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2007年10月29日アーカイブ

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▲世界初の「鉄道車輌用モータ・アシスト式ハイブリッド駆動システムを搭載したJR北海道の試験車。種車は10年前に日高線用に1輌のみ新造されたキハ160-1。P:JR北海道提供

つい先日、鉄道総研が開発した架線・バッテリーハイブリッドLRV「Hi-tram」をご紹介したばかりですが、JR北海道もこのたび世界で初めての「鉄道車輌用モータ・アシスト式ハイブリッド駆動システム」(以下MAハイブリッド駆動システム)を搭載したハイブリッド車輌を開発しました。“ハイブリッド車輌”と言うと最近ではJR東日本が小海線で実用化しているキハE200形が思い浮かびますが、キハE200がディーゼルエンジンがアシストする基本的には“電車”(電気式ディーゼル動車)なのに対し、こちらはモーターがアシストする“気動車”です。

kiha160n12.jpg(株)日立ニコトランスミッションと共同で開発されたこの駆動システムは、JR北海道の発表によると以下のような特徴があります。
(1)低速域ではエンジンを使わず、モーターによる走行が可能で、駅出発時の騒音を低減。
(2)アクティブシフト変速機により駆動効率が向上(従来の気動車と比較して15から20%の燃費改善)し、かつブレーキエネルギーをモーターで回生(電力に変換、再利用)するため、動力性能を向上させることが可能。
(3)エンジンの動力と、バッテリー、コンバータ/インバータ、モーターから得られる動力を協調させ、コストパフォーマンスが向上。
(4)変速時のショックをモーターが連続的に吸収しながら変速するため、乗心地が向上。
(5)排気ガス中の二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)を低減でき環境に優しい。
▲車体側面には“Innovative Technology Train”(ITT)のロゴが大きく浮かび上がっている。ITTは3つのサブシステム①複合車体傾斜システム(Cooperative Tilting)、②ハイブリッド駆動システム(Hybrid Traction)、③軽量車体システム(Reduced Track Load)を有する次世代車輌の愛称でもあるという。
P:JR北海道提供

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▲駆動システムの動作パターン例。(JR北海道提供)

MAハイブリッド駆動システムは、モーターを持ったアクティブシフト変速機、コンバータ/インバータ、バッテリー及び制御装置で構成され、車輪への動力は、エンジンからアクティブシフト変速機を介する方法、モーターから変速機を介する方法、および、その両方を併用する方法があります。さらにブレーキ時はモーターを発電機としてバッテリに充電する回生が可能です。走行パターンは下図でおわかりになるように、①モーター走行、②エンジン走行、③モータとエンジンを併用したモーターアシスト走行、④回生の4種類を使いわける形となります。

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▲各駆動システムとの比較。中央がモータ・アシスト式ハイブリッド駆動システム搭載車輌の例。(JR北海道提供)

このモータ・アシスト式ハイブリッド駆動の場合、従来の車輌を比較的容易に改造できるほか、シリーズハイブリッド方式と比べてバッテリーを小さくできるのも、耐寒対策が不可欠な北海道としては大きなメリットでしょう。
発表によると来月から来年1月頃まで営業線区での走行試験を行い、車輌性能の確認や燃費測定を行う計画だそうで、本誌次号の誌上でまた詳しくお目にかけられると思います。

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