鉄道ホビダス

星晃さんと特別企画展「電車特急50年」を見る。(上)

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▲感慨深げにヒストリーゾーンのクハ181-45「とき」を見つめる星 晃さん。「とき」だけヘッドマークに漢字(朱鷺)を入れ、しかも朱鷺色に因んだ色文字にした…と星さん。'08.12.19
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11月1日から鉄道博物館で開催されている第3回特別企画展『電車特急50年~ビジネス特急「こだま」からJR特急まで~』は、半世紀前に誕生した日本鉄道史のひとつのエポックである151系電車と、その後の在来線電車特急の全国展開のあゆみをたどりながら、電車特急の果たした役割を明らかにしようという意欲溢れる展示で、小誌も企画段階から微力ながら協力をさせていただいています。

081222n002.jpg展示写真の多くは星 晃さんのRMライブラリー第100巻・101巻『国鉄車輌誕生』と、浅原信彦さんの『ガイドブック最盛期の国鉄車輌』を出典としており、お二方には是非一度ご覧になっていただきたいと考えておりましたが、先週金曜日にようやくその機会が訪れました。「こだま」生みの親でもある元国鉄副技師長・星さんはつい先日、御年90歳を迎えられたばかり。『国鉄車輌誕生』の解説文をご執筆いただいた岡田誠一さんにエスコートいただき、4名での鉄道博物館訪問となりました。
▲2階スペシャルギャラリーのエントランスは特別企画展用にアレンジされている。'08.12.19
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▲モハ20(のちの151系)の形式番号標記板と木製のモックアップ。ともに交通博物館時代からの収蔵品で、星さんによればモックアップはまだ塗色さえ決定していない段階でのものとのこと。'08.12.19
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583系前頭部を模した2階のスペシャルギャラリー入口を一歩入ると、まずは正面に据えられた星さん撮影の「こだま」高速度試験時の巨大なカラー写真が目に飛び込んできます。電車特急の半世紀の歴史の中でも、その嚆矢となった“ビジネス特急「こだま」”の存在意義は他を圧しており、この企画展でも「こだま」とその系統に大きな重点が置かれています。

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▲初の電車特急誕生前夜、さまざまなエクステリアデザイン案が検討された(左)。右は“ビジネス特急”の愛称とマークを公募した国鉄のポスター。'08.12.19
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それだけに実際に「こだま」の開発に心血を注がれた星さんにとっても見ごたえのある展示内容に違いなく、案内役の奥原学芸員の解説にも熱心に聞き入っておられました。それにしても圧巻なのはモハ20時代の形式番号板や、「こだま」「つばめ」をはじめとした実物ヘッドマーク類がいくつも展示されていることで、さすが鉄道博物館の特別企画展と思わず唸らされてしまいました。ちなみに「こだま」などのヘッドマーク類は長年にわたって現場で保管されてきたもので、鉄道博物館で展示されるのは今回が初めてとのことです。

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▲会場内には「こだま」前頭部のレプリカも登場。ボンネット内の構造がわかるようにスケルトン構造になっているほか、実際に運転台に上がることもできる。'08.12.19
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081222n007.jpg数ある展示品の中でもとりわけ星さん、浅原さんの注目を浴びていたのが、会場内に再現されたクロ151の開放室車内です。ご存知のようにクロ151形は「つばめ」「はと」の電車への置き換えに際して展望車に代わる車輌として誕生した豪華車輌です。定員4名の「区分室」、片側1列の腰掛が並ぶ「開放室」、ボーイが持参するポータブル電話機…等々、その際立つ豪華さはわが国電車特急史上に今なお燦然と輝き続けています。
▲レプリカの運転台。マスコン、ブレーキ弁、イスなどは実物がレイアウトされている。なお、会場内は撮影禁止だが、この運転台での記念撮影はOK。'08.12.19
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▲再現されたクロ151の開放室内を感慨深げに見つめる星さんと浅原信彦さん(手前)。展示されているこの開放室用のリクライニングシートはもちろん実物で、今や鉄道博物館と交通科学博物館にしか残っていないという。'08.12.19
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今回の特別展では、鉄道博物館収蔵品のこの開放室の実物リクライニングシートを中心に室内が再現されていますが、改めてその豪華さと先進性には圧倒されます。ちなみにこのクロ151の列車公衆電話、展示資料によれば、列車が東京~熱海間を走っている時に大阪にかけると400円とあります。食堂車の最上メニューであるステーキが230円だそうですから、そのプレミアム度はおして知るべしでしょう。

※特別企画展内は撮影禁止で、小ブログの画像は鉄道博物館の許可のもとに撮影したものです。

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2008年12月   

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