鉄道ホビダス

北海道開拓の村の馬車鉄道。

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▲明治11年建築の旧開拓使工業局庁舎(右端)前を“力行”するアラシ。タイムスリップしたような情景の中、パカ、パカッと独特の“走行音”が響く。'07.9.18
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野幌森林公園に隣接する「北海道開拓の村」を訪ねるのは今回で3回目です。前回は4年前の11月、凍えあがるほど寒い日で、新札幌野駅を出る時に降り始めた氷雨が途中から吹雪に変わったのを鮮明に覚えています。

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▲赤レンガ交番として1971(昭和46)年まで市民に親しまれたという旧札幌警察署南一条巡査派出所前を通過。なかなかどうして結構なスピードだ、'07.9.18
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北海道開拓の村は明治・大正期の道内の歴史的建造物を移築・保存している野外博物館で、内地では想像できない54ヘクタールという広大な敷地に、市街地群、農村群、山村群、漁村群と4カテゴリーに分けられたさまざまな建物が点在しています。しかもそのほとんどは内部の見学も可能で、2階がガラス張りの写場となった大正時代の写真館など実に興味深く見ることができます。

kaitakunomura12n.jpgところで一見、鉄道とは関係のなさそうな開拓の村ですが、村内の移動・遊覧用に2フィート6インチ軌間の「馬車鉄道」が敷設されており、この“馬鉄”に出会えるのが毎回大きな楽しみになっています。かつてこのブログで岩手県・小岩井農場の馬車鉄道(3フィート軌間)をご紹介したことがありますが、現在わが国で運転されている馬鉄、いや畜力による鉄道はこの2ヶ所のみ。かつての実用軌道を観光用に転換した小岩井と違って、こちらはまったく新たに敷設されたものではありますが、客車はより本格的なものが使用されています。
▲客車内から“牽引機”アラシの力走ぶりを見る。'07.9.18
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▲終点ソーケシュオマベツ駅逓所前で折り返しを待つアラシ。発車寸前まで連結棒は接続されない。'07.9.18
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kaitakunomura13n.jpg18人乗りのこの客車は1981(昭和56)年11月の日本車輌製。全長4130㎜×全幅1712㎜、自重2t、デッキ部に手ブレーキハンドルを備えるだけのきわめてシンプルな構造です。たださすがに座席はモケット張りの座り心地の良い現代風のものが奢られています。車端部には“牽引機”たる馬との連結装置が設けられていますが、これまたただのフックと言った方が早いような原始的なものです。
▲車端部に取り付けられた日本車輌のエッチング銘板。'07.9.18
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kaitakunomura14n.jpgこの日の“牽引機”は白馬の「アラシ」。入口広場前の旧浦河支庁舎を出た列車は、歴史的建造物が立ち並ぶ市街地群のメインストリートをパカパカと軽快に進みます。運転士(御者)が制御しなくとも自分の目で前方確認をして走ってくれるわけですから、ある面これほど安全安心なことはありません。路線は多客時の2列車運転を考慮してこのメインストリート部は複線となっており、いかにも北海道らしい並木とあいまって、かつての札幌市街軌道あたりに思いを馳せさせてくれます。

▲木製の車内はかなり狭いがそれでも定員は18名。左上に日車の銘板が見える。'07.9.18
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▲とても馬車鉄道のものとは思えないソーケシュオマベツ駅逓所前のレンガ造りの2線庫。仕事の合間に“機関区”でしばし休息するアラシ。'07.9.18

この開拓の村の馬車鉄道、運転は毎年4~11月にかけてで(詳細はこちら)、冬場は馬鉄にかわって“馬そり”が運転されるそうです。アラシ君も雪の便りとともに今度は馬そりの先頭に立つのでしょう。

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▲開拓の村案内図。馬車鉄道は市街地群のメインストリートを直進、右折して農村群へと向かう。(案内パンフレットより)
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