鉄道ホビダス

甦った(?)北丹鉄道2号機。

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▲すばらしいコンディション(?)で展示されている北丹鉄道2号機。事情を知らない者にしてみると「保存機」と思ってしまいかねないが、実はレプリカ。'08.7.18 P:高橋一嘉
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先日、福知山を中心とした山陰本線・福知山線・舞鶴線の普通列車用として登場した223系5500番代を取材に行った編集部の高橋君が、行きがけの駄賃とばかりちょっと面白いものを見てきました。福知山を起点として河守(こうもり)までわずか12.4kmを結んでいた北丹鉄道(1971年廃止)の本社跡地に展示されている「2号機」です。

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▲そのフロントビューとバックビュー。立派な屋根とホーム、それにキャブ内を見学するためのステップまで設けられている。線路状態の悪さで知られた北丹だったが、展示線は豪華PC枕木。'08.7.18 P:高橋一嘉
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▲「北丹鉄道本社跡」の石碑とともに展示されている2号機レプリカ。周囲はすでに住宅地となっている。'08.7.18 P:高橋一嘉
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hokutan080803n10.jpg「北丹鉄道本社跡」の石碑とともにかつての北丹鉄道福知山西駅構内に展示されているこの「2号機」、山本武男さんのRMライブラリー『北丹鉄道 ―河川敷に消えた小鉄道―』をお読みになった方ならすぐに「あれっ?」と訝しく思われるはずです。それもそのはず、2号機は半世紀以上も前の1956(昭和31)年8月に廃車・解体されてしまったはずだからです。その2号機が艶やかな塗装を纏って展示されているのですからキツネにつままれたような気分にもなろうというもの…。
▲汽車会社の製造銘板までもが忠実に再現されている。'08.7.18 P:高橋一嘉
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▲水槽横に取り付けられた2号機のナンバープレートとキャブ側面の北丹鉄道社紋。'08.7.18 P:高橋一嘉
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実はこの「2号機」、4年ほど前に“新造”されたレプリカなのだそうです。かつてこの地にはC58 56が保存展示されていましたが、同機の保存場所が市内の“ポッポランド”に移り、入れ替わりにこのレプリカが展示されることになったようです。

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▲メーカー組立図をもとに再現したのか、連結装置はバッファー・リンク式(左)。右はキャブ内のバックプレートで、一応それらしくメーター類も取り付けられている。'08.7.18 P:高橋一嘉
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北丹は開業に際してこの汽車会社製のCタンク2輌を用意し、1・2号機としました。1号機の方は戦時中からボイラー不調で稼動状態にはなく、戦後、1952(昭和27)年には森製作所の手によってディーゼル機関車化改造を施されDC1となって再起しています(『森製作所の機関車たち』参照)。残る2号機も同様の改造を予定されていたものの、結局実現せずに、先述のように1956(昭和31)年には廃車されてしまいました。

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▲これまた賞賛に値する拘りようの足回り。第二動輪もきちんとフランジレスで再現されている。'08.7.18 P:高橋一嘉
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それだけに現車の“遺品”が残っていようはずもなく、残された図面類から再現されたものと思われますが、それにしても脱帽の拘りようです。かつてご紹介したように、伊予鉄道のクラウス(いわゆる坊っちゃん列車)には自走するものも含めて数多くの原寸大レプリカが存在しますが、世間的(?)に有名とは思えないこの北丹2号機がこれほど大掛かりに“復元”されようとは思ってもみませんでした。

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▲メーカー竣功写真に見る北丹鉄道2号機。優雅なキャブ出入口の曲線など、いかにも汽車会社らしい端正なCタンク機であった。P:汽車会社原図(『森製作所の機関車たち』より)

いま日本で蒸気機関車、もちろん認可ボイラーを持つこのクラスの蒸気機関車を新製しようとすると、ざっくり、トンあたり1000万円程度は必要と言われています。この北丹2号機は自重約16tですから、蒸気機関車としての同形機を作ろうとすれば1億6千万円はかかる計算となります。それだけにこの張りぼてのレプリカ、いったいいくらくらいしたものなのか、下世話な興味ではありますが気になります。

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▲北丹鉄道1・2号機竣功図。北丹は開業に際して同形2輌を導入して運用に充てていたが、1号機の方はすでに戦時中から休車状態となってしまっていた。(『森製作所の機関車たち』より)
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ちなみに高橋君の話では、現地に北丹鉄道の由来を説明する看板は設置されているものの、この2号機がレプリカであることを示す表示は見当たらなかったとのこと。ここまで忠実に再現されていると見学者の誤認を招きかねませんので、ぜひとも説明を加えていただきたいものです。

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