらず、結果的に客家語-北京語、北京語-日本語と二人の通訳がつくこととなってしまいました。
▲西埔機務段にずらりと並んだC4たち。西埔?龍川(老隆)間の運用消滅で火を落としたばかりのカマも見られた。'95.3.18 西埔
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メインとなる北京語-日本語のガイド・黄さんは地元大学の外国語科の講師だそうですが、失礼ながらそれほど日本語が達者ではなく、結果的には英語を交え、日本語+英語(私たち)→北京語(黄さん)→客家語(高さん)→現場の人と、まさに隔靴掻痒の毎日が繰り広げられることとなります。

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▲給水スポート横で待機する本線仕業機。画面左端に見えるのが梅県方面への本線。'95.3.18 西埔
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ちなみにこの客家語は中国七大方言のひとつだそうで、清の時代に台湾に移住した人々によって、現在でも台湾の一部で話されていると聞きます。

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