鉄道ホビダス

田野浦臨港線が「特定目的鉄道」として再生へ。

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4年前の3月に貨物営業を終えて休止状態になっている通称「田野浦臨港線」(JR所有の門司港?外浜間0.9kmと北九州市所有の外浜?田野浦間3.6km)の一部が、普通鉄道としてはわが国初の「特定目的鉄道」として再生する運びとなりそうです。
▲関門海峡沿いを走る「特定目的鉄道」の完成イメージ。2009年春にも開業する方針だという。(北九州市提供)
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これは、門司港の古い街並みと新しい都市機能をうまくミックスさせた都市型観光地をめざして北九州市が推進してきた「門司港レトロ」の一環として、同臨港線を観光鉄道化しようとする「門司港レトロ観光列車事業」で、去る3月13日(木曜日)に、国土交通省九州運輸局鉄道部宛に特定目的鉄道としての鉄道事業認可申請が行なわれました。ちなみに、このブログでも何回か取り上げています(→こちら)が、「特定目的鉄道」とは、改正鉄道事業法施行規則第5条2項で「景観の鑑賞、遊戯施設への移動その他の観光の目的を有する旅客の輸送を専ら行うもの」と規定された鉄道に対し、運行本数や運賃などの規制を大幅に緩和する新法です。

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今回の事業認可申請にあたって特筆されるのは、運行事業者(第二種鉄道事業者)を平成筑豊鉄道株式会社、施設保有事業者(第三種鉄道事業者)を北九州市とする「上下分離方式」によった点と、なおかつ使用車輌が南阿蘇鉄道で使用されていた機関車と、3月末、つまりまさに今日まで島原鉄道に在籍していたトラ70000形トロッコ客車が再利用される点でしょう。
▲運行区間はJR門司港駅から和布刈(めかり)公園を結ぶ約2キロ。門司港駅、レトロ中央駅、文字ヶ関駅、和布刈公園駅(いずれも仮称)の4駅が設けられるほか、その先に瀬戸町車庫(仮称)が設置される予定。(北九州市提供)
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北九州市経済文化局門司港レトロ室発表のプレスリリースによれば「門司港レトロ観光列車事業」のアウトラインは以下のようなものです。
(1)概要
観光客の回遊性向上や滞在の長時間化、新たな広域観光ルートの形成を図るため、休止中の臨港鉄道を活用し、門司港駅と和布刈地区を結ぶ観光列車構想の事業化を図ります。
(2)運行内容
【運行区間】門司港駅?和布刈公園駅(駅名は仮称) 約2km 4駅
【運行日】3月中旬?11月下旬の土日祝日、春・夏休み計 約130日
【運行時間】10時?17時
【運行本数】1日14往復 (約30分で1往復)
(3)事業の体系
列車の運行と鉄道線路の保有を別個の事業者が行なう、いわゆる「上下分離方式」とします。また、鉄道事業収入と必要経費の差額を市が運行補助として支出します。

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(4)スケジュール
【平成20年度】 工事(トンネル、ホーム、車庫、沿線修景等)、
        車輌購入・改造、開業監査
【平成21年度】 運行開始(予定)

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▲いわゆるプッシュプル方式の運転となる。北九州市は2008年度当初予算案に車輌の購入改造費用などの関連事業費として2億8千万円を計上している。(北九州市提供)
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すでに休止となっている貨物線の観光鉄道への転換は過去に例がないのみならず、認可されれば改正鉄道事業法に則った「特定目的鉄道」としては2例目となります。もっとも第1例目は愛知万博に際して認可された無人運転バスによる新交通システムで、こちらは期間限定での認可でした。つまり今回の「門司港レトロ観光列車事業」は、永続的営業を行なう普通鉄道としてはわが国初の「特定目的鉄道」となるわけで、その意味でも活路を模索しているローカル私鉄や保存鉄道にとってたいへんインパクトの大きいものとなります。

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