鉄道ホビダス

2007年12月アーカイブ

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この一年、小ブログにお付き合いいただき、ほんとうにありがとうございました。年末年始は出先の通信事情もあって、しばし休載とさせていただきます。新年は7日(月曜日)より再開する予定にしておりますので、どうか来年もかわらぬご愛読のほどをお願い申し上げます。
皆さん、それではご家族ともどもよいお年をお迎えください。
編集長:名取紀之 敬白

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▲日本AEパワーシステムズ千葉事業所からのシキ160搬出劇はNHK「熱中時間」が密着取材。その取材風景をさらに小誌が取材させていただいた。'07.7.4

「鉄道ホビダス」のトップ画面ですでにお気づきの方も少なくないかと思いますが、本誌で「プロフェッサー吉岡の貨車研究室」を連載いただいているプロフェッサー吉岡、またの名を“タンク屋しんちゃん”こと吉岡心平さんのブログが「鉄道ホビダス」上で始まりました。

tankuya1nnn.jpgその名も「タンク屋しんちゃんのブログ」では、稀代の貨車研究者であり、今やわが国の貨車研究の第一人者である吉岡さんが、時には超マニアックな貨車研究の話題を、時には貨車以外の鉄道の話題を、そして時には身辺雑記で意外な側面を披露してくれ、これから目の離せないオフィシャル・ブログとなるはずです。
▲いよいよ始まった吉岡心平さんのブログ、その名も「タンク屋しんちゃんのブログ」。まずは実際の画面をご覧あれ。
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がちがちの貨車ファンで、貨車以外には目もくれない…と思われがちな吉岡さんですが、実態はさにあらず。布原三重連やら冬の北海道やら、国鉄蒸機を追って“普通の”撮影行をしたご経験も数知れず、なおかつ学生時代からの熱心な模型ファンでもあります。

tankuya2nn.jpgところでその吉岡さんにとって、今年何よりも印象に残ったのは、このブログでもご紹介したシキ160の貨物鉄道博物館への搬送ではないでしょうか。この搬出劇はNHKハイビジョンの「熱中時間/鉄分補給スペシャル」として放映され、のちにNHK総合テレビでも再放送されて大きな反響を呼びました。番組中ではめったに見ることかなわない吉岡さんのご自宅「研究室」も垣間見ることができ、その点でも興味津々です。
▲貨車博士としての一面以外にもさまざまな側面が披露されるのが興味深い。それにしても気軽に撮ったDLの形式写真にしても決まっていること…さすが。
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▲日本AEパワーシステムズの小柴さんとの出会いは番組のなかで大きなファクターとなっている。写真はシキ160搬出時のNHK取材風景。'07.7.4

kasyazukan.jpgその「熱中時間/鉄分補給スペシャル」ですが、この年末に再々放送されるそうです。残念ながら今回は地上波ではなくBSハイビジョンでの放送ですが、視聴環境にある方はぜひご覧になってみてください。
PART1:12月30日12:00?13:29
PART2:12月30日13:30?14:59

なお、最後に耳寄りなお知らせです。十年前に出版し、今や貨車研究の伝説のバイブルとなっている吉岡さんの『私有貨車図鑑』を、復刻増補版として1月に出版いたします。詳しくは改めてご案内申し上げますが、こちらもどうかご期待ください。

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▲まるで20年前にタイムスリップしたかのような夜景。アイドリング音を響かせて停まっているのは保存会所有のキハ312。P:片上鉄道保存会提供

1991(平成3)年6月に廃止となった同和鉱業片上鉄道の保存活動を行っている「片上鉄道保存会」の皆さんから、つい先日完成したばかりのDVD「再会 さくらがすみ ?片上鉄道廃止から15年?」をお送りいただきました。

katakami12a.jpg片上鉄道保存会は廃止翌年の1992(平成4)年11月に設立され、岡山県美咲町(旧柵原町)の「柵原ふれあい鉱山公園」(かつての吉ヶ原駅跡)に保存されている11輌の車輌の動態(静態)保存に取り組んでいます。美咲町より委託を受け、1998(平成10)年より展示運転を開始、以来十年近くにわたって毎月第一日曜日に定期的な公開運転を行ってきました。私も7年前に現地にうかがい、その運転の様子を拝見したことがありますが、車輌のみならず施設も含めて可能な限り現役時代のままの姿で後世に伝えてゆこうとする取り組みには頭が下がる思いでした。
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▲キハ07の生き残り(キハ42504→キハ07 5)も元気な姿を見せてくれる。この車輌は美咲町の所有。P:片上鉄道保存会提供

そんな保存活動がいま窮地に立たされています。もともと自治体からの補助はほとんどない状況下で、近年、車輌や線路設備の経年劣化が進み、来年の展示運転開始10周年を節目に、いったん運転を取りやめることとなってしまったのだそうです。今回のDVDも、保存運転維持のために多少なりとも役立てばと製作されたもので、収益は保存活動に充てられる予定です。片上鉄道保存会代表幹事の森岡誠治さんからのメッセージが添えられていますので、ご紹介いたしましょう。

katakami15a.jpgこのDVDにご感心をお寄せ頂き誠にありがとうございます。内容は自転車道として旧廃線跡が整備された「片鉄ロマン街道」を巡り、吉ヶ原にやってきたボンネットバス「ふるさと号」と片鉄「ふるさと」号が21世紀になってなお、お互いの鼓動を確認するように出会った日の記録です。私達は平成3年6月同和鉱業片上鉄道の廃止以来、岡山県美咲町の柵原ふれあい鉱山公園での旧片上鉄道の動態保存に取り組んでまいりました。各地の鉄道廃止で僚友である車輌が次々に火を落とす昨今、部品の確保もまた今後の大きな課題です。駅設備をはじめとした信号連動装置や保安機器などの拡充、運転経路の変更に対応したシステム復旧などの作業を実施するための活力源となるDVDを、展示運転開始10年の節目として製作いたしました。
皆様が安全に気軽に昔に行ける手軽で便利な輸送手段でありつづけること。桜の舞うホームで繰り広げる昭和の懐かしい鉄道風景と谷に木霊する汽笛を守る。もう暫く、皆様と共に走りつづける願いを込めて保存会一同。どこまでいけるかわかりませんがご来園の際には完全な片上鉄道で皆様とお会いできる事を楽しみに日々活動して参ります。
片上鉄道保存会 代表幹事 森岡誠治

▲吉ヶ原駅では元祖「駅長猫」のコトラも出迎えてくれるはず。P:片上鉄道保存会提供
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▲トラを入換えるキハ312。まるで現役時代そのままのワンシーンだ。動画で見るとなおさら現地を訪ねたくなること請け合い。P:片上鉄道保存会提供

満開の桜の下、ボンネットバスとの夢の競演となった今年4月1日のドキュメントをメインに、現役時代の映像などを取り混ぜたこのDVDは3000円(税込)。発売元は同保存会会員でもある福岡市の株式会社ワンマイルさんです。ドーネーションの思いを込めて、ぜひお求めになってみてください。なお、今回は特別に下記“鉄ホビ・ダイレクト”でも販売をいたしております。
●鉄ホビ・ダイレクト「片上鉄道保存会オフィシャルDVD 再会 さくらがすみ」

※なお、次回の展示運転は1月6日(日曜日)に予定されています。

最終回:そして、グランドームに日は暮れて…。

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▲クラブ“AFAN”(フランス&イギリス)の持ち込んだNm(6.5㎜)のレイアウトで見かけたフルスクラッチのブラス蒸機。彼の地の工作レベルを象徴する出来栄えだ。'07.11.24

フランス語こそわからないものの、今回のRAIL EXPOを通して、彼の地のナローゲージ・モデリングの世界が想像以上に深く、そして何よりも日本のモデル・シーンと極めて近似性の高いものであることを改めて思い知りました。それはシーナリィへの拘りに象徴されるように、ある種の“箱庭願望”でもあり、アメリカのそれとは根本的に質を異にするものです。

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▲こちらはⅡmのバーチカルボイラー機。軽快な走りっぷりを見せてくれていたが、よくよく見ると“ライブ”では! '07.11.24

工作に掛ける情熱にも驚かされました。もちろん全体の流れとして“ready to run”の傾向にあるのは洋の東西を問いませんが、RPIのエッチングキットのように、とても一筋縄ではゆかない手強いキットが“製品”として流通していることからも伺い知れるように、彼らは“作る”ことをまだまだ楽しんでいるようです。

re16a6.jpgもうひとつ印象に残ったのが、会場内のいたるところで目にした箱状のモジュールです。わが国のモジュールはいわばオープンエアの平板なものが主流ですが、こちらではキュービック状の箱の中に情景を作り込むモジュールが一般的です。前面にはさながら額縁のようなフチが付けられており、このフチの内側上部に蛍光灯が仕込まれています。まるで芝居小屋でも見るように箱状モジュールの中が照明も含めて演出されているわけで、なかには雷鳴轟くシーン(本日の動画参照)さえもあります。
▲屋根を取って中を見せていただいた。燃料はボンベからのガス充填。'07.11.24
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▲サイズを問わず主流なのが箱状のモジュール。まるで芝居小屋の中を覗きこむような感覚だが、照明を組み込みやすいのが大きなメリット。'07.11.24

この箱状モジュールで改めて気づかされたのは、「動き」、「音」だけでなく、「光」(照明)を自在に操ることの大切さです。朝の光、夕景、薄暮、そして雷鳴シーンのように荒天下…光を自在に操ることによって、もうひとつの物語を醸し出すことができるのです。

re16a4.jpgすべてが手探りの4泊6日の旅でしたが、これまでにご覧いただいてきたように、何ものにも代えがたい時間を過ごすことができました。とりわけチェアマンのGRANCHERさんはじめ、“Le Train”誌Acker編集長ら、思いがけず今回の旅をサポートしてくれた皆さんとの出会いこそが一番忘れられないお土産となりました。
連載の最後に、この第一回RAIL EXPOの雰囲気を多少なりとも感じていただきたく、短い動画を用意いたしました。グランドーム駐車場から関係者入口を通って会場へ。スタンド席からの全貌、そしていくつかのブースを覗くといった流れです。ぜひご覧ください。
▲オーガナイザーにモジュールの統一規格はあるのか尋ねたが、特に取り決めはないとのことだった。'07.11.24
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それにしても会期中を通して、終始心ときめく時間を送れたのはなぜなのでしょうか。それは普段“カウンターの内側”にいる自分が、趣味人として“カウンターの外側”に居られたからにほかならない…そう気づいたのは、成田へと向かう飛行機がシベリア上空に差し掛かった頃のことでした。   〔完〕

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▲記憶に残るさまざまなシーンを脳裏に残してグランドームが夜の帳に包まれる。洋の東西を問わず、宴の後はちょっと物悲しい。'07.11.24
上の画像をクリックすると自動的に動画の再生(約8分)を開始します。
※音声付きですので、クリックする前に周囲の環境にご配慮ください。なお、Macでは再生できない場合があります。

第15回:出会いと再会。

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▲拙作を手に驚きのリチャードさん(左)。右はどれどれとばかり覗きにきた隣のブースのバックウッズミニチュアさん。'07.11.24

今回のRAIL EXPOの旅には、実はもうひとつの密かな目的がありました。それはかつてこのブログでもご紹介したスモーキー・ボトム・ランバー・カンパニー製のレジンキットを組み上げた拙作を、同社のリチャードさんにお見せすることです。
(アーカイブ「リチャードさんからのクリスマスプレゼント?」「レジンキットその後」参照)

re15a4.jpgスモーキー・ボトム・ランバー・カンパニーのリチャードさんとは初対面。昨年コロラドで行われたナローゲージ・コンベンションの際にお会いできると思っていたのですが、空港のセキュリティー・チェックに引っ掛かって肝心の商品が送れなかったとかで結局来場されませんでした。
「ナローゲージ・コンベンションの旅/第5回」参照)
▲スモーキー・ボトム・ランバー・カンパニーのブース。マニアックなお客さんばかりなだけに、リチャードさんも一日中休む暇もない。'07.11.24
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ブースで自己紹介するのももどかしく拙作を披露。いや、その時のリチャードさんの驚きようといったら…遥か1万キロの彼方から東洋人が自分のプロデュースしたキットを組み上げてわざわざ持ってきたのですから、嬉しくなかろうはずがありません。

