鉄道ホビダス

日本鉄道保存協会2007年度総会から。

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▲2日目は参加者一同で開館を目前に控えた鉄道博物館を内覧。JR各社をはじめ鉄道事業者の参加も多いだけに、運営面での質問も相次いでいた。'07.10.12

このブログをお休みいただいていた先週11・12日は、毎年恒例の日本鉄道保存協会の年次総会に出席しておりました。設立以来17年を迎える同協会の年次総会は、毎年全国の加盟団体の持ち回りで開催するのが慣例で、一昨年は北海道(一昨年の様子はこちら)、昨年は長野県上松町で行われました(昨年の様子はこちら)。

jprs015n.jpg今年はというと、初めて開催地団体なしの東京での開催です。それというのも参加者にとっては大きな関心事であろう「鉄道博物館」がオープンするからで、加盟団体でもある東日本鉄道文化財団のご厚意で開館前の鉄道博物館の内覧をプログラムに組み込んでの2日間です。また、今回は会員以外の保存活動に取り組む団体・個人にオブザーバーとしてご案内申し上げ、初参加の津軽鉄道さんをはじめ23名のオブザーバーの皆さんにご参加いただきました。
▲文化庁文化財部の堀 勇良主任文化財調査官(工学博士)による基調講演「文化財としての鉄道遺産」。パワーポイントを駆使して文化財指定のプロセスをわかりやすくご説明いただいた。'07.10.11
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▲東京・麹町の弘済会館「蘭」の間を会場に行われた総会は、オブザーバーを含めて満員の盛況ぶり。'07.10.11

総会に続いて行われた基調講演は文化庁から文化財部の堀参事官にお越しいただき、「文化財としての鉄道遺産」と題して現在の文化財指定の流れをご説明いただきました。現在、重要文化財指定の建造物は2317件、鉄道関連はそのうち8件、登録有形文化財指定の建造物は総数6263件、鉄道関連はそのうち90件だそうで、参加者からは指定に向けての具体的な質問が相次ぎました。

jprs013n.jpg続いて小樽市総合博物館の佐藤卓司学芸員、碓氷峠鉄道文化むらの高橋 寛館長、大井川鐵道の萬豆明夫運輸部次長、加悦鉄道保存会の篠崎 隆理事の4名のパネラーによる討論「鉄道遺産の保存活用と地域活性化」が行われました。ご承知のように小樽交通記念館の解散により激動の数年間を経験した小樽市総合博物館をはじめ、特定目的鉄道としての横軽間復活が暗礁に乗り上げている形の碓氷峠鉄道文化むらなど、それぞれの悩ましい実状も吐露される討論となりました。
▲昨年に続いて総合司会は私が務めさせていただいた。'07.10.11
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▲4人のパネラーによる討論「鉄道遺産の保存活用と地域活性化」の総括をされる顧問の小池 滋先生。画面右は同じく顧問の青木栄一先生(左)。総会後の懇親会で挨拶に立つ賛助会員の種村直樹さん(右)。'07.10.11
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なかでも興味深かったのは、加悦鉄道保存会の篠崎さんからの問題提起、都市部のボランティアによって支えられている“地域の鉄道遺産”の現状です。加悦鉄道保存会も主力メンバーはほとんどが大阪方面からのボランティアだそうで、地域の人たちの手によって地域の鉄道遺産を護ることがいかに難しいかが切々と語られました。オブザーバーとして参加していた“南部縦貫レールバス愛好会”や木曽王滝村で保存活動を繰り広げている“りんてつ倶楽部”からも、メンバーの大半が東京在住である現状が明かされ、今後の保存活動の大きな課題が浮かび上がってきた形となりました。

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▲鉄道博物館2階のコレクションギャラリーには歴史的鉄道部品等が数多く収蔵されている(左)。右は開館に合わせて開催中の特別展で展示されている新幹線試験車のモックアップの数々。'07.10.12
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▲全国から集った保存協会の面々で記念撮影。鉄道事業者、自治体、第三セクター、ボランティアと立場は違えど、目標を共有できた有意義な2日間だった。'07.10.12

かくして1日目は終了、翌日は朝から「鉄道博物館」の内覧に参加しましたが、総工費120億円以上というその巨大なプロジェクトに全国各地から集ったメンバーは圧倒される思いだったようです。ただその一方、地域に根ざした地域でしかできない保存活動により思いを強くし、再会を約した参加者たちは再び全国へと散ってゆきました。

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