鉄道ホビダス

2007年10月 8日アーカイブ

丹羽さんの新作コッペル。

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▲スカートが印象的な15HPコッペルの完成サンプル。ボイラーの細さといい、これまで製品化されたなかで最小サイズのコッペル。P:丹羽雄二

社会システム工学・安全システムの専門家として活躍される傍ら、ナローゲージモデラーとしても内外に知られる丹羽雄二さんから、ひさしぶりに新作のキットが届きました。丹羽さんは数年前から“SEA Lion工房”の名で極少量生産の精緻なエッチング・キットを頒布してこられ、この1月にも森製作所製小型DLをご紹介しましたが、今回はこれまたマニアックなコッペルの登場です。

miekoppel13n.jpgプロトタイプとなったのは、三重軌道(のちの三重交通)が開業に際して導入したBタンク機(1911年製製番4896?4898)。出力15HPとわが国に輸入されたコッペルとしては10HPタイプ(三潴軌道無番など)に次ぐ小ささで、なおかつトラム仕様としてスカートが付けられていたのも異色でした。ボイラー直径も500φと異様に細く、製品化されたコッペルの中では群を抜く小ささです。
▲相変わらずシャープなエッチング板に、今回はレジン製ボイラーなどが組み合わされている。P:丹羽雄二
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▲ボイラー回りは煙突を含めてレジン製。スカートが付いているだけあって、やっかいな足回りに苦労しなくて済むのも特長。P:丹羽雄二

キット構成で興味深いのは、ボイラー+スチームドーム、煙室+煙突がそれぞれコンプリートされた状態のレジン・キャストとなっている点です。一般流通を前提としない少量生産品だからこそ可能な割り切りとも言えるでしょう。エッチング板そのものも実に高精度で、最適のディテール再現のために今回は表裏のエッチング深さを3:7に変化させたとのこと。

miekoppel14n.jpgさらに面白いのは動力装置です。なんとあのBトレインショーティーの動力台車を改造して流用する設計となっているのです。インストラクション・シートの改造手順によると、そう容易い改造作業ではなさそうですが、古くからスプリット・シャーシの自作方法を英国の模型誌などに発表されてきた丹羽さんらしい着想です。
▲CDケースに詰め合わされたキット内容。いかにもガレージキットといった風情だが、インストラクション・シートの懇切丁寧さは特筆される。P:丹羽雄二
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▲救助網も誂えられた完成サンプル。パワーユニットは何とBトレインショーティーの動台車を流用。なお、一部は先日の「第3回・軽便鉄道模型祭」会場で市販もされたそうだ。P:丹羽雄二

こういったいわば“ガレージキット”は、イギリスやフランスではあいかわらず隆盛で、生業を持ちながら休日にごく少量のキットを生産するバックヤード・ビルダーが多数存在します。もちろんその出来たるや玉石混交で、“own risk”で向き合うことが前提ではありますが、その存在がある意味、趣味の深みとなっていることも確かです。

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