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▲会期中スモーキー・ボトム・ランバー・カンパニーのブースで展示されることになってしまった拙作。それにしてもリチャードさん、自分でAフォード(ガソリンエンジン)を模型化しておきながら“DIESEL"はないでしょ…。'07.11.24

拙作についてはまた機会をみてご紹介したいと思いますが、粗組・下地塗装ののちラッテンストーンに3ヶ月ほど漬け込み、ターペンタインで溶かした油絵具でフィニッシュを施したものです。この手法、高名なフィニッシャーであり写真家でもあるレーン・スチュワート氏が開発したもので、かつて『RM MODELS』でもご紹介したことがありますが、リチャードさんもこのフィニッシュがいたく気に入られたようで、会期中を通してブースに展示されることとなってしまいました。

re15a5.jpgそんななか、何事からんと覗いてきたのが隣のブースのバックウッズ・ミニチュアさん。アメリカのコンベンションでもすでにお馴染みですが、驚いたことに「今年は出店していないが、バンタモデルのビル・バンタさんが日本のコンベンションでレイアウトを作る実演をしたそうですね」と言われるではないですか。大阪のJAMコンベンションでビル・バンタさんが「3日間レイアウト」の実演をされたのは昨年夏。いや、まさかパリの地でこんな話題が出ようとは思いもしませんでした。
▲タミヤの1/35米軍カーゴトラックから流用したヘッドライトも絶賛のリチャードさん。最後の最後に会場を去る時まで手放そうとしなかった。'07.11.24

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▲ドコービル製の車輌を中心に極めてエンスージャスティックな製品展開をする“RPI”のショーケース。'07.11.24

驚きと言えばもうひとつ驚きだったのがレイモンド・デュトンさんとの再会です。ドコービルのエッチングキットを展示している“RPI”のブースを覗いていた時のことです。カウンターに3人おられるうちの一人が「ムッシュ、ナトリ?」と声をかけてくるではないでか。これには腰を抜かさんばかりに驚きました。

re15a1.jpgかつてデュトン・プロダクションを主宰され、信じられないほど精緻なエッチングキットを送り出されていたレイモンド・デュトンさん。天才的なそのエッチングに惚れ込んで12年ほど前の晩秋、パリ郊外のご自宅マンションを訪ねたことがあります。その際はドコービル博物館設立準備委員会の皆さんにも引き合わせてくださり、忘れられない時間を過ごさせてもらいました。ただその後、風の便りで体調を崩されたとうかがい、デュトン・プロダクションとしての活動も止まってしまい、案じていたところでした。
▲12年前、パリ郊外のデュトンさんのお宅を訪ねた際のツーショット。この頃は自らデュトン・プロダクションを主宰されていた。それにしてもお互い若かった…。'95.10.27
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現在では“RPI”の設計者として活躍されている由。どうりで“RPI”の製品には、軸箱までエッチング折り曲げで組み立てる台車など、かつてのデュトン・プロダクションの手法が踏襲されているわけです。
それにしてもまったく見ず知らずの地と思いつつ訪れたグランドームでの出会いと再会…国境を超えたナローゲージ・モデリングの醍醐味を実感した日々でもありました。

第14回:インダストリアル・イクイップメントに注目。

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▲ESMによる7㎜スケール14㎜の マイニング・セクション“Dousandage S.A.” 。基本は単純なエンドレスながら実に巧みな線型で、丹念に観察しないとバックヤードを含めた線路配置が掌握できない。'07.11.24
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話を再び会場に戻しましょう。連載5回目にもオランダからエントリーした“Damen”のシュート可動式ホッパービンをご紹介しましたが、ほかにも注目すべきインダストリアル・イクイップメントは数多く、今日はその中から2例をご紹介いたしましょう。

re14a3.jpgまずご紹介するのは、地元フランスからのエントリー“Escadrille Saint Michel”(ESM)による7㎜スケール(1/43.5)14㎜ゲージの鉱山軌道“Dousandage S.A.”です。1メートル四方程度の箱の中に鉱山の水平坑坑口から選鉱設備までがぎっしりと収まっており、そこを鉱山用電気機関車が縦横無尽に走り回っています。縦横無尽と表現したのは、エンドレスをベースとしながらも線路配置が実に巧みで、一見してどこがどう繋がっているのかを察知させないからです。
▲ “Dousandage S.A.”の外観。バックヤードも含め箱状になっており、前面がシャッターのように開く。'07.11.24
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▲鉱山用電機が水平坑へと戻ってゆく。機関車の素性はわからないが、後ろに続く鉱車はロイ・リンク製のプラキット。'07.11.24
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お願いして裏側のバックヤードを見せていただきましたが、セクターのような特殊な設備はなく、基本的にエンドレスになっているだけ。ポイントを操作するのみで、列車は意表をついたところから“表舞台”に出てきます。架線も張られ、パンタグラフのスライダーもしっかりと接触していることから、これはもしや架線集電では…と尋ねてみましたが、さすがに架線はダミーだそうです。

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▲いわば芝居の書割り的ストラクチャー群ながら、奥行き感を感じさせるギミックはさすが。こういった小レイアウトの場合、高さ方向の密度を稼げるインダストリアル・イクイップメントは実に効果的。'07.11.24
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このレイアウト、2007年バージョンと銘打たれていますが、すでに“Voie Libre”誌に掲載された秀作で、今回の展示に合わせて一部バージョンアップされたもの。こういった小スペースのレイアウトの場合、高さ方向の密度がいかに重要かも再認識させてくれました。

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▲狭いスペースを目いっぱい活用してありとあらゆるストラクチャーが盛り込まれているが、さほど不自然さは感じさせない。コーナー部の小さな庫から出てくるのはコッペル製の小型内燃機関車MD2形。'07.11.24
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もうひとつご紹介するのは“TDS / Jean-Yves Hautecoeur”(フランス)によるHOの化学プラント群(Complexe chimique de Trocourt)です。会場奥の別室隅にひっそりと展示されており、ギャラリーも多くはありませんでしたが、その規模の大きさと密度にはしばし立ちすくんでしまったほどです。

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▲驚異的な規模の化学プラント群を展示したのは“'TDS / Jean-Yves Hautecoeur”。なぜか照明の照度を落としてあり、撮影しにくいことといったらないが、どうやらそれも展示効果を狙ったものらしい。07.11.24

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▲かなりローキーなフィニッシュを施されたプラント類が延々と続く。よくよく見るとどのストラクチャーもかなり凝ったものだが、横に敷かれたHOの線路の方はレール側面のウェザリングも施されておらず“刺身のつま”的な扱い。'07.11.24
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▲ホッパービンやらタンクやらクレーンやら…ここまでくると、インダストリアル・イクイップメントそのものがメインの趣味対象なのかも知れない。'07.11.24
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今回改めて感じたのは、彼の地のモデラーのインダストリアル・イクイップメントに対する情熱です。門型クレーンでコンテナを移動させるデモンストレーションだけを終日やっているブースまであり、今後は「動く」「音がする」方向への進化とともに、その探究心はますます磨きがかかってゆくに違いありません。

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▲鴨宮実験線で200km/h試験走行に挑む新幹線試作B編成。東海道新幹線開業2年前の歴史的一枚。'62.10.31(『国鉄車輌誕生?車輌開発の黄金時代?』下巻より)

RMライブラリー100巻記念として先月お送りした星 晃さんの秘蔵カラーよるRMライブラリー『国鉄車輌誕生?車輌開発の黄金時代?』(上巻)はたいへんなご好評をいただきましたが、このたび待望の下巻が完成いたしました。

RML101hyou1a.jpg改めてご紹介いたしますと、本書は国鉄で副技師長を務められ、戦後の車輌設計、とりわけ昭和30年代から昭和40年代初頭の国鉄黄金期の車輌設計に責任者として関わられた星 晃さんが撮影された秘蔵のカラー写真を上下2巻に分けてご紹介するもので、すでに発売中の上巻では高性能電車の始祖モハ90系(のちの101系)や「こだま形」モハ20系(151系)、10系客車、キハ20系など、国鉄が戦後復興から高度成長に向け歩みを進めつつあった頃の車輌を中心に収録いたしました。

RML101-002n.jpg今回の下巻ではいよいよ新幹線が登場。試作車A編成の回送シーンから鴨宮実験線の様子、そして0系の誕生と営業開始までの模様が色鮮やかに蘇ります。その一方、国鉄の在来線特急電車の集大成ともいうべき存在であった寝台電車581系の開発途中の姿や、公式試運転の模様もファンには見逃せません。もちろん上巻同様、星さんが撮影された当時の旧型車や私鉄電車についても随所でご紹介しています。
▲下巻の巻頭はもちろん「新幹線誕生」。(『国鉄車輌誕生?車輌開発の黄金時代?』下巻より)

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▲鴨宮実験線に搬入された試作A編成。塗装もB編成とは大きく異なる(左)。右は試験車輌に実装された3人掛けボックスシートや転換クロスシート。試作車は車輌ごとにまったく異なるシートを装備していた。(『国鉄車輌誕生?車輌開発の黄金時代?』下巻より)

hoshisan2an.jpgそれにしても、改めて完結した上下巻を見直してみると、星さんが設計開発に携われた時代がいかに「車輌開発の黄金時代」であったかを再認識いたします。そして一方で、CADはおろか電卓さえなかった時代に、次々と後世に残る“名車”を生み出してきた国鉄技術陣がどれほど生き生きと意欲と自信に満ち溢れていたかも伺い知ることができます。
▲完成した上下巻をお持ちになった星さん。'07.12.21
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▲星さんがとりわけ情熱を注がれた581系についても、開発途上の貴重な写真をふんだんに盛り込んで「世界初 寝台電車誕生」の章で詳しくご紹介。(『国鉄車輌誕生?車輌開発の黄金時代?』下巻より)

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▲日車東京支店で原寸大のモックアップを造って581系の寝台カーテンの寸法・仕様を検討(左)。右はビュフェスタイルの食堂車として好評を博したオシ16車内。(『国鉄車輌誕生?車輌開発の黄金時代?』下巻より)

RMライブラリー101巻『国鉄車輌誕生?車輌開発の黄金時代?』(下巻)
・B5正寸/96ページ(オールカラー)、定価2100円(税込)

■下巻の主な内容
走り出した夢…新幹線試作車1000系/新幹線0系誕生/103・301・113系…成熟期の通勤・近郊形電車/その後のこだま形/旧形国電最後の輝き/世界初 寝台電車581系誕生/蒸機に代わって…ディーゼル機関車/新時代の電気機関車/細分化する貨車たち/全国津々浦々…気動車が行く/変貌する客車列車/ブルートレイン誕生

※RMライブラリー100巻達成を記念して全国の書店で全巻取り揃えたフェアを開催中です。ぜひこの機会にフェア店に足をお運びください。
■RMライブラリーフェア書店
東京旭屋書店札幌店、ジュンク堂書店盛岡店、ジュンク堂書店仙台店、フタバ図書TERA守谷、ささもと書店、丸善津田沼店、書泉グランデ、ジュンク堂書店 新宿店、ジュンク堂書店池袋本店、リブロ池袋本店、オリオン書房立川北口店、蔦屋東大和店、栄松堂書店相鉄ジョイナス店、有隣堂本店、紀伊國屋書店新潟店、
本の店英進堂、精文館書店本店ホビーステーション、星野書店近鉄パッセ店、三省堂書店 名古屋テルミナ店、シェトワ白揚書籍館、旭屋書店本店、ジュンク堂書店三宮店、
TMステーションホビスタ尼崎店、ブックヤードチャプター2、喜久屋書店倉敷店、NET21セルバ岡山店、紀伊國屋書店福岡本店、ジュンク堂書店大分店。

