鉄道ホビダス

岸由一郎さん遭難の報せに…。

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▲鉄道博物館内覧会でヒストリーゾーンのC57 135の載る転車台回転のデモンストレーションの解説をする岸 由一郎さん。'07.10.1

昨日朝発生した「岩手・宮城内陸地震」でとりわけ甚大な被害となった宮城県栗原市の「駒の湯温泉」に、鉄道博物館学芸員の岸 由一郎さんが宿泊しているとの電話を受けたのは、今朝早朝のことでした。まさか…との思いで検索するネット上のニュース速報には確かに岸さんの名前が。そうこうするうちに日本鉄道保存協会の顧問の皆さんをはじめ、東京のみならず関西方面からも安否を気遣う連絡が次々と入電。ずっとニュースに釘付けになっていましたが、願いむなしく、午後になってご遺体発見の報が…。なんとも残念でなりません。

towada51.jpg岸さんは東京学芸大学で青木栄一先生に師事し、学生時代からわが国鉄道史研究の若手のホープとして将来を嘱望されていました。卒業後は交通文化振興財団の学芸員として交通博物館に勤務、同館閉館後は東日本鉄道文化財団の鉄道博物館プロジェクトの一員として鉄道博物館、ことにヒストリーゾーンの企画実現に深く関わられ、昨年10月の開館まではそれこそ寝食を忘れてその完成に尽力されてきました。また、仕事を離れても歴史的鉄道車輌の保存やそれを活かした地域活性化に積極的に取り組まれ、今回の栗原市訪問も廃線となった「くりはら田園鉄道」の保存活用に関する検討委員会への出席のためだったと聞きます。

いつも穏やかなお人柄ながら、調査研究に関しては徹底した拘りを貫かれ、その幅広い交友とあいまって、RMライブラリー『十和田観光電鉄の80年』に見られるように、きわめて完成度の高い発表をされてきました。鉄道博物館開館直後、「この忙しさが一段落したら、またRMライブラリーで発表したいテーマがあるんです」と語っておられた笑顔がいまさらながら瞼に浮かびます。
享年35歳。今後の日本の鉄道史研究にとって、そして鉄道趣味にとってもあまりに大きい、大きすぎる損失です。深くご冥福をお祈り申し上げます。

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