鉄道ホビダス

「かわかぜ号特別便」に寄せて。

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▲レインボーブリッジを渡り、奥大井湖上駅に到着する「奥大井接岨湖フェスティバル」の際のシャトル便。イベントでのモーターボートクルーズ船が湖上を行く。'06.7.30 ひらんだ-奥大井湖上 P:奥 清博

先日ご紹介した大井川鐵道井川線の「かわかぜ号特別便奥泉へ」は、多くの皆さんにご覧いただけたようですが、とりわけDBの走行シーン(動画→こちら)は、はじめて目にする方も少なくなかったようで、“今なお現役”の機械式ディーゼル機関車の奮闘ぶりに心を打たれたという声もいただきました。さて、今日はそんな反響の中から、兵庫県にお住まいの奥 清博さんから頂戴したお手紙を紹介させていただこうと思います。

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▲沢間駅に停車中の特別便。機関車は8月24日の特別便とは逆向きで運転された 08.3.29 沢間 P:奥 清博

kawakaze102n.jpgいつも「編集長敬白」楽しみにさせていただいております。先月31日の「かわかぜ号特別便奥泉へ」拝見させていただきました。
私、3月29日の「今日の一枚」に、井川線で運転された一部バス代行からの復旧一番列車の写真を投稿させていただいた奥と申します。当日はかわかぜ号の運転日。その一番列車が記念列車として奥泉発となりました。ある意味もう一つの特別便と言えるのではないでしょうか。DBの向きも上り(千頭側) が前向きで「祝 全線運行」のヘッドマークが掲げられるサービスぶり。アプトいちしろから単機回送で奥泉へ。留置してあった客車をつなぎ、奥泉を出た列車は一路千頭へ。早朝だったため撮影に来たファンもちらほらでしたが、ちょうど川根小山駅の桜も見ごろで、久々の川根両国以北の走行シーンを満喫しました。
▲「奥大井接岨湖フェスティバル」イベントのシャトル便運行を知らせる立て看板。井川線内は運賃も無料だった。'06.7.29 長島ダム P:奥 清博

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▲DBが定期列車を牽いて活躍していた頃の川根長島(現・接阻峡温泉)駅構内。現在とはホームや構内線路位置が違っている。'82.2.11 川根長島 P:奥 清博

kawakaze106.jpg川根両国より北というと、2年前の2006年、国土交通省と林野庁の水資源開発啓発イベント「全国森と湖に親しむつどい」が沿線の長島ダム周辺で「奥大井接岨湖フェスティバル」として開催された際の交通アクセスとして、DB8、9とスハフ2輌がシャトル便として運転された事が思い出されます。7月29、30の2日間、接祖峡温泉~長島ダム間をオープンデッキのスハフ2輌の両端にDBをつけたプッシュプル運転でピストン運行するという夢のような話。しかも国交省主催のためか運賃は無料。イベント会場間にはシャトルバスも運行される至れり尽くせりの2日間でした。アプト区間以北でDBが走ることは最近ではチャーターなどを除きめったに無いので久々に興奮しました。
▲久保山トンネル入るシャトル便最終列車。接阻峡温泉終点はもうすぐ。’06.7.30 奥大井湖上-接阻峡温泉 P:奥 清博
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辛うじてDBの現役時代を知っている私も、牽引客車に近代的なスロフがついていない純粋な古典軽便風の「かわかぜ号」編成が、自然の中を駆け抜ける姿は懐かしさ以上の手ごたえを感じ、夢中で撮影をしました。しかし、写真を撮っていて何か違和感がぬぐえません。シャトル列車運転区間はダム湖に沈んだ旧線に代わった新線がほとんど。アプト区間に続き、ダム湖上を行く線路はレールも路盤も立派で、軽便特有の“へろへろ感”といった雰囲気が感じられないのです。接阻峡温泉(旧川根長島)駅手前付近のみが旧線を流用しているので現役当時の再現はそこだけとなってしまいました。
▲深山幽谷を行くDBとスロフ300の軽編成。当時はDBが井川線の主力だった。'82.2.11 尾盛-閑蔵 P:奥 清博

名取編集長も書かれている深山幽谷といえばやはり接阻峡温泉以北、撮影名所も千頭~奥泉間に比べ格段にあります。車籍を有するわが国唯一の機械式ディーゼル機関車は産業遺産級の貴重品なのであまり老体にムチ打つのも気の毒なのですが、一昔前まで私鉄日本一だった「関の沢鉄橋」などをめぐるかわかぜ号を紅葉の時期に接阻峡温泉~井川間に運転してもらえると嬉しいのですが…。

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▲新線を走るシャトル便。左のトンネルは付け替えられた旧線のもの。'06.7.30 ひらんだ-奥大井湖上 P:奥 清博

奥さんは合わせてDB現役時代のモノクロ写真もお送りくださいました。中線に貨車の姿も見える川根長島駅(現・接阻峡温泉駅)など、同時代体験している私にとっても、実に懐かしいとともに、なぜもっと真剣に撮り込んでおかなかったのかと後悔の念しきりです。いずれにせよ、奥さんのおっしゃるように今や産業遺産級のこのDBとスハフの、末永い活躍を祈りたいと思います。改めて奥 清博さんありがとうございました。

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