なお、このホビダス上でも地域別・テーマ別で検索できる特設サイトを設けておりますので、こちらもどうかご利用ください。

第13回:余話=宿と食。

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▲一泊目はドゴール空港横の“Radisson SAS”に宿泊。「ターミナルから送迎バスで5分」の謳い文句につられたものの、レンタカーで迷いに迷って、辿り着くまでに1時間以上もかかってしまった。'07.11.22

昨日に引き続き今回の旅の余話を…。ヨーロッパ、ことにパリ市街など観光地のホテルの高さは尋常ではありません。ことに円安ユーロ高の昨今では、ただ寝るだけの目的では何とももったいない話です。

RE13.5a.jpgRAIL EXPO会場も郊外に位置しており、今回は欧州全域にチェーン展開しているリーズナブルなビジネスホテルチェーン“ibis”に居を構えることにしました。市内には日本で言うところのビジネスホテル的アコモデーションは少ないのですが、郊外となれば話は別。観光目的でない旅にはやはり素泊まりのビジネスホテルが気楽で一番です。
▲これが2泊目以降の拠点となった“ibis”。チェーン展開しており、それこそいたるところにある。'07.11.24
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▲その客室階廊下(左)と客室内(右)。まぁ、必要最小限といったところ。ただしテレビは薄型液晶。'07.11.24
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▲バスとトイレ。欧米ではそれなりの金額の部屋でない限りバスタブはなくシャワー設備のみ。もちろんトイレも同居している。ちなみに超高級ホテルでもないと温水便座はありえない。'07.11.25
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ところが、たどり着いてみると実際のホテルは想像していたよりかなり老朽化しており、内装もちょっとばかり…? 入口には二つ星マークが掲げられているものの、これで一泊日本円で1万円以上ですから、彼の地のホテル料金の高さを改めて思い知らされます。

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国内外を問わず、日のあるうちは撮影に専念し、昼食など食べられればそれでよし、という昔ながらのスタイルは今回もまったく変わりません。それだけに「食」に関しては実にプアなものとなってしまいました。言うなれば、ビジホに泊まってファミレスで食事をするようなものです。
▲“ibis”に隣接したファミレス(?)での夕食。観光客相手でない限りメニューに写真など貼ってあろうはずもなく、いきおい解読できた単語とお値段だけで注文して出てきたのがこの「鮭づくし定食」(?)。ハイネッケン・ビールとデザートのムースがついて日本円で3500円ほど。'07.11.23

RE13.2a.jpgさて、その食事ですが、ヨーロッパでレストランと名のつくところに入ろうものなら、すべてのオーダーが出揃うまでに2時間近くかかるのはザラ。一人旅でなくとも、とても日本的感覚ではついてゆけません。それもあって、いきおい手軽で簡単なものに流れがちで、今回もファストフード大活躍の日々となってしまいました。
▲こちらはノルマンディー地方の田舎町で昼食に入ったマクドナルド。お馴染みのフィレオフィッシュで日本円940円也。バンズがやたらふわふわなのと、ポテトがフレンチフライとこの角切り状のものとで選べるのが日本と違うところ。それにしても高い! '07.11.23
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▲左はibisの朝食ブッフェ、右は高速のサービスエリアのセルフサービスで取ったステーキ。いや、これは大外し。ところで余談ながら、朝食ブッフェでセルフで切り分けるフランスパンの切り方を観察していると、厚さ数センチに枕木方向に小口切りしたのは私だけで、他の宿泊客は皆さん食べる長さ分だけ切り、それをさらにレール方向に切る…つまりサブウェイのサブマリーン状態にしていた。ちょっとした発見。'07.11.22
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今回改めて思い知ったのがフランスには「温かい食べ物」が意外と少ないこと。かつてご紹介したアイルランドの旅の際は“スープ・オブ・ザ・デー”がどのパブにもあって重宝しましたが、パンに皿料理(?)がメインのフランスには手軽に食べられる温かい汁系の食べ物はそうそうないようです。考えてみれば3分で食べられる立ち食いうどんから鍋料理まで、わが国にはなんと温かい料理が多いことでしょう。緯度的には北海道より遥かに北に位置するパリ。しかも季節はすっかり冬とあって、その差をひしひしと思い知ったのでした。

第12回:余話=移動の足は…。

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連載でご覧いただいているRAIL EXPOの旅、今日は会場を離れ、今回の旅の移動の足についてご紹介してみましょう。順風満帆かに見えるこの旅も、実は出発直前まで計画が二転三転する波乱のスタートだったのです。
▲パリから北へ、ベルギー国境に近いリルへと続く高速A1を行く。主要高速道とはいえ、都市部を離れると交通量はそれほど多くはなく、日本の高速道路とは比較にならないほど走りやすい。'07.11.22

まず予定外だったのが、完全な一人旅となってしまったこと。計画では一昨年、昨年とエキスポ・メトリックのレポートを送ってくれたブリュッセルに単身赴任中の同期生・岡山英明君とベルギー国境の町で合流、あとは彼の自家用車に乗せてもらって…のはずが、よんどころない事情で直前に岡山君が一時帰国せざるをえなくなってしまいました。日本とヨーロッパの航空路上でまさにクロス状態となってしまったわけで、こうなると何よりも問題なのが現地での“足”の確保です。

re125.jpgさらに想定外の事態は続きます。ちょうどパリに着く頃、フランス国鉄(SNCF)の大規模なストライキが続いており、事前の情報によれば、近郊電車はもとよりTGVも3割程度の運行で、フランス全土が大混乱に陥ってしまっているとのこと。北フランスのインダストリアル・ナローを訪ねるためにすでにパリ?リル間のTGVのチケットも押さえてしまっていましたが、今回ばかりは鉄道に頼りきった移動はリスクが大きそう…ということで、急遽レンタカーを手配しました。
▲結局無駄になってしまった11月22日パリ北駅発リル行きのTGV1等チケット。28ユーロ(約4600円)也。
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re12.4.jpgフランスだけにシトロエンかルノーか、と想像していたにも関わらず、パリ・ドゴール空港のレンタカーカウンターであてがわれたのはフォード・フィエスタ。しかもディーゼル仕様ではないですか。これは非力そうで先行き思いやられると落胆していたのですが、実際に走りはじめてみるとさにあらず。高速巡航性もなかなか良く、結局滞在中の1200キロあまりを元気に走り抜いてくれました。
▲ディーゼル音を響かせながら滞在中1200キロあまりを走り抜いてくれたレンタカーのフォード・フィエスタ。リアゲートにマグネットで貼り付けてある「A」がフランスの初心者マーク。'07.11.22
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ところでドイツと並ぶ歴史を持つ自動車先進国のフランスだけに、高速道路網の充実ぶりは目を見張るものがあります。ただ、慣れない日本人にとっては結構これが難物で、いったん標識を見落として分岐しそこねたりすると大変。流れが良い分あれよあれよという間に何十キロも先の意図せぬ出口にまで連れて行かれてしまいかねません。それでは一旦高速を降りて戻ろうと思っても、これがまた一筋縄ではゆきません。一方通行のうねうねと曲線を描く一般道ばかりで、あっという間に方向感覚を失ってしまいます。

re12.2.jpgさらに手ごわいのが“round-about”(ランダバウト)と呼ばれるロータリー式の交差点。ヨーロッパでは標準的ですが、ことにフランスには多いようです。信号のない円形のロータリーで、大きな交差点では乗用車やらトラックやらバスやらが二重になってビュンビュンと回っています。シトロエンC2のような小型車のステアリングを抱え込むようにしたおばあさんまでもが、1速ベタ踏み(?)で回っているのですから、これはちょっとばかり恐怖です。
▲数十キロおきにサービスエリアが設けられているのは日本と同じ。大きなSAには宿泊施設もある。'07.11.22
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そんなこともあって、さっそくガソリンスタンドでご当地の初心者マークを購入、リアに貼って“初心者”をアピールすることにしました。この初心者マーク、“Apprenti”(初心者)の頭文字を取った「A」のマグネット式で、日本国内ではゴールド免許で通している私も彼の地では走るシケイン、これで多少はご迷惑を許していただこうという腹積もりです。

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▲市内の渋滞の中でペンタックスK10Dの広告を掲げた路線バスを発見。思わずパチリ。今回の旅でもアウトドアでの撮影はペンタックスK10Dが大活躍してくれた。'07.11.22

ところがこの初心者マークにはとんだ落とし穴がありました。帰国してから知ったのですが、このマークを貼ると、なんと速度制限を受けるのだそうです。そうとはまったく知らず、高速の法定最高速度130km/hで走り回ってしまっていました。いまさらながらに冷や汗ものです。

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▲巻頭を飾るのは成田冬紀さんの「雪の常紋越え」。遠軽区の9600が補機として活躍していた最後の時代を追った迫真のドキュメント。(『国鉄時代』vol.12誌面より)

年4回の発行を首を長くしてお待ちの方も少なくない『国鉄時代』最新号(vol.12)が間もなく発売です。季節はまさに冬、独立創刊第2号となる今号は「雪と闘う」をテーマにお送りいたします。

kokutetujidai12hyoushi.jpg巻頭の「雪の常紋越え」は9600が補機として、列車の前後に活躍していた時代を中心に、厳寒の峠で繰り広げられた名シーンを集めました。現在もなおDD51のプッシュ・プルによる貨物列車が走り、DLファンには「聖地」と呼ばれていますが、?20℃を下回る寒気の中、天を覆うばかりの煙を噴き上げ峠に挑む蒸機の姿は、さらに胸を打つものがあります。道東の人煙稀な山中で展開した壮大なドラマをお楽しみください。
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▲「特雪とともに過ごした2日間」のサブタイトルが付けられた川本紘義さんの「飯山線キマロキ撮影記」は1968(昭和43)年1月の記録。(『国鉄時代』vol.12誌面より)

「雪と闘う」と言えば、やはり除雪列車。表紙の写真は今秋津南町で行われた飯山線座談会にもご出席いただいた元・飯山機関区機関士の鈴木昭平さんの撮影されたものです。「一里一尺」、つまり4㎞進むごとに30㎝あまりも雪が深くなる飯山線では、沿線の生命線を守るため冬季は頻繁に除雪列車が走りますが、その白眉「キマロキ」に2日間同乗して撮影した川本紘義さんの写真には、壮絶な光景がとどめられています。それにしてもレイルファンを添乗させてくれたのですから、なんとおおらかな時代でしょうか。

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その飯山線に軽い気持ちで雪見に行ったら、「三八豪雪」以来の大雪となり、天地すら定かではなくなった白一色の世界で撮影をすることになってしまったのが中島正樹さん。「豪雪の越後路を行く」では、雪で孤立する寸前の十日町でのC56の鬼気迫る活躍ぶりが記録されています。
▲1966(昭和41)年正月、ラッセルが切り拓いた白一色の世界を、文字通りの雪だるまと化したC56 131が這うように進む。(『国鉄時代』vol.12誌面より)

ところで飯山線のC56はネットを付けた独特の形態の「つらら落とし」を装備していますが、その「つらら落とし」にまつわる秘話にC56研究家の塚本和也さんが迫ります。こちらも必見です。

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北海道の北の果て、宗谷本線・天北線の記録「氷雪の道」では、C55・9600が凍てついた鉄路で壮絶な姿を見せます。花輪線龍ヶ森の8620三重連、山田線区堺峠のC58、雪解けの米坂線、只見線、播但線雪のC57三重連、舞鶴線白鳥峠など、根釧原野のC58など、雪が作り出した檜舞台での名シーンが誌面狭しと展開いたします。
▲堤防で囲まれた「輪中」が織り成す濃尾平野の風景。その雄大な風景の中を行くのは名古屋区のC55やC51たち。1950年代の貴重な記録である。(『国鉄時代』vol.12誌面より)

