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レイル・マガジン編集長自らが作る編集日記。

2007年5月31日

フリーゲージトレイン第二次試作車が完成。

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独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構とフリーゲージトレイン技術研究組合が中心となって研究開発を続けている軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の第二次試験車輌が完成、先日JR九州の小倉工場内で報道公開されました。
▲3月17日に小倉工場に搬入されて以来整備・調整が続けられていた第二次試作車輌がついにその姿を現した。先頭部は第一次試作編成よりさらに流線型となり、1・2号車には新在両用のパンタグラフが搭載されている。'07.5.26 小倉工場 P:宇都宮照信
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fgt2n.jpg異なる軌間、新幹線(1435㎜)と在来線(1067㎜)を自在に往来できるフリーゲージトレインは