鉄道ホビダス

大変貌を遂げた晴海・豊洲地区を歩く。(下)

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▲1970年代の豊洲石炭埠頭線分岐点付近。背後のクレーン群は石川島播磨重工業のもの。現在はちょうどこの地点を“ゆりかもめ”の高架が走っている。'79.5.9
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春海橋や晴海埠頭ヤード跡が判然と残る中央区側に比べて、豊洲方面の江東区側は恐ろしいほどの変貌ぶりです。かつての豊洲石炭埠頭線と豊洲物揚場線のジャンクション付近は“ゆりかもめ”の豊洲駅(高架)となり、周辺には今風の店舗が立ち並んでいます。

toyosuunyu12n.jpg1970年代の豊洲地区は部外者が立ち入れないような独特の雰囲気に包まれていました。晴海運河と豊洲運河に囲まれた広大な敷地には石川島播磨重工業の工場群、その先の豊洲埠頭には東電の火力発電所や東京ガスの工場…等々、公道を歩いていてもいたる所に「立入禁止」の看板、なかには“OFF LIMITS"と英語表記された看板まであり、絶えず緊張感を抱かせるエリアでした。実際、石炭埠頭側ではカメラを持って歩いているのを誰何された経験さえあります。
▲豊洲物揚場線で入換え作業中の豊洲鉄道運輸機。石炭埠頭線には東京都機(D35-9)が配置されていたが、物揚場線はもっぱら社機が仕業に就いていた。'77.9.21
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▲豊洲物揚場線終端付近を見る。線路終端は東雲運河に突き当たるまで伸びていた。彼方に見える小さな庫は豊洲鉄道運輸のもの。'79.5.9

豊洲へ延伸した“ゆりかもめ”の豊洲埠頭内の駅名が「市場前」であることからも知れるように、2012(平成24)年には東京中央卸売市場(築地市場)が移転してくる計画となっています。現在、土壌汚染問題もあって大きな議論を呼んでいますが、この市場移転が実現した際には、この地域はさらにまた大きな変貌を遂げるに違いありません。

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▲1962(昭和37)年から人知れず豊洲の地で働き続けてきた豊洲鉄道運輸の日本輸送機製15t機「15‐1」(製番988001)と、この時点ではすでに休車となってしまっていた酒井工作所製7t機(1955年製)。1978(昭和53)年には日本鋼管(鶴見)から中古の日立製25tC型機(1957年製/製番12399)を譲り受け、酒井の方は姿を消した。'79.5.9/'77.9.21
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ところで、東京都が最初に深川・晴海線の建設に着手した当時、国鉄東京工事局はこれに相乗りするかたちで、汐留から晴海、越中島を経て小名木川へと抜ける貨物線を計画していたそうです。京浜~京葉の工業地帯を結ぶ物流の一大動脈となるはずだったこのプラン、もし実現していれば、今ごろは首都圏の旅客線ルートとして大きな役割を担っていたに違いありません。

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▲ドラム缶から手回しポンプで給油中の豊洲鉄道運輸機。この時代には東京23区内でまだこんな光景を目にすることができたのだ。'77.9.21
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さて、今回の講座の締めくくりは越中島貨物線の列車の見学です。新小岩(操)から小名木川を経て越中島に入るのは、越中島にあるJR東日本のレールセンターから各地にレールを輸送する事業便列車です。現在、不定期2往復、臨時1往復が設定されており、東京23区内ではきわめて珍しいDL牽引の“貨物列車”を見ることができます。

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永代通の日曹橋踏切付近で「工7283列車」の通過を見送った受講生の皆さん、地元の方でもめったに目にする機会のない列車を目撃できてちょっと感激の様子でした。
▲小名木川から越中島へと向う工7283レ。レール輸送専用チキの返空列車である。なおこの地点はかの汽車会社(東京)の工場跡地にあたる。'07.11.10

ちなみにこの森下文化センターの市民講座「素晴らしき鉄道の世界」、次回以降は地元模型店モアのご主人・守川 環さんの鉄道模型講座、ミステリー作家辻 真先さんの旅を舞台にしたミステリー小説の楽しみ方、岩成政和さんの食堂車・寝台車の話と続き、最後は都電荒川線の貸切運行でフィナーレとなるそうです。

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