鉄道ホビダス

SBLの給水タンクを仕上げる。(上)

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▲“OIL AND WATER FACILITY”と銘打たれたキットの全貌…と言ってもレジン製のタンク体と脚部、ドラム缶、それにホワイトメタル製のバルブが入っているだけ。

一昨年のパリのRAIL EXPO(アーカイブ「RAIL EXPOの旅 15」参照)に続いて、昨秋ロンドンのEXPO NARROW GAUGE(アーカイブ「EXPO NARROW GAUGEの旅 10」参照)で再会したスモーキー・ボトム・ランバー・カンパニー(SBL)のリチャードさん(アーカイブ「リチャードさんからのクリスマスプレゼント?」参照)から、「作ってみて」とレジン製キットをいくつか頂戴したのを思い出し、まずは手始めにOスケールの給水(給油)タンクを仕上げてみることにしました。

090215n002例によって同社の製品は大半がレジン・パーツ。この給水タンクもまさにレジンの塊のタンク体を中心に構成されており、金属部品はホワイトメタル製のバルブのみです。しかもこのレジン・キャストがお世辞にも誉められたものではなく、付録として同封されているドラム缶にいたってはエッジがケラれてしまっている有り様。幸いにも肝心のタンク体は五体満足でしたので、さっそくバリを落として組んでみることにしました。
▲レジン“無垢”のタンク体は結構な重量。
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ただ、そのまま塗装して組んだだけでは何の芸もなく、恐らくものの30分で終わってしまいますので、一計を案じて“ラッテンストーン”を使ったトリートメント処理を施してみることにしました。

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▲入念に脱脂して下塗りを終えたタンク体を脚部に載せてみる。これだけでもそれなりの雰囲気ではある。

14年ほど前にRMモデルズ誌上でも簡単にご紹介(1995年12月号「彼岸のモデラー」)したことがありますが、ラッテンストーン(Rottenstone=和名・トリポリ石)とはリビアで産出する堆積岩類の珪藻土の一種で、高級家具の仕上げなどに用いられる超微粒粉末です。この微粒粉に“漬け込む”ことによって恐ろしいほどの質感を演出する手法を編み出したのは、ガゼット誌でながらく“Building an Empire”の連載をされていた写真家のレイン・スチュワートさん。発表された当時はこのラッテンストーンなる謎の粉が欲しくて八方手を尽くしたのも、今となっては懐かしい思い出です。

090215n004RMモデルズ誌上でもラッテンストーンそのものの写真は掲載しませんでしたので、その姿が詳らかになるのは本邦初。実態は安っぽい紙箱に入った「砥の粉」のようなものですが、その微粒さといったら尋常ではありません。
下塗りが完全に乾燥したパーツに艶消しコートを吹き、乾かないうちにこのラッテンストーンに“漬ける”のですが、このコートに威力を発揮するのがテスターズのダルコートという製品です。以前、グンゼの艶消しトップコートなどでも試したことがありますが、速乾性が高すぎるのと粘着力が弱いこともあってか、どうもダルコートほど上手くコーティングできないようです。やむなく渡米した際に買い求めてきたダルコートを今もって愛用していますが、唯一の難点はその強烈な臭い。たとえ数回のプッシュでも部屋の中ででも吹こうものならたちまち頭がクラクラ…とても日本では市販できそうもない強烈なスプレー缶です。
▲テスターズのダルコート(左)とサンドリー・プロダクツのレインボー・ブランドのラッテンストーン(右)。華奢な紙箱にビニール袋入りのラッテンストーンが入れられている。
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▲いよいよ作業開始。ダルコートを吹いたパーツを、素早くタッパウェアの容器に入れたラッテンストーンに“漬ける”。
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さて、ラッテンストーンの中に漬け込んだパーツ類ですが、数日後に静かに取り出し、今度は通気性の良い箱に移して一ヶ月ほど寝かせます。なんとも悠長な工程ですが、この熟成加減こそが絶妙の質感を生むことになります。というわけで、この給水タンクの続編はまた一ヶ月後に…。

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