また、特集外でもC51・C55・D50などスポーク動輪機が行き交った昭和30年代の関西本線名古屋口の記録「濃尾平野の風景」、東海道本線伊吹山麓でのEF58急行「銀河」、吾妻線で最後の活躍をするEF12、国鉄末期の男鹿線 DD51+20系「おが」を始め、レイルファン秘蔵の写真で構成いたしました。

kokutetujidai12dvd.jpg特別付録DVDでは松浦線・越美北線のお召列車、八高線のD51、山陰本線保津峡のC57・D51、日豊本線立石峠のD60補機、北海道 私鉄・専用線の蒸気機関車の5本立て。八高線のD51を記録した「驀進」では、キャブ添乗など機関士である作者ならではの視点による緊迫感溢れる作品です。また北海道の私鉄・専用線の蒸気機関車では上芦別の9200や北炭真谷地の8100、美唄鉄道の4110などがカラー同時録音で甦ります。

今週末には全国書店でお求めいただけるはずです。ぜひ本誌ともどもお買い求めください。

なお、今回もこのブログをご覧いただいている皆さんにサンプル動画をご用意いたしました。上のDVDパッケージ画像(※Pケースは付録していません)をクリックすると再生が始まります。師走の慌しい中ではありますが、一息ついて『国鉄時代』であの時代への旅にお出掛けください。
※音声付きですので、クリックする前に周囲の環境にご配慮ください。なお、Macでは再生できない場合があります。

第11回:シーナリィへのあくなき拘り。

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▲かなり大掛かりなブースでサンプル展開をしていた“SYLVIA SDD”の展示から。植生を踏まえて再現された森は絶妙な雰囲気を醸し出している。'07.11.24

“Le Train”をはじめとした雑誌の誌面では見知っていましたが、会場で実物を目にして改めて感じたのが、彼の地のシーナリィへの拘りとあくなき探究心です。とにかくどのレイアウト、ジオラマもシーナリィは実に良くできており、カラーパウダーを撒いてライケン(!)を置いただけというようなものはまったく見かけません。

re10.3n.jpgアメリカのナローゲージ・コンベンションと比較して遥かにシンパシーを感じられるのは、ヨーロッパの植生の豊かさが日本と似ているからかもしれません。似ている…というよりもアメリカの方があまりにかけ離れているのですが、これは地質上の差だけに如何ともしがたいものがあります。余談ながら、かつてアメリカのレイアウトであまりに地面が赤茶けているので、これは作者の色彩感覚が疑われるなと思いつつモチーフとなった現地を訪れると、まさにレイアウトのとおり、日本人には信じられない色の地面に衝撃を受けた記憶があります。
▲城址をモチーフにしたサンプル。3.5㎜スケール(1/87)でこの臨場感は驚異的。'07.11.24
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▲紅葉や落ち葉の表現にも恐ろしいほどの拘りがみられる。もちろん落ち葉にいたるまで「作品」ではなく歴とした「製品」だ。'07.11.24

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▲バオバブの樹やパームツリーなど、およそ汎用性がなさそうな樹木までもがラインナップされている。右のビーチの情景も実際に目にすると水際の表現など秀逸。'07.11.24
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▲雪のマテリアルは今ひとつ。これだったら日本の方が優っているかも…。右は畑のサンプル。'07.11.24
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▲その畑のアップ。何の作物かはわからないが、日本的感覚だと茶畑にも見える。ここまでが“SYLVIA SDD”のブースから。'07.11.24

それだけに落葉樹あり、下草あり、花ありのヨーロッパのシーナリィは、日本のモデラーにとってもおおいに共感を呼ぶものです。今回のRAIL EXPOでも数多くのメーカー、ディストリビューターがシーナリィ関連用品のブースを構えていましたが、その中でも多くのサンプル品を展示して最も大規模だったのが地元フランスの“SYLVIA SDD”です。今日はこのシルビアさんのサンプルを中心に、彼の地のシーナリィ事情最前線をお目にかけましょう。

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▲エッチングから作り上げるトウモロコシやひまわりも市販されている。わが国にもレーザーカットのペーパー製品があるが、さすが“お家芸”だけあってこちらはエッチング製。'07.11.24
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▲エッチングを用いたシーナリィ用品は植物に限らない。ヨーロッパでは一般的な鋳鉄製の柵や門扉などもあらゆる種類が製品化されている。'07.11.24
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re10.10n.jpgどういった背景があるのかは寡聞にして存じませんが、フランスでは昔から両面抜きのエッチングが盛んで、数々の秀逸なエッチングキットがリリースされています。しかもそれは車輌模型の世界に限ったことと思いきや、なんとシーナリィ関連用品もエッチングが花ざかりです。トウモロコシやひまわりなどの植物から鉄柵や門扉、果ては建造物までがエッチングでコンプリートされているのには驚かされます。
▲各種柵の見本。言うなればRM MODELSが展開するハイパーパーツのフランス版。'07.11.24
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▲“小物”どころか建物や跨線橋までまるごとエッチング板にしてしまう思い切りには言葉がない。面積が巨大なだけにさぞや“歩留まり”も悪かろうと、いらぬ心配もしてしまう。'07.11.24

“緑豊かな山河”を自らのレイアウト上に再現したいという思いは彼の地も共通のようで、マテリアルもその技法も加速度的に進化しつつあります。先鋭的な舞台でもあるRAIL EXPOが、今後どんなシーナリィの世界を見せてくれるのか、目が離せません。

第10回:エスプリの玉手箱。

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▲老舗と思しきトレインショップのショーウインドウを覗く女子学生…店内には模型列車(1/220?)が走り回っている。'07.11.25
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これまでいくつかのエンスジァスチックなレイアウトをご紹介してまいりましたが、ここはエスプリの国フランス。当然ながら機知に富んだレイアウトやジオラマも多く、今日はその中のいくつかをご紹介してみることにいたしましょう。

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▲カウンターには“Le Train”誌や“Loco Revue”誌のポスターも貼られている(左)。右は作者のGuitardさん。店内の小物の製作は隣の奥様(?)が受け持ったとのこと。'07.11.25
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まずご紹介するのは地元から参加のGuitardさんの1/12「模型店」です。私が他所のレイアウトを見ていると、首から下げたプレスパスを見たGuitardさんがぜひウチのブースも見てくれと、なかば強引に腕を引っ張って連れていってくれました。

re9.4a.jpg1インチスケール(1/12)というビッグスケールで作り上げた「模型店」の店内には鉄道模型が走り回り、いかにもヨーロッパの街中で代々続いてきた老舗模型店を思わせる佇まいが秀逸です。このスケール、どちらかというとドールハウスそのもので、店内の調度品などの製作は奥様(?)が担当されたとのこと。白熱灯色の照明に照らし出された店内を覗いていると、思わず引き込まれるような温かみに溢れる逸品です。
▲サイドタンクをアクアリウムにしたタンクロコはGuitardさんの描く仮想市街のモニュメント。'07.11.25
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▲一見した限りではどういったシチュエーションなのかわかりづらいが、実は鉱山の地底で発見された鍾乳洞観光をモチーフとした小パイク。日本風に言えば○○マインランドといったところか。'07.11.25

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▲フィギュアで再現された原始人の生活を観光客が興味深げに見入っている横を観光用トロッコがゆく(左)。右はその外観。小さなキュービック状の箱である。'07.11.25
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続いてご紹介するのは“Christian Pycke”(フランス)による“Blue Salmon Creek's Quarries & Mining Co.”(On30)です。名称からして鉱山軌道のレイアウトかと思いきや、その正体は鉱山の坑道で発見された鍾乳洞を観光施設にしたという設定。見学用トロッコ列車が走り回る、いわば鉱山観光レイアウトです。無数に垂れ下がった鍾乳石や、原始人の生活を再現したと思われるフィギュア類などが愉快です。

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▲レーマンのフリクション・トイを動力化した地元フランスGNOMYのレイアウト。あくまでレーマンに拘りながらもセンス良いモディファイがなされている。'07.11.25
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最後はセンスの良さが光っていたレーマン改造のOeレイアウト、“GNOMY”(フランス)による“Re´seau utilisant uniquement du mate´riel base´ sur les Gnomy de LGB.”です。わが国でも一時盛んに販売されていたレーマン(LGB)のフリクション・トイを動力化したもので、オリジナルの持つ優しさ、柔らかさを損なわずに可動とした点はお見事です。

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▲インクラインのケーブルカーもレーマン改造。トイ的アイテムを使いながらも本気度に目を見張る。右はそのバックヤード。'07.11.25
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▲Oe化された市電は前照灯と暖かい室内灯が印象的。バックヤードにはフィギュアを満載した漫画チックな編成の姿も…。'07.11.25
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このほかにも会場のそこここにウィットに富んだ車輌やジオラマが見受けられましたが、決して悪ふざけに陥っていない点はさすがで、私たちも心せねばならないところではないでしょうか。

第9回:バトルフィールドの600㎜。
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▲フロント(前線)への600㎜軌道はまさに“兵站線”。アメリカ鉄聯2-6-2サイドタンク機が牽く物資列車がキャンプに戻ってきた。'07.11.25
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しばらく中断しましたが、話をRAIL EXPOに戻しましょう。
会場のグランドームに展示された個性的なレイアウト群の中でも異彩を放っていたものに、イギリスのサークル“Greenwich & District Narrow Gauge”が持ち込んだ4㎜スケール(1/76)の“Willesden Junction War Department Light Railways”があります。

railexpo.603jpg.jpgバックヤードを除くディスプレー部分だけでも全長7.1mと巨大なこのセクション・レイアウト、第一次世界大戦時の600㎜(1"11 5/8")ゲージの野戦軌道をモチーフとしたものです。わが国でもドイツのプラクティスを用いた鉄道聯隊が独自の発展を遂げましたが、模型の世界となると車輌構造の特殊性もあってかほとんど製品化されることなく、かつて花園製作所が製造した「双合」が記憶に残る程度です。
▲“Brigadelok”(旅団機関車)の異名を持つドイツ鉄聯のDタンクの姿も。実際に西部戦線の軌道は敵軍機も取り込んで膨張していった。'07.11.25
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▲WILLESDEN JUNCTIONの庫で離合する2-6-2サイドタンク機たち。モデルそのものはメリディアン・モデルの4㎜スケール(1/76)キットと思われる。'07.11.25
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それに比してイギリス、フランス(それにオーストラリア)のナローゲージ・モデリングの世界では、600㎜ゲージの軍用鉄道は根強い人気があり、各種スケールでさまざまな車輌が製品化されています。実際今回のRAIL EXPO会場でもかなりの数の製品、作品を目にすることができました。

railexpo.604jpg.jpg第一次世界大戦の戦況に詳しくない多くの日本人にとっては、彼らがなにゆえ今さらながらに興味を持つのかいぶかしく思いがちです。同大戦最大のバトルフィールド(戦場)となったフランス北東部のいわゆる「西部戦線」では、広大な農村・農地でとめどない塹壕戦が繰り広げられ、その兵站線として重要な役割を担ったのが600㎜ゲージの野戦軌道でした。ドイツ軍と対峙するフランス軍、イギリス軍(本国イギリスのほかカナダ、オーストラリア)、さらには遅れてアメリカ軍のいわば各国鉄道聯隊がこの西部戦線に車輌を送り込み、600㎜の軌道網は信じられないほどの拡大を見せたのです。
▲WILLESDEN JUNCTION全景。7つのモジュールからなる全長は7.1m、幅は61?91.5㎝。'07.11.25
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▲Greenwich & District Narrow Gaugeではそのバックボーンやヒストリーの展示・解説にも力を入れている。ちなみにバックヤードもかなりの規模で、手を触れることなく編成替え等も可能。'07.11.25
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もちろんドイツ鉄道聯隊も大量の機関車等を投入し、西部戦線で向き合う両陣営は、それぞれの600㎜軌道を奪い合いながらの戦闘を続けます。ですから連合軍側が捕獲したドイツ鉄聯機をそのまま自軍機として使用する状況も散見され、純粋に趣味的見地からすれば、過去に例のない600㎜ゲージ車輌の大集合が実現したこととなります。

