鉄道ホビダス

2008年3月30日アーカイブ

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▲好天に恵まれた土曜日、折りしも東京は桜が満開。「西尾源太郎さんをしのび汽車を語る会」には100名近い方が集まられた。挨拶に立つのはご子息の西尾恵介さん。'08.3.29

昨日は東京・高田馬場駅前の“BIG BOX”9階のバンケットルームで「西尾源太郎さんをしのび 汽車を語る会」が開かれ、全国から故人と親交の深かった100名近い趣味人の皆さんが集まられました。

shinobukai102.jpg改めてご紹介いたしますと、西尾源太郎さんは1920(大正9)年のお生まれ。東京工業大学を卒業後、当時の鉄道省に入省されたものの、兵役でシンガポールやフィリピンを転戦し、苦難の末に復員。1946(昭和21)年に、ご家族の疎開先、札幌の苗穂工機部(工場)を皮切りに、郡山工機部(工場)、大宮工場、静岡鉄道管理局機関車主幹、本社運転局車務課、技師長室、工作局車両課総括補佐を歴任。その後、十河総裁、島技師長のもと新幹線総局で計画審議室調査役として開業を前にした東海道新幹線の車輌開発に携われました。
▲祭壇には遺影とともにC51をこよなく愛された西尾源太郎さんに因んでC51の模型が飾られた。'08.3.29
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▲最初の挨拶をされる星 晃さん。国鉄工作局時代からともに東海道新幹線開発に携われたお仲間。'08.3.29

静岡鉄道管理局時代には当時東海道で運用されていたEF57の上越線への転用を起案、本社運転局時代にはEF13の車体載せ替えやC54の延命(装備改造)の予算付けなど、その後の鉄道趣味の動向にも大きく影響する采配を揮われておられます。

shinobukai105.jpg1965(昭和40)年に多度津工場長を最後に国鉄を辞され、その後も帝国車輌(のちの東急車輛大阪)取締役、社団法人日本鉄道技術協会専務理事を務められるなど、常にわが国の鉄道車輌開発の最先端を歩んでこられました。また、早くからLRTの可能性に注目され、その開発にも尽力されておられました。もちろん趣味人としても幅広く活躍され、戦後直後から機関車同好会同人として機関誌『MIKADO』に執筆、その後は記名記事のほか“椎野剛一”のペンネームで趣味氏に多くの記事・写真を発表されておられます。さらに鉄道友の会や海外鉄道研究会、日本路面電車同好会などで後進の後進の育成に積極的に取り組まれてこられました。
▲司会進行は私が務めさせていただいた。'08.3.29

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▲数々のアルバムとともに書簡集も公開された。島秀雄さんからの手紙や、宮沢喜一元総理大臣からの書状など西尾さんの広い交際に改めて驚かされる。書簡集に見入っているのは広田尚敬さん(左)。右は長いおつきあいがあった竹島紀元鉄道ジャーナル社社長。'08.3.29
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そんな西尾源太郎さんがお亡くなりになったのは昨年の暮も押し迫った12月23日。享年87歳でした。私はお亡くなりになるわずか3日前に高井薫平さんらとお見舞いにうかがったばかりでしたので、突然の訃報に言葉を失う思いでした。

shinobukai108.jpg国鉄の車輌開発という実務の側におられながらも、鉄道趣味人として常にあたたかい眼差しでファンを見守ってくれていた西尾源太郎さんを慕う声は多く、お亡くなりになってわずか3箇月後の今回の「西尾源太郎さんをしのび 汽車を語る会」開催となったわけですが、日本の鉄道趣味界を代表する100名近い皆さんが馳せ参じられたことで、改めて西尾源太郎さんの存在の大きさを実感することとなりました。
▲発起人会を代表しての宮澤孝一さんの挨拶。左から宮澤孝一さん、宮田寛之さん、高井薫平さん、私、山田修平さん。'08.3.29
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nishiosankouhaku1n.jpgこの「西尾源太郎さんをしのび 汽車を語る会」にあたっては、発起人会(高井薫平・宮田寛之・宮澤孝一・山田修平の各氏と私の5名)で、西尾さんが1943(昭和18)年にお書きになった「国鉄標準軌新幹線用蒸気機関車についての考察」と「蒸気機関車C54の回想」を収録し、表紙を黒岩保美さんが西尾源太郎さんのために描き上げたC54の絵画で飾った記念誌を製作いたしましたが、この両論文を改めて読み返してみると、西尾さんの中で、実務者としての理論的裏付けと、趣味人としての夢が、さながら車の両輪のごとく調和していたことを思い知らされます。
改めてご冥福をお祈り申し上げます。
▲お元気だった頃の西尾源太郎さん。交通博物館の「感謝とお別れの集い」でご一緒した際に西野保行さんに撮っていただいたツーショット。'06.5.15
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