鉄道ホビダス

RMライブラリー第100巻は星さんの『国鉄車輌誕生』。

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▲高速度試験に臨むモハ20「こだま」。国鉄黄金期の、そして昭和そのものを象徴する車輌であるとともに、国鉄副技師長としての星さんのまさに“代表作”。P:星 晃(RMライブラリー『国鉄車輌誕生』上巻より)

1999(平成11)年7月に創刊以来、8年目に入った『RM LIBRARY』シリーズが今月でついに100巻目を迎えます。「10巻、20巻と巻数を伸ばし、ゆくゆくはかの『岩波写真文庫』のように一大ライブラリーを築くことができれば…」と当時の本誌編集後記に書いたことが昨日のことのように思い出されますが、今まさにその“夢”があながち夢ではなくなりつつあることを実感しています。

RML100n.jpgもちろんこの100巻までの道のりは決して平坦なものではありませんでした。わずか48ページ、しかもモノクロとあっても、ご承知のようにその濃密さは尋常ではなく、写真一枚、図面一枚のために編集がストップすることも決して稀ではありません。当然、常時複数のコンテンツが同時進行してはいますが、最後の最後になって刊行順序が前後するハプニングも一度ならずありました。
いずれにせよ、ここまでこられたのはご執筆いただいた著者の皆様、写真・資料を快くご提供下さった協力者の皆様、そしてなによりも毎月楽しみにお買い求めいただいてきた読者の皆様のおかげにほかなりません。さらに、全巻の表紙デザインをこなしてきていただいている清水幹夫デザイナー、“関西支局”的スタンスで編集をお手伝いいただいているレイルロードの高間恒雄さんにもこの場を借りてお礼したいと思います。そして、これは今まで詳らかにはしてまいりませんでしたが、巻末の英文サマリーは英文学者の小池 滋先生のお手を煩わせています。的確かつ格調高いクイーンズ・イングリッシュのサマリーは本シリーズの美点のひとつになっており、小池先生にも改めて感謝申し上げたいと思います。

hoshisan.jpgさて、その『RM LIBRARY』の記念すべき100巻目は、かの星 晃さんの秘蔵のカラーでつづる写真集「国鉄車輌誕生 ?車輌開発の黄金時代?」です。50巻目では三谷烈弌さんの情緒豊かなカラー写真で「昭和の記憶」をまとめさせていただきましたので、100巻目もぜひカラーを、しかも願わくば、ほかならぬ星さんのカラー作品集をと念願してきましたが、幸いにもそれがついに形となります。
▲御年89歳となられた現在も鉄道車輌への情熱を熱く語られる星 晃さん。'07.10.31 P:RM(名取紀之)

tectestn1n.jpgここで改めてご紹介するまでもないと思いますが、星 晃さんはもと国鉄副技師長。1942(昭和17)年に東京帝国大学工学部から鉄道省にお入りになって以来、1969(昭和44)年に国鉄を退職されるまで一貫して国鉄車輌、しかも旅客車の開発に携わってこられました。10系軽量客車、初の電車特急「こだま」、155系修学旅行用電車、キハ80系特急気動車、寝台電車581系、そして0系新幹線電車と、まさに“車輌開発の黄金時代”をトップとして支えてこられました。
▲星さんの国鉄での車輌開発の集大成とも呼べるのが、ほかならぬ東海道新幹線0系。写真は国鉄本社屋上で撮影されたカラーリングを模索していた際の貴重なひとコマ。P:星 晃(RMライブラリー『国鉄車輌誕生』下巻より)

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▲当時蕨にあった日本車輌東京で誕生した0系試作車が、EF13の牽く甲種輸送列車に載せられて白昼の渋谷を行く。P:星 晃(RMライブラリー『国鉄車輌誕生』下巻より)

1953(昭和28)年から一年にわたるヨーロッパ派遣の中で鉄道を撮影する面白さに目覚めたとおっしゃる星さんは、設計段階から試作、試運転、そして営業開始と、自ら開発された車輌をわが子を愛しむかのごとく愛用のカメラに収めてこられました。しかも塗色を記録する必要性からその大半がカラースライドによるもので、今日では比類ない貴重なアーカイブとなっています。

RML101n.jpgこの星さんの貴重なカラー写真による「国鉄車輌誕生 ?車輌開発の黄金時代?」は100巻、101巻の2巻にまたがっての出版となります。上巻は昭和20年代から昭和36年頃まで、下巻はその後の昭和40年代初頭までをまとめる形となります。当然、上巻では「こだま」を中心に新性能電車モハ90(のちの101系)の誕生、東海型153系や初の特急気動車キハ80系など、下巻では0系新幹線の開発や581系寝台電車が驚きの画像の連続で登場します。

本書ではこれまで公開される機会のなかった国鉄副技師長が写した私鉄車輌の貴重な画像もふんだんにご紹介申し上げる予定です。オールカラーの記念出版だけに、定価も通常の倍となりますが、まさに必見の内容です。上巻の発売は今月下旬、どうかご期待ください。
■RM LIBRARY『国鉄車輌誕生 ?車輌開発の黄金時代?』
・各巻96ページ、オールカラー
・定価:2000円(税別)
・上巻:11月下旬発売、下巻:12月下旬発売

※明日より津南町の企画展「飯山線が織り成す歴史と文化」出席のため、お楽しみいただいている「編集長敬白」は2日間お休みとさせていただきます。あしからずご了承ください。

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