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▲衛生車を牽く甲虫のような異様な機関車はシンプレックス・プロテクテッド・バージョン。イギリス軍の野戦用内燃機関車で、西部戦線には200輌以上が投入されたとされる。'07.11.25
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▲大規模なウァイ(WYE=デルタ線)はいかにもアメリカ鉄聯らしいミルキーウェイ・ジャンクションという名称(左)。バトルフィールド(戦場)だけに被弾した戦車の残骸も…(右)。'07.11.25
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▲留置されているのはイギリス鉄聯のクラス“D”と呼ばれる10t積無蓋車。なぜか三脚を構えるカメラマンの姿が(左)。右はWILLESDEN JUNCTIONに立ち並ぶ軍用倉庫群。'07.11.25
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そんな背景もあってか、とにかく彼の地のナローゲージャーにとって600㎜の軍用軌道は一大勢力分野を築いています。この“Willesden Junction War Department Light Railways”でも、アメリカ軍が大量に持ち込んだ1C1サイドタンク機(ボールドウィン、バルカン、アルコなどで短期間に大量生産された)や、英国のシンプレックス、さらにはドイツ鉄聯のDタンクなどが縦横無尽に走り回っており、ほかではありえない状況にこのジャンルの人気の源泉を垣間見た思いでした。

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▲この写真展も展示作品すべてがメンバーの手によってプリンター出力されたもの。写真は志水 茂さんの出展作品から。'07.12.14

東京・新宿のギャルリー トラン・デュ・モンドで開催中の第1回鉄人会写真展「線路はつづくよ…」を拝見しました。「鉄人会」とは聞き慣れない名称ですが、趣味の大先輩・宮澤孝一さんを核に、写真コンテストで上位入賞された方々などが自然発生的に集った会で、すでに10年の歴史を刻んでいるそうです。

IMGP5322a.jpg うかがったところでは、年に3~4回の会合や、毎年年末に行ってきた撮影行などの中で、ぜひ一度独自の写真展をと機運が高まり、今回の開催となったのだそうですが、いざ写真展を開催するとなると、それなりのサークル名が不可欠。結果、この写真展を前に生み出されたのが「鉄人会」という名称だったのだそうです。現在のメンバーは石澤潤一さん、志水 茂さん、西山明徳さん、長谷川博美さん、馬場典明さん、松村 寛さん、宮澤孝一さん、本村忠之さん(五十音順)の8名で、最年長の宮澤さんを筆頭に、年齢構成も70代から30代まで他に例のないほど幅広いのが特徴です。
▲抜けるような青空とDD53のコントラストが印象的なポストカード。'07.12.14

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▲北海道を中心に作品展開する松村 寛さんのコーナー。ちなみに会場のギャルリー トラン・デュ・モンド(Trains du Monde )は、その名称からもおわかりのように『魅惑の世界鉄道紀行』の著者でもある三浦幹男さんが主宰するギャラリー。鉄道関連の展覧会には絶好の会場だ。'07.12.14

IMGP5289a.jpgもちろん発端がコンテストの審査員と入賞者という関係だけに、宮澤孝一さんの影響力が小さかろうはずはありません。その宮澤さん、鉄道写真を撮りはじめてからついに60年の歳月が経つそうです。それだけでも驚きですが、今もって変わらぬ情熱であらゆる被写体を撮り続けておられるのには頭が下がります。今回の写真展では近作の磐越西線や大糸線などのほか、“原点”のひとつともお聞きしている頸城鉄道の戦後直後の写真など、60年のアーカイブの一部も展示されており、まさに眼福です。
▲鉄道にカメラを向けて60年という大ベテラン・宮澤孝一さんの出展作品から。戦後直後に撮影された“現役”の頸城鉄道コッペルは驚き。'07.12.14

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▲長谷川博美さんの作品から。「ほのぼの鉄・楽しく鉄」をテーマにした作品を展示。地元群馬を中心として撮影された自然態の写真の数々だ。'07.12.14

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▲只見線を撮り込んで組写真を作り上げたのは西山明徳さん。鉄道情景を楽しむのを原点として撮影に向き合っているという。'07.12.14

IMGP5314a.jpgグループ展とはいうものの、それぞれの個性を尊重して展示方法もまちまちです。1作品ごとに詳細な解説を添付している方もおられれば、あえて文字情報なしで、まずは写真そのものを見ていただこうとキャプションを一箇所に集約している方もおられます。ただ、いずれのコーナーにも撮影地点を日本地図上にプロットしたマップが添えられており、それほど鉄道路線図に詳しくない一般来場者にとってはありがたい配慮でしょう。
▲それぞれのプロフィール・シートには、初めて撮った鉄道写真など“原点”がさりげなく添えれているのが印象的。'07.12.14

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▲鉄法など中国現役蒸機にテーマを絞っての展示は馬場典明さん。光と影を印象的にまとめた作品が多い。'07.12.14

IMGP5311a.jpg展示作品は約130枚。すべてメンバーが自らプリンター出力したものだそうです。会期は来週19日(水曜日)まで(11:00~18:30/最終日は16:00閉場)。場所は下図のように西武新宿駅北口正面とたいへん交通至便なロケーションです。新宿では折りしも一昨日ご紹介した中井精也さんの写真展「1日1鉄!」も開催中(17日まで)です。ぜひ両写真展に足を向けてみてはいかがでしょうか。
▲「鉄人会」のプロフィール。一年に一度の忘年会を兼ねた撮影行は10年目を迎えるという。'07.12.14
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ギャルリー トラン・デュ・モンド(入場無料)
東京都新宿区歌舞伎町2-46-5
KM新宿ビル9階

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▲ご投稿いただいた写真で日本全国の駅を埋めてゆこうという壮大なプロジェクトが「ホビダス・ステーション」。ご覧のようにすでに着々とエントリーが進んでいる。
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お楽しみいただいている「鉄道ホビダス」(“鉄ボビ”)の目玉のひとつ、「ホビダス・ステーション」はもうお試しになられましたでしょうか。この「ホビダス・ステーション」は、皆さんのお撮りになった写真で日本全国の駅を埋めてゆこうという壮大なプロジェクトで、すでに続々と写真が寄せられつつあります。

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▲簡単に手順をご説明すると、まずは「鉄ホビ」のトップ画面(左)からホビダス・ステーションをクリック、ホビダス・ステーション自体のトップページ(右)に進む。
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今日はぜひともこの「ホビダス・ステーション」の面白さを体感いただきたく、各ステップ画面にリンクを張って直接実画面に飛べるようにいたしましたので、まずはトップ画面からクリックしてお試しいただければと思います。

hobidasstn4nn.jpg実はこの「ホビダス・ステーション」、かれこれ一年以上前から構想があったものの、システムが極めて複雑で、ベータ版を製作して社内で運用を確認しつつ、今般ようやく公開に漕ぎ着けた苦心の作です。それだけに縦横無尽の使い勝手は従来類例のないもので、地図から航空写真、さらにはそれぞれの縮小拡大など、一度見始めたら止まらないほどの面白さです。
▲日本地図から地域を選ぶとその地域の全体図(上)に飛ぶ。風船のようなアイコンが付いている駅がすでにエントリーされている駅。
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▲さらにアイコンをクリックすると当該駅の画像入り詳細ページに飛ぶ。駅写真入りのこのページを下にスクロールしてゆくとエリア地図(右)が見られる。
クリックすると実画面にジャンプします。

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▲さらにエリア地図内右上のアイコンをクリックするとグーグルの航空写真をダウンロードすることが可能。もちろん拡大・縮小なども自由自在。
クリックすると実画面にジャンプします。

この「ホビダス・ステーション」、ふだん通学・通勤で利用する駅から、旅行途中に見かけた気になる駅までどんどんご投稿いただき(基本的に1駅1枚先着順)、いずれは日本全国のJR・民鉄駅すべてを網羅する巨大データベースとしてゆくつもりです。また、近い将来、現在500箇所を超えて一大データベースとなりつつある「お立ち台通信」もこの「ホビダス・ステーション」にリンク、駅のみならず、駅間の撮影地までもが地図・航空写真を伴って検索できるようにする目論見です。どうかこの「ホビダス・ステーション」の進化発展にご注目ください。

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▲中地下1階に移りすっかり新しくなったペンタックスフォーラム。会場内ではSKY PerfecTVで放映中の「旅写真・憧れの蒸気機関車を撮る」(中井精也さんと女優・天正 彩さんによる磐越西線撮影行)が上映されている。'07.12.12

「鉄道写真家たるもの、毎日電車の写真を撮るのぢゃ?!」と、自らのブログ「1日1鉄!(いちにちいちてつ)」で一年365日の鉄道写真撮影に挑戦中の中井精也さんの写真展、その名も「1日1鉄!」が東京・新宿のペンタックスフォーラムで開催中です。

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▲左は'05年11月撮影の小海線。一番印象に残った一枚だが、ご本人にとってもお気に入りのカットとのこと。右は'04年6月撮影の都電荒川線。コメントの「通勤電車とローカル線の違いって、走る場所や車両じゃなく、鉄道と人の距離感なのかもしれないね。」とは言いえて妙。'07.12.12
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IMGP5246na.jpg鉄道写真ライブラリー「レイルマンフォトオフィス」を主宰する中井精也さんは現在40歳。日本鉄道写真作家協会(JRPS)の事務局長も務められるわが国鉄道写真界の中核のお一人です。3年ほど前にペンタックス*istDと出合ったのをきっかけに、冒頭のキャッチフレーズのごとく、鉄道写真家たるもの毎日鉄道写真を撮り続けてみようと前人未到の記録に挑戦中です。
▲新進気鋭…はとっくに超えて、今や大ベテランの域に達しつつある中井精也さん。今回の展示作品の中でもご本人が一番気に入っているという作品の前でポーズをとってもらった。'07.12.12
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▲都会のさりげない日常を捉えたカットも目をひく。「セーヌ川に架かる橋を渡ればルーブル美術館も近い…なんてウソです」と、ウィットに富んだコメントが付けられた右の作品は御茶ノ水でのひとコマ。'07.12.12
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今回の写真展はこの毎日撮り続ける挑戦の、いわば途中の成果をまとめたもの。取材での遠征あり、プライベートでの撮影行あり、はたまたお子さんとのひと時でのショットありと、展示作品は実にバリエーション豊かです。逆に言えば、じっくり腰を据えての撮影から、インスピレーションのおもむくままにシャッターを切ったスナップまで、一見ばらばらのようにも見えますが、ひとつひとつの作品に添えられた味わい深いコメントを読みながら会場を一巡すると、すべての作品に共通する何かがはっきりと見えてきます。

IMGP5252na.jpgそう、中井さんの作品には「鉄道が好きだ!」という思いが底流のごとく流れているのです。今回の展示作品の中で一番のお気に入りという茨城交通のシャドーを縦位置で狙った作品にしても、その影が描くシェイプがキハ20そのものであるのをいかにも嬉しそうに語っておられました。とかく表層的な視点からたまたま被写体に鉄道を選んだだけと思しき写真が巷間に溢れるなか、なんとも気持ちの良い作品の数々です。
▲意図的にホワイトバランスをいじったり、はたまたストロボを使ってみたりと中井さんの作風は自由闊達。この作品はフィッシュアイ・レンズ付きのカメラを列車の動きに合わせて回転させ、さらに空に向かってストロボを発光させている。'07.12.12
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展示作品はA2サイズ13枚、A3ノビ38枚の合計51枚。すべて中井さん自らプリンターで出力したものだそうで、その完成度の高さも大いに参考になるでしょう。こういったメーカー・ギャラリーでの展示でさえ、写真家自らがプリンター出力でフィニッシュできる、そんな時代となったのです。

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この中井精也さんの写真展「1日1鉄!(いちにちいちてつ)」は来週月曜日(12月17日)までの開催。15日(土曜日)にはトークショー(会費制・要予約)も開催される予定だそうです。もちろん、ご本人も会期中はほぼ終日会場におられるときいています。

第8回:「鉄道ホビダス」オープン記念! お土産品をお分けします。(3/3)

その5:Smoky Bottom Lumber CO. 3/8inスケール“Hudson Paraffin Rail Tractor”
レジン製ボディキット(製作記事掲載誌付き)
価格6,600円(個数:2セット)
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▲オーナー、リチャードさん自らが組み上げた完成見本。なんともフリーランスのような形態だが、もちろんプロトタイプありのスケールモデルである。なお、この作例ではボンネット・サイドカバーが開いてエンジンが見えているが、キットにはエンジンは含まれていない。

次にご紹介するのは、近年精力的にレジンキットをリリースしているフランスのキットメーカーSmoky Bottom Lumber CO. の3/8inスケール(1/32)小型内燃機関車ボディーキットです。オーナーのリチャードさんをして“Chunky”(ずんぐり)と形容させるこの機関車、とてもスケールモデルには見えませんが、これでもフリーランスではなく歴としたプロトタイプがあります。

IMGP4946nn.jpg現車は1930年代に英国のRobert Hudson Ltd(ハドソン)がフォードソンのパワーユニットを使って“Paraffin Rail Tractor”の商品名で量産したものです。現在でもロンドン近郊のAmberley Working Museumにプロトタイプ(1932年製4t/製番45913)が保存されています。実はかつてこのアンバレー・ミュージアムを訪れた際、何の予備知識もなくバックヤードに“放置”されている荒廃した姿を発見、えらく衝撃を受けた記憶があります。どうやらリチャードさんもこのアンバレーの保存車にインスパイアされて模型化したようです。
▲絶妙なピーリング処理がなされた完成見本。キャブ屋根のステーは運搬途中に壊れて応急的に処置してあるので、その旨必ず申し添えてほしいとリチャードさん。
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IMGP5235nn.jpgキット内容は、屋根とボンネットがエッチング、エキゾーストパイプが丸管な以外はすべてレジン。パワートレーンはバックマンの2軸DL(On30/品番25861?25863など)を流用することが推奨されています。軸距は実測では22.5㎜ですので、残念ながらぴったり合致するパワートラックはなく、パワートレーンだけのためにバックマンを購入するか、はたまた自作するかは悩ましいところかも知れません。
▲そのパッケージは意外なほどに小さい。バックに見えるのが製作記事を特集した“VOIE LIBRE”最新号。

IMGP5232nn.jpgこのキットもインストラクション・シートがありませんが、代わりに7ページにわたって詳細な製作記事と実物写真を掲載した“VOIE LIBRE”(直訳すると自由軌道?)11月号(最新号)をお付けしましょう。この“VOIE LIBRE”誌は“Loco Revue”誌を発行しているLR PRESS社が立ち上げた、ナロー主体の恐ろしいほどマニアックな模型誌で、このハドソンの製作記事のみならず、ナローゲージモデラーにとっては一度目を通しておいて損はない(ただし全てフランス語)内容です。
▲“VOIE LIBRE”最新号表紙。なんとも強烈な個性の模型誌で、フェルトバーンなどの実物記事も積極的に採り上げている。

◎難易度:★★☆☆☆:マテリアルがレジンだけにやる気になれば土曜の夜だけでも組み上げられそう。ただし、走り装置をどうするか、さらには“VOIE LIBRE”の記事のような凝ったウェザリングまで考慮すると、それなりの時間楽しめるはず。

その5:Binnie Engineering 16㎜スケール “Hudson Tipper Wagon”(3輌一括)
ABS製キット(3輌一括)
価格:7,400円(個数:1セット限り)
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▲ラスティーなウェザリングを施されてディストリビューター“ATELIER”のブースに展示されていた完成見本。ショーケース奥に固定されていたものをわざわざ引っ張り出して撮影させていただいた。写真右の手前に見える未塗りが45㎜ゲージの完成見本。
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最後にご紹介するのはBinnie Engineering製のナベトロです。16㎜スケール(1/19)とわが国ではあまり馴染みのない縮尺ですが、実物もさまざまな容積のバージョンが存在したことを考えると、Gスケールあたりに流用しても決して不自然ではなさそうです。

IMGP5241nn.jpg製品には45㎜ゲージバージョンと32㎜ゲージバージョンの2種類がありますが、今回お分けするのは45㎜ゲージバージョン。ある程度輌数がほしいアイテムだけにそれなりの数を購入しようと思ったのですが、ディストリビューター“ATELIER”さんのブースにあったのは何とこの3輌のみ。というわけで、1輌15ユーロ(2,475円)のものを3輌セットにしてのエントリーです。マテリアルはABS、プロトタイプはこれまたハドソン製です。
▲そのパッケージはPP袋をホチキス止めしただけの簡単なもの。
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◎難易度:★☆☆☆☆:組み立てるだけならほとんどトイ感覚。ビッグスケールだけに質感表現などフィニッシュに拘りたいもの。

ご紹介した6種類の品物の“鉄ホビダイレクト”でのご購入方法。
※品物はいずれも1?2個しかございません。希望者複数の場合は抽選とさせていただきますので、あらかじめご了承ください。また、品物の性格上、ご購入後の返品等には応じられませんので、あしからずご了解ください。
1:12月16日までが受付期間となっており、希望者多数の場合は17日に抽選のうえ、当選された方にはメールでお知らせいたします。
2:まず下記リンクにアクセスして品物をよくご確認ください。
  「鉄ホビ・ダイレクト」RAIL EXPO関連商品  
3:ご希望品の「カートにいれる」をクリックしてください。
4:「このショップのレジへ進む」をクリックしてください。
5:ご購入者情報欄の必須項目を書き込んでください。

※銀行振り込みをご希望の場合でも、当方から当選通知をお送りするまでは決して代金を振り込まないでください。
6:「ご注文内容を確認する」をクリックしてください。
7:送料等をご確認のうえ「注文する」をクリックしてください。
8:エントリー完了です。「受付番号」を必ず控えておいてください。17日以降、当選され方にはメールでお知らせいたします。

第7回:「鉄道ホビダス」オープン記念! お土産品をお分けします。(2/3)

その2:Wrightlines 7㎜スケール“Bagnal 7"×12" 0-4-0ST”
コンプリートキット
価格:27,000円(個数:1個限り)
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▲ディストリビューター“KeyKits”のブースに展示されたバグナル完成見本。従来供給されていた上回りがホワイトメタル製のものと比べると格段に完成度を高めている。

次にご紹介するのはイギリスのWrightlinesの7㎜スケール“Bagnal 7"×12" 0-4-0ST”キットです。7㎜スケール、つまり1/43.5(304.8÷7≒43.5)のナローは英国ではかなり一般的で、なおかつこのバグナル製サドルタンク(ST)機は、アメリカのナローシーンに於けるポーターサドルのように象徴的、ペット的存在として親しまれています。

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▲そのバックビュー。同系機“ディビッド”が現在でもインドの炭礦で働いており、このブログでご紹介したこともある。右はキットのパッケージ。小さい方がパワーユニット。
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メーカーのライトラインはこれまでにもホワイトメタル製ボディーの同形機をラインナップ(製品番号W250)していましたが、この製品(製品番号W251)はキャブやサドルタンクなどの上回りをブラス(エッチング)に、台枠を洋白部材に変更してより精密度を高めたものです。オリジナル設計はイギリスのインダストリアル・ナローの世界ではカリスマ的存在のロイ・C・リンクさん。ピラーキャブ(Pillar Cab)と通称される掘っ立て小屋風のキャブが特徴です。ホワイトメタル製の前製品から比べると価格も1.6倍ほどに跳ね上がってはいますが、工作派のモデラーにとっては作り込み甲斐のある嬉しいマテリアルの変更です。

IMGP4517nn.jpg今回はディストリビューターのKeyKitsさんのブースで、パワーユニットを含むコンプリートキット(製品番号W251C)として1セットを揃えました。ゲージは7㎜スケールのインダストリアル・ナローとしては一般的な14㎜(2'0")のほか、16.5㎜にも変更可能で、今回ご紹介する品々の中ではもっとも“汎用性”の高いアイテムといえるでしょうか…。
▲忙しく来客に応対する“KeyKits”オーナー経営者のKey Butlerさん。日本のナローゲージャーの皆さんによろしく…とのこと。
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ところで、このボア×ストローク7×12インチのシリンダーを持つバグナル製サドルタンクは、もう一回り小型の6×9インチシリンダーの同系機とともに、第一次世界大戦時に英国軍需省が大量発注したモデルで、前者は1891?1937年にかけて、後者は1895?1953年にかけて延々と造り続けられてきました。軌間も1'6"?4'0"と多彩です。本製品のプロトタイプは1904?1917年に製造されたグループで、現在でも英国内の保存鉄道に同形機が数多く残されています。もちろん海外に散った仲間も多く、民需用同形機の中には現在でもインド・アッサム州の炭礦で働いている“デイビッド”もいます。

◎難易度:★★★☆☆:蒸機もののブラスキットをいくつか組み上げた経験者であれば、基本的にはそれほど難しくはないと思われます。ただしゲージに合わせて車軸を詰める必要があり、その点は手こずるかも知れません。ちなみに14㎜ゲージの場合のバックゲージは12.40?12.50㎜となります。英文ながら図解入りの丁寧なインストラクション・シートも入っています。

その3:RPI 7㎜スケール“Baladeuse Decauville a bogies”
エッチングキット(※インストラクション・シートなし)
価格:15,600円(個数:1個限り)
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続いてご紹介するのはご当地のガレージキットメーカー“RPI”の7㎜スケール“Baladeuse Decauville a bogies”です。直訳すれば“散歩用のドコービル製ボギー”となりますが、正直なところこの車輌の正確な正体はわかりません。ドコービル社は市街軌道用のスチーム・トラムや客車も数多く送り出してきており、この車輌もそのひとつと思われます。ただ、ブースでは「昔はバッテリーで自走していた」というような説明(もちろん想像ですが…)を受けましたが、聴き間違えなのかを含め真偽のほどはわかりません。いずれにせよ、スケルトン構造ながら細かく装飾を施したデザインは最盛期のドコービルならではでしょう。
▲相変わらず神経衰弱のごときエッチング細工を見せてくれるRPIの完成見本。プロトタイプはいかにもドコービルらしいセンスのボギー客車だ。

製品設計はかつてデュトン・プロダクションを主宰し、蒸機を含む数々のドコービル製車輌をエッチングキットとして送り出してきたレイモンド・デュトンさん。十数年前の『RM MODELS』でも、デュトンさんプロデュースのエッチング板の尋常ならざる精密さをご紹介したことがありますが、この製品もまるで神経衰弱のごとき“エッチング細工”です。同梱されている屋根と輪軸以外は、台車にいたるまですべてエッチング板を曲げて成形してゆくにも関わらず、なんとインストラクション・シートは付いていません。エッチング板とにらめっこしながら自分の頭で考えろ…ということでしょうか。

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▲塗装済み完成見本(左)とそのパッケージ。台車までエッチング細工で組み立てるにも関わらず、インストラクション・シートは一切入っていないのが驚異!
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さすがにパッケージのコピー写真だけではあまりに手掛かりがなさすぎますので、今回はブースで撮影させていただいた完成サンプルの写真5枚ほどをA4判(普通紙)にプリントアウトし、さらにその画像CDもお付けしましょう。ただし、このアイテムばかりはあくまで「自己責任」でお求めください。

◎難易度:★★★★★:後期の鉄道模型社のエッチング板でさえ楽々と組める…そんな方むけ。はっきり言って難解なパズルです。

その4:復刻版Decauvilleカタログ(1905年版)
価格:3,200円(個数:1冊限り)
IMGP5230nn.jpgうってかわって書籍を一冊ご紹介しましょう。フランスの誇る…というよりインダストリアル・ナローを世界中に普及させたドコービル社の復刻版製品カタログです。原本の発行は1905(明治38)年。“Decauville Portable Railway Illustrated Catalogue No.105”のタイトルがあり、英国の代理店“Alexander von Glehn & Co.,”が配布したものです。A4変形72ページに“Portable Railway”の所以たる軌匡から、分岐器、転車台などの軌道関係用品、機関車を含む各種車輌などが豊富に掲載されています。
▲1905(明治38)年、創業から30年近くを経て主だった製品ラインナップが揃った時代のカタログ復刻版。まだ馬車軌道用の馬具なども収録されている。
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IMGP5231nn.jpg掲載図版は写真もありますが、多くは写真版が発達する以前の銅版画によるものです。“Off ?Railer”と名づけられた移設式簡易転線器や、簡易橋梁“Portable Bridges”など、システマチックにラインナップを拡大していった当時のドコービルの世界がうかがい知れる内容です。数年前にわずかながら日本国内にも入ってきた本書ですが、現在は入手困難のはず。モデラーのみならず、ナローゲージャー必携の一冊です。
▲かつてデュトン・プロダクションが製品化した“タイプ69”をはじめ、わが国に輸入された3t蒸機のプロトタイプなども収録されている。
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※“鉄ホビダイレクト”でのご購入方法は明日のこのブログにてご案内申し上げますが、希望者複数の場合は抽選とさせていただきますので、あらかじめご了承ください。また、品物の性格上、ご購入後の返品等には応じられませんので、あしからずご了解ください。

本日、新たな鉄道趣味ポータルサイト「鉄道ホビダス」(“鉄ホビ”)がスタートを切りました。お楽しみいただいているこの「編集長敬白」はもとより、ニュース、インフォメーションなど最新情報から投稿型の新ブログまで、ありとあらゆる鉄道関連コンテンツが一堂に会した“鉄ホビ”にご注目ください。
なお、「鉄道ホビダス」スタートに伴い、この「編集長敬白」のアドレスも変更となります。一定期間は旧アドレスから自動で新しいアドレスへとジャンプいたしますが、ブックマークにご登録いただいている方は、この機会に下記アドレスへのご変更をお願い致します。
「編集長敬白」新アドレス:http://rail.hobidas.com/blog/natori09/

第6回:「鉄道ホビダス」オープン記念! お土産品をお分けします。(1/3)
for the discriminating modeler
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▲総合受付カウンターにディスプレーされた第1回RAIL EXPO記念Ⅱe“Locotrasteur Deutz PME117”。ご覧のように現品は200ユーロなので、200×165円(当日の為替レート)で33,000円也。それにしても箱がやたらと大きい。

その1:オーガナイザー“Traverses des Secondaires ”特製 第1回RAIL EXPO記念Ⅱe“Locotracteur Deutz PME117”
価格:33,000円(個数:1個限り)
さて、“鉄ホビ”スタートを記念して、今日から“RAIL EXPO”会場で買い求めてきたお土産品(?)6種を、ホビダスダイレクトでお分けしたいと思います。いかんせん遅い「夏休み」の個人的趣味での会場めぐりゆえ、手に入れてきたものもすべてひと癖もふた癖もあるものばかりなのはお許しください。ただ、基本的にインターネットでの個人輸入が難しい品々をチョイスいたしました。もちろん価格は現地購入価格に当日の為替レート(1ユーロ=165円)を掛けて端数を切り捨てたもの。つまりは私がトランクに入れて運んできたのはすべてサービスという設定です。会場限定品もあり、そのテのお好きな方にはなかなかの逸品かと存じます。
※なお、ホビダスダイレクトでの購入方法は明後日のこのブログにてご案内申し上げますが、応募者複数の場合は抽選とさせていただきますので、あらかじめご了承ください。また、品物の性格上、ご購入後の返品等には応じられませんので、あしからずご了解ください。

IMGP5229nn.jpg最初のエントリーは今回の第1回“RAIL EXPO”を主催したオーガナイザー“Traverses des Secondaires ”特製のⅡe“Locotracteur Deutz PME117”。1/22.5(32㎜ゲージ)のフェルトバーン用小型機で、製品はホワイトメタル(融点350℃)+エッチング製の上回りに、ブラス製の下回り走り装置を組み合わせたもので未塗装完成状態(手すり、ライト、ラッパ類のみ未装着)です。
▲かなりトイ的にモディファイされてはいるものの、1/22.5とあってその大きさと重量感はなかなかのもの。“鷲掴み”できる模型の妙味。
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pme117n11.jpgモーターは最大電圧24Vの缶型で、出力軸には彼の地で良く見られる糸車のごとく大きいウォームが取り付けられています。モジュールは0.50、最終減速比は1:40だそうで、会場内のデモ走行を見る限りはすこぶる快調に走っていました。
▲動輪径は16㎜。極端に大きいウォームはフランス流。
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▲カウンター上では運材列車を牽いたサンプル機が快調に走っていた。右のブレているのがライトや手すりを取り付けた完成状態。

IMGP4649nn.jpgプロトタイプは戦前のドイッツ(Deutz)製ディーゼル機関車で、2サイクル単気筒エンジンを備えた超小型機。同じPME117形機関搭載機でもロッド駆動のものが知られていますが、製品化されたのはチェーン駆動バージョン。Ⅱeというわが国ではあまり馴染みのないスケールとゲージですが、卓上の“癒し”として楽しむのも一興かと思います。
▲かわいらしいバックビュー。上回りはホワイトメタル主体で、巻き上げられたキャブのカーテンまでホワイトメタル製。
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ところでこのプロトタイプ、“Les Grandes Gueules”(直訳すると大きな口?)という映画に出てきて、彼の地のナローゲージャーにとってはたいへん有名な存在なのだそうです。応対してくれた事務局の人は、箱詰めする手を止めて「何だ知らないのか」とばかり、私の手帳に映画名と主演しているリノバンチュラの名前を書き、得意げに何か語っておりました。帰国してからネットで調べたところではこの“Les Grandes Gueules”という映画、1966(昭和41)年秋に封切られたもので、どうやら製材所を巡るフレンチ・ウェスタン(?)のようです。いったいどんなシチュエーションでこのPME117が登場するのか、機会があれば一度ぜひ見てみたいものです。

■来週月曜日、「鉄道ホビダス」がスタートします!
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※画面は開発中のものです。

2005年春にスタートした趣味の総合サイト「ホビダス」。クルマ、バイク、おもちゃ、そして鉄道と、趣味の総合出版社ネコ・パブリッシングがお届けする趣味サイトならではのコンテンツは大きな反響を呼び、サイト全体では毎月680万人以上の訪問者、5800万以上のページビューを頂戴するまでに成長することができました。そして来週月曜日(12月10日)、鉄道関連コンテンツを集約し、さらに新コンテンツを盛り込んだ「鉄道ホビダス」(“鉄ホビ”)がスタートします。実物情報と模型情報が一堂に会し、「知る」「見る」「手に入れる」…鉄道趣味に関するさまざまなニーズをサポートする総合ポータルサイト「鉄道ホビダス」にご期待ください。

※お楽しみいただいているこの「編集長敬白」は、「鉄道ホビダス」スタートにともなうシステム変更のため12月10日朝まで更新を停止させていただきます。なお、12月10日のオープンに際しては、これを記念して現在連載中の“RAIL EXPO”で入手したいくつかの模型(…内容は当日のお楽しみ…)をホビダス上でお分けする予定です。どうかこちらもご期待ください。

サイト更新停止の概要
■事由:「鉄道ホビダス」への移行作業
■停止期間:12月6日(木)午前9時?12月10日(月)午前0時

第5回:オランダからやってきた秀作。
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▲1/87スケールながら目が点になるような様々なギミックが仕込まれた“Damen”のドイツの支線をモチーフとした集合式レイアウト。遠隔操作でホッパーのシュートが開き砕石が滑り落ちてくる。'07.11.24
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それではいよいよ“RAIL EXPO”にエントリーされたレイアウトの中から、琴線に触れたいくつかをピックアップしてご紹介してみることにしましょう。なお、コンパクトデジカメでのつたない写真ではありますが、今回はぜひポップアップ画像で拡大してご覧になることをお薦めします。

railexpo.52jpg.jpgまずご紹介するのがオランダからやってきた“Damen”のクラブレイアウト。HOのメインライン(マイニング)を基軸に、インダストリアル・ナロー(森林軌道=HOe)を巧みに組み合わせた分割式で、正確な全長は聞きそびれましたが10m近くはあるでしょうか。運転はDCC(デジタル・コマンド・コントロール)の始祖でもあるドイツLenz(レンツ)社のDigital plusによるもので、ほど良い目線高さに設置されたレイアウト上を、HOとHOeのさまざまな列車がすこぶる快調に走っていました。
▲1車分ずつ前進する機関車。そして1車分ずつ積み込まれてゆく砕石…思わず見とれてしまう。'07.11.24
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▲メインラインはドイツの鉱山の支線をモチーフとしたスタンダードのHOながら、それにHOeの森林鉄道が絡んでくる複雑なレイアウトデザイン。各種インダストリアル・イクイップメントの完成度の高さもさることながら、植栽をはじめとしたシーナリィもお見事。'07.11.24
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▲本線の煉瓦橋と踏切部。バックの針葉樹林から川へと続く植生の変化が素晴らしい。さりげない踏切も実に実感的。'07.11.24
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railexpo.56jpg.jpgこのレイアウトの見所はなんと言ってもそのストラクチャー、とりわけインダストリアル・イクイップメント類にあります。なかでも驚かされたのが砕石ホッパーで、遠隔操作でホッパーのシュートが開き、実物さながらに砕石がホッパー車へと積み込まれてゆきます。お話ではホッパービン内部は二重構造になっていて、表面から見える砕石と実際に落ちてくる砕石は別だそうですが、いずれにせよ実にスムースにシュートされていました。
▲選別機だろうか、砕石プラントのタワーからは索道のバケットが伸びる。残念ながら確認できなかったが、どうもこのバケットも動きそう。'07.11.24
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▲こちらは製材所のパート。HOeの森林鉄道が入り込んでいる(左)。ヨーロッパだけあって木造建築物は少ないが、さすがに煉瓦をはじめコンクリートやモルタルの表現方法は秀逸(右)。'07.11.24
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▲ぜひ見てくださいとわざわざ屋根を外してくれた水車動力の鍛冶場。工場脇に林鉄の軌道が通っている。ほとんど目立たない奥まった位置にあるにも関わらずこの凝りよう。'07.11.24
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実は私はこのテのホッパービンは数年前にかなり大規模なものを製作したことがあり、やはり可動構造にできないものかと試行錯誤した記憶があります。その時の経験からすると、シュート部のシャッターを開けるのは容易いのですが、砕石が流れ落ちている最中にこれを閉めるのが至難の業で、よくぞこれほどスムースに作動するものだと感心することしきりでした。

