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2007年7月27日アーカイブ

「後藤新平展」を見る。

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▲江戸東京博物館の常設展示場で特集展として開催されている「後藤新平展」。一般展示場とあわせて半日ゆっくりと楽しむことができる。

昨日は朝から国土地理院関東地方測量部測量成果閲覧室で旧版地形図を検索し、続いて松屋銀座で開催されている「鉄道模型ショウ2007」を訪問、午後は来る8月18日に開催される向谷 実さんとの対談の打ち合わせで江戸東京博物館へ。向谷さんと会場の音響設備の確認などを行った後、今度は品川のキヤノンギャラリーで開催されている鉄研三田会の写真展「鉄道に魅せられて」へ…と東京中を駆けずり回った一日でした。

IMGP2663n.jpgそんななか、向谷さんとの打ち合わせ後30分ほど時間に余裕ができ、まさに忙中閑あり、ぜひ見たかった江戸東京博物館の常設展示室特集展・生誕150周年記念「後藤新平展 -近代日本をデザインした先駆者-」を急ぎ足で覗いてきました。現在企画展として開催中の「大鉄道博覧会」はすでにたびたびご紹介していますが、実はこの24日から同じ江戸東京博物館の6階常設展示場ではこの「後藤新平展」が始まったのです。
▲展示されている「国有鉄道軌間に関する法律案」の原本。総理大臣決裁印に重ねられた墨の×印が、その後の日本の鉄道の発展に大きな意味を持つことになる。

あまりのスケールの大きさから「大風呂敷」とあだ名されたこともあるという後藤新平は、関東大震災後の帝都復興計画をはじめとする先駆的な都市計画で知られますが、私たちにとっては南満州鉄道初代総裁、鉄道院初代総裁、そしてなによりも“広軌論者”の代表として記憶されてきました。今回の展示では後藤新平の生涯を貴重な古文書や写真を中心に辿っていますが、もちろん鉄道関連の展示にもかなりウエイトが置かれています。

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▲後藤新平起案による軌間変更施行順序図など軌間変更案付属図面の数々(1917年)。まさにわが国の鉄道史そのものを物語る一次資料である。
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そのなかでも必見なのが1919(大正8)年3月8日付けの「国有鉄道軌間に関する法律案」原本(江戸東京博物館蔵/初公開)です。国有鉄道の軌間は狭軌とすることを閣議決定しようとするもので、原敬総理大臣が最終決裁印を押しながらも、再度その決裁印を墨で消すという生々しい紆余曲折が見てとれるものです。当時技監を務めていた島安次郎はこの法案に強く反対し、最終的には鉄道院を辞して満鉄へと移ってゆくわけですが、もしこの法案が成立したならば、わが国の鉄道は新幹線を含め今とは大きく様相を異にしていたに違いありません。

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▲後藤新平が揮毫した磐越西線平瀬隧道の扁額も紹介されている。肥薩線の矢岳第一隧道吉松側のポータルにも後藤新平による扁額が掲げられており、これが現在運転されている「しんぺい」号の語源になったことは有名。

この「後藤新平展」、「大鉄道博覧会」にお出でになった際には是非ともあわせてご覧になることをおすすめします。常設展の観覧料金は一般600円と別途にかかりますが、それだけの価値は充分あります。

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