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レイル・マガジン編集長自らが作る編集日記。

2008年9月 2日

片野さんの『1号機関車からC63まで』が単行本に。 

080902ntitle.jpg2005年5月号(260号)から2006年1月号(268号)にかけて本誌“連載”付録として大好評をいただいた片野正巳さんのリフィール(バインダーで綴じる形式)『1号機関車からC63まで 細密イラストで綴る日本の蒸気機関車史』が、このたび内容を更にリファインして単行本となりました。本書はその名のとおり、鉄道創業期に走った蒸気機関車から、設計図のみの“幻”の蒸気機関車となったC63までの日本の国鉄歴代蒸気機関車たちを、美しいイラストで通観し、的確かつ軽妙な解説とともに鑑賞することができる一冊です。

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▲各形式をバリエーションごとに1/100または1/80で収録し、モノクロ写真では表現が難しい色調も、片野さんならではの拘りで再現されている。
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▲目次より。時系列順に蒸気機関車の歴史を辿ることができる。
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080902n124.jpg官設鉄道開業から無煙化達成にいたる103年間に国鉄線上を走り抜けた蒸気機関車はいったい何形式、何輌いたのでしょうか。その正確な数を確定するのは至難の業ですが、おおまかな指標として列記すると以下のようになります。
官設鉄道時代:60形式/1117輌
鉄道院時代:18形式/2089輌
鉄道省以降:25形式/4068輌
幌内鉄道:16形式/79輌
日本鉄道:33形式/387輌
関西鉄道:10形式/72輌
山陽鉄道:27形式/156輌
九州鉄道:12形式/205輌  ※高木宏之「国鉄蒸機発達史」(『日本の蒸気機関車』弊社刊より)
この合計は201形式/8173輌となりますが、もとよりこれが総数ではありません。買収・編入、改造に伴う形式変更…等々を加えれば、その形式数はゆうに300形式/10000輌を超えるはずです。さらに狭軌軽便線用形式や施設局等の事業用機も視野に入れるならば、本誌300号・301号で付録した沖田祐作さんの「機関車表」に象徴されるように、その実数は気の遠くなるものになるはずです。
▲機関車のイラストのみならず、牽引していた客車も加えて往年の列車を再現。
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▲C57 4次型の、3次型との違いも一目瞭然。近代機はとりわけ細かく描き分けられている。
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ただその一方で、枝葉末節はともかくとして、1号機関車から実現半ばに終わった幻のC63までのさながら大河のような歴史をビジュアルに通観できる出版物もこれまで存在しませんでした。もちろん臼井茂信さんの名著『国鉄蒸気機関車小史』をはじめ、写真と解説で展開するものは少なからず存在しましたが、撮影時の角度など一律の条件は望むべくもなく、予備知識の乏しい者が並列に通観するにはいささか無理があったのも事実です。それだけに車輌イラストのパイオニアとして知られる片野正巳さんに、CGを駆使した見て楽しい蒸気機関車歴代記をまとめていただくことができたのは、今後わが国の蒸気機関車の生い立ちに興味を持たれるであろう方々にとっても少なからずお役ににたてるのではないかと思います。

080902n170.jpg本書では各形式・バリエーションごとに、1/100スケールの美しいイラストと寸法図を掲載していますが、明治期の小型機など、模型サイズでも楽しめるように1/80スケールのイラストおよび寸法図も併せて収録している形式もあります。さらに、単行本化に当たっては、1951(昭和26)年11月に国鉄輸送局動力調査課が作成した「動力車主要数値表」を復刻掲載しています。折りしも本誌300号収録の「改稿 国鉄蒸機発達史」や付録のデータCD「機関車表 国鉄編I 蒸気機関車の部」と併せてご覧になると、より一層お楽しみいただけるのではないでしょうか。
▲巻末には1951(昭和26)年11月現在の「動力車主要数値表」を新たに収録。
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『1号機関車からC63まで 細密イラストで綴る日本の蒸気機関車史』
・A4判/180ページ
定価:3800円

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