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▲こちらの鉱石ホッパーも見事。食い入るように見つめていたら、実はこのシュートも可動するのさ…とばかり、端のシュートから次々と下げてくれた。'07.11.24
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railexpo.62jpg.jpgこのレイアウトでもうひとつ特筆すべきはそのシーナリィ表現の巧みさでしょう。いわゆる植生を踏まえて各種のマテリアルを使いわけ、素晴らしく自然な表現がなされています。これからご紹介する他のレイアウトも同様ですが、シーナリィの表現方法はワールドワイドに見ても、今やこの“RAIL EXPO”が一歩も二歩も先を行っているように見えます。かつてはアメリカのナローゲージ・コンベンションが、雑誌『ガゼット』とともにある種の頂点を築いていたことを思うと、時代の変化を思わずにはいられません。
ちなみに、会場内のブースで見かけたさまざまなシーナリィ用品に関しても、後日たっぷりとご紹介してゆきたいと思います。
▲この方がホッパーの作者さん。手で触っているのがシュートの操作部。'07.11.24
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第4回:会場に見る“お国柄”。
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▲「会場内でのご飲食は…」と思いきや、食べながら飲みながらのブース巡りもまったくOK。午前中はこのおじさんのようにカフェとクロワッサンを片手にした方もかなり見かけた。'07.11.24

国内ニュースで2日ほど中断しましたが、“RAIL EXPO”の旅を続けることにいたしましょう。
150ほどある展示ブースの中でも、個人的にこれはと思われるブースをじっくりと時間を掛けて見学することができましたが、そんなレイアウトやジオラマをお見せする前に、今日は会場で発見した“お国柄”の違いをいくつかご紹介してみたいと思います。

railexpo32.jpgまず驚いたのが、会場内の飲食が自由な点です。わが国のこういったモデル・エキジビションでは会場内飲食禁止は当たり前で、ギャラリーはもとより出店者も会場外に出て行かないと飲み物さえ飲めないのが常です。ところが、驚いたことに彼の地はまったくフリー。アメリカのナローゲージ・コンベンションではデンバーの巨大模型店カブース・ホビースが毎回行っているアメリカンコーヒー(ちなみに白湯のように薄い…)のフリードリンクサービスが有名ですが、この“RAIL EXPO”では会場内2箇所に軽食も用意されたドリンクコーナーがあり、ギャラリーはそこでパンやらドリンクやらを買い込んで、まるでプロムナードでも散策するかのようにブース巡りをしています。
▲それどころかこちらは会場内を練り歩くドリンクと軽食の販売ワゴン。売り子はもちろんパリジェンヌ。'07.11.24

そしてさらに驚いたことに、よくよく見るとドリンクコーナーにはビールや各種ワインのボトルも! “Le Train”のブースでいきなりシャンパンを振舞われて面くらったのは前回ご紹介しましたが、どうやらワイン片手に会場内を回るのもフランス流のようです。これまでにアメリカのナローゲージ・コンベンション、イギリスのエキスポ・ナローゲージと回ってきましたが、さすがにアルコールありの会場は今回のパリが初めてです。

railexpo33.jpgもうひとつ呆気にとられたのが“ワンちゃん”です。込み合った通路でブースをのぞいていると、足元で何やら生暖かいものがごそごそ…。びっくりして見るとミニチュアダックスではないですか。ずいぶん非常識な人がいるものだ、受付も何をやっているんだ…と日本的感覚で入場口の方を見ると、またしてもワン君のリードを引いたマダムが入ってきます。しかも受付のオフィシャルも制止するどころかあやすような仕草まで…。どうやら会場内にはワンちゃんの入場もOKなようです。
▲会場内を闊歩(?)するワンちゃん。日本ではとても考えられない光景。'07.11.24

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▲とにかく極端に専門化したブースが多い。左は「橋梁屋」さん、右は「隧道屋」さん。'07.11.24
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▲さらに驚く各種「電柱」の専門店(左)。もちろんアンチーク系のジャンクを持ち込んでいるブースも(右)。'07.11.24
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▲かなり工作系にシフトしたモデル・エキジビションだけに工具や部材も豊富。工作用拡大鏡をはじめ各種工具屋さんが並ぶ。'07.11.24
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▲さらに、内容はまったくわからないが、古色蒼然とした本を売るブースや、このように絵画のみを取り扱っている店も…。'07.11.24
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▲左はハンダや接着剤の専門店。ハンダ付けの実演や、何でもくっつくと鉄道とは関係なさそうな奇妙なディスプレーも(中)。右はあらゆる真鍮棒やパイプ類を取り揃えた素材屋さん。'07.11.24

railexpo45.jpg同じモデル・エキジビションとはいえ、国が違えばその運営方法も大きく異なり、会場内には“お国柄”がにじみ出ます。わが国の各種ショーが世界的にもっとも“整然”としているのは論を待たないところでしょうが、1789年以来の市民による自由をバックボーンとしているのか、このフランス“RAIL EXPO”会場で見た“自由さ”はちょっとした感動でもあり、また羨望でもありました。
▲とあるブースでなんと「ジオコレ」発見! 写真を撮っていたら店主が「ジャポン…#ж*ШЖ?」と親しげに話しかけてきた。'07.11.24

東急新7000系誕生。

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▲長津田で在来車と顔を合わせた7000系。東急伝統の赤系からグリーン系に変わった外観が印象的。'07.11.25 長津田検車区 P:RM(新井 正)
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先週、東京急行電鉄が多摩川線・池上線用として開発した新型車輌「7000系」の報道発表が行われました。この7000系は東急の標準車輌として位置づけられている5000系の設計コンセプトを踏襲し、18mワンマン車としてまったく新たに設計されたもので、丸型前照灯を用いたやさしい顔立ちの前面形状もさることながら、コーポレートカラーとも言えるこれまでの赤系をまったく用いていないグリーン系のカラーリングが鮮烈です。

tkk7000-2.jpg車体はビードレスのフラット外板を基本にした軽量化オールステンレスで、5000系やJRのE231系と構造および部材を共通化したものとなっています。前面は乗務員扉より前を一体成型のFRP製とし、ステンレス色の塗装を施しているそうです。貫通扉は5000系よりさらに片側に寄せられ、片側の前照灯もこの貫通扉内に埋め込まれる形となっています。なお、連結面の妻窓は騒音とコスト削減の見地から廃止されています。
▲正面運転席側には“TOKYU CORPORATION SERIES 7000”の欧文と新たに設定された文字フォントによる番号標記が入れられている。'07.11.25 長津田検車区 P:RM(新井 正)
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▲標準車輌と位置付けられている5000系の設計コンセプトを踏襲しながら18m車として新たに設計された7000系。五反田・多摩川方から7100(Mc)+7200(M)+7300(Tc)の3輌編成。'07.11.25 長津田検車区 P:RM(新井 正)
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tkk7000-4.jpg客室内は天井高2290㎜という従来同様の高い天井を確保し、側窓には熱線吸収・紫外線カットに加えて赤外線もカット可能なIRカットガラスを採用、明るくルーミーな室内空間を確保しています。興味深いのは中間M車の蒲田方車端部にクロスシートが設置された点。車椅子スペースの対面に位置するこのクロスシートは、ベビーカー利用者に配慮して1-2列配置の3人掛けとなっています。
▲中間車車端部には、ベビーカー利用客にも子どもと隣り合わせに座れるように1-2列配置の3人掛けクロスシートが設けられている。'07.11.25 長津田検車区 P:RM(新井 正)

また趣味的に特筆されるのは、形式番号標記の数字フォントがまったく新しくなった点で、車体外側の形式番号はもとより、客室内の車号板、製造所銘板、号車板(いずれもシール)等に関しても、この新しいフォントによって統一が図られています。

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▲運転台全景。前面・側面のコンソールは反射を押さえたグレーとなっている。将来的な女性運転士の乗務も考慮した設計となっているとのこと。'07.11.25 長津田検車区 P:RM(新井 正)
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この7000系、現在多摩川・池上線用として運用されている7600系、7700系、1000系の置き換え用として順次投入されてゆく予定だそうです。

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▲7000系主要諸元表。(東京急行電鉄提供)
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▲7000系車輌形式図。(東京急行電鉄提供)
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▲東京急行電鉄2007年9月30日現在基本編成表。(東京急行電鉄提供)
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▲「イクシオベージュ」と「イクシオホワイト」に塗り分けられたSWIMO-X。'07.11.19 P:RM(高橋一嘉)
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今日は“RAIL EXPO”レポートをお休みして、留守中の国内ニュースをお伝えしましょう。
川崎重工が開発を進めていた低床電池駆動LRV「SWIMO(スイモ)」の実験車輌“SWIMO-X”が完成、去る11月19日に川崎重工業播磨工場で報道公開されました。電池駆動のLRVというと鉄道総研による架線・バッテリーハイブリッドLRV“Hi-tram”が先日公開されたばかりですが、“Hi-tram”がリチウムイオン二次電池を採用していたのに対し、この “SWIMO-X”は川崎重工が開発したニッケル水素電池“ギガセル”を搭載しています。また、“Hi-tram”が架線・バッテリーハイブリッド鉄道車輌のシステム開発を目的としていたのに対し、“SWIMO-X”は台車などの開発も含めた川崎重工による初の超低床LRVそのものの実験車輌ということが何よりの注目点でしょう。ちなみに「SWIMO」とは「Smoothな乗降、Smoothな非電化区間への直通運転を達成する(Win)移動手段(MOover)というコンセプトから名付けられたものとのことです。

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▲SWIMOの動力源である車載用ニッケル水素電池「ギガセル」(左)。腰掛の下に搭載された「ギガセル」(右)。'07.11.19 P:RM(高橋一嘉)
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SUIMO4N.jpg電池駆動システムの基本的な概念は“Hi-tram”とほぼ同様で、既存路線の延長線または新設路線を架線レスで建設することを目的としたものです。架線下ではパンタグラフからの集電により加速、停車中の架線からの電力や制動時の回生電力を無駄なくバッテリーに蓄えるというもので、当然ながら回生失効の心配はありません。また、変電所から遠いなどで電圧が降下した場合や、バッテリーがフル充電の状態となった場合には架線下でもバッテリーからバックアップとして給電されます。
▲AB車体はロングシート。'07.11.19 P:RM(高橋一嘉)
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▲動軸と主電動機の上に位置する運転台。マスコンは右手ワンハンドル式。
'07.11.19 P:RM(高橋一嘉)

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SUIMO5N.jpgそして架線のない区間では、架線下や充電設備などでバッテリーに蓄えた電力を使用して加速、制動時の回生電力はバッテリーに蓄えます。今後は5分間の急速充電により搭載電池容量の2割の電力を蓄え、追加充電なしに10km以上走行できることを実証する予定とのことです。
▲C車体はクロスシート4人分を配置。'07.11.19 P:RM(高橋一嘉)
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▲AB車体の端部に配置される動台車。'07.11.19 (SWIMO-Xパンフレットより)

今回試作された“SWIMO-X”は全長15,000mmの3車体連節構造。両端のAB車体の車内はロングシートで、腰掛内にSWIMOの動力源であるバッテリー“ギガセル”が搭載されています。中間のB車体は片側2人ずつ計4人分のクロスシートで、腰掛下に車輪が入る構造です。なお、台車は両端車体のM台車がボルスタ付きの2軸ボギー、中間車体のT台車は独立車輪構造です。M台車は2軸ではあるものの、第2軸は低床構造の客室下に入るきわめて小径の誘導輪で、動軸である第1軸のみを高床の運転室下に配置することで客室の全面超低床構造(床面高さは出入台部330mm、一般部360mm)を実現しています。

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▲海沿いの播磨実験線を走るSWIMO-X。 '07.11.19 P:RM(高橋一嘉)
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なお、川崎重工ではこの「SWIMO」の開発に際し、兵庫県加古郡播磨町の播磨工場内に総延長約2,780mの「播磨実験線」を建設しました。これは約1,350mの耐久試験区間(エンドレス)や約630mの高速試験区間からなるもので、3線もしくは4線で軌間1067mmと1435mmを併設し、各種カーブやガントレットなどLRTとしての各種条件を採り入れた実験線となっており、川崎重工のSWIMOに対する力の入れようがうかがえます。今後、この実験線からどのような車輌が旅立つのか、注目されるところでしょう。

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