鉄道ホビダス

2008年4月27日アーカイブ

ikawa326.jpg
▲接阻峡温泉駅はアプト開通までは川根長島駅を名乗っていた井川線の主要中間駅。現在でも16:26着→翌10:27発の折り返し列車の設定があり、構内には駐泊設備もある。'08.4.20
クリックするとポップアップします。

さてその井川線ですが、実は昨年7月より静岡県農林事務所の治山工事のため千頭~奥泉間が運休しバス代行となっていました。この3月29日より全線の運転を再開したばかりで、川根両国、沢間、土本、川根小山といったアプト区間手前で列車の姿が見られるのは8ヶ月ぶりということになります。

ikawa360.jpgikawa396.jpg
▲道路橋上から見た川根両国の井川線両国工場。静態保存されているDD107の姿も見える(左)。右は千頭駅構内の井川線車輌たち。奥に見えるオープンデッキのスハフ1形はこの連休の5月3~5日には「かわかぜ号」としてDBに牽かれて千頭-川根両国間を走る。'08.4.20
クリックするとポップアップします。

ikawa378.jpg
▲かつての千頭森林鉄道の分岐駅であった沢間駅。千頭からこの沢間までの区間が3'6"と2'6"のデュアルゲージとなっていた。画面前方が千頭方で、右の道路がかつての千頭森林鉄道軌道跡。'08.4.20
クリックするとポップアップします。

ikawa384.jpgその運休区間にある沢間駅はかつての千頭森林鉄道の分岐駅でもあります。千頭駅裏の貯木場を出た千頭森林鉄道の列車は、デュアルゲージで井川線に乗り入れ、川根両国、沢間と進み、ここ沢間駅から寸又川沿いに渓谷を分け入ってゆきました。地元観光協会が「すまた号」と命名した湯治客輸送列車も走っていたというこの千頭森林鉄道は、東京営林局管内としては最大規模の森林鉄道で、その廃止も1968(昭和43)年4月と森林鉄道としては比較的後年です。現在でも寸又峡温泉に機関車や客車が保存されているのはかつてご紹介(アーカイブ「寸又峡温泉の保存車たち」参照)したとおりです。
▲その沢間駅構内の柵には千頭森林鉄道で使われていたと思われる軽レールが…。'08.4.20
クリックするとポップアップします。

ikawa330.jpg
▲満開の山桜を潜るように接阻峡温泉に到着する下り列車。井川線の下り列車はすべて制御車クハ600形が先頭となる。'08.4.20

途中交換駅の接阻峡温泉、かつての川根長島を過ぎるとさすがに並行道路も険しい山道となり、井川線はまさに深山幽谷の中へと分け入ってゆきます。ことに尾盛-閑蔵間は取り付け林道さえなく、線路は等高線をトレースするかのようにうねうねと森の中を走り続けます。

ikawa323.jpg
▲昔から変わらぬ井川線のハイライト関の沢橋梁をゆく。1954(昭和29)年、高さ100mのこの橋梁の完成をもって井川線が全線開通した。'08.4.20

その尾盛-閑蔵間、第2尾盛隧道と平岩隧道に挟まれた断崖絶壁に架かるのが古くから井川線のシンボルとなってきた関の沢橋梁です。長さ114mの雄大なアーチ橋は水面からの高さ実に100m。近年では通過する列車は歩くほどの速度まで減速し、乗客にその景観を披露しています。それにしても今でこそ客車も密閉タイプとなったものの、最初に訪れた頃はまだまだオープンデッキの旧型客車が全盛で、この橋を渡る時は結構な恐怖だったのを思い出します。

ikawa305.jpg
▲終点・井川で発車を待つ上り千頭行き。井川駅の構内は狭隘な崖ふちにへばりつくように広がる。'08.4.20
クリックするとポップアップします。

そして最後に訪れたのが終点の井川駅です。井川ダム堰堤に隣接するように設けられたこの駅は、今でこそ観光客で賑わっていますが、本来はダム建設の人員・資材輸送の要衝でした。もっとも実際の貨物ヤードはさらに先に伸びた貨物専用線の堂平と呼ばれる場所に設けられていました。

ikawa306.jpgikawa301.jpg
▲井川駅本屋(左)と本線の終端部分(右)。ただし、線路は手前で分岐しさらに貨物駅であった堂平まで続いている。井川線本来の使命は井川ダムの建設資材をこの堂平基地まで運搬することにあった。'08.4.20
クリックするとポップアップします。

ところでこの井川-堂平間の専用線、いったんは軌道撤去されたものの、奥地の小規模ダム建設用資材輸送のために1986(昭和61)年に復活を果たしています。ここを使って小型蒸気機関車の動態保存運転をできれば…と当時副社長だった白井 昭さんからうかがったことがありますが、もし実現していれば、アプトとともに井川線のもうひとつのアピールポイントとなったことでしょう。

レイル・マガジン

2008年4月   

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
「編集長敬白」が携帯電話でもご覧になれます。下記アドレスもしくはQRコードを読み取ってアクセスしてください。
http://rail.hobidas.com/blog/
natori/m/

ホビダス・マーケット新着MORE

  • 俺がイル
ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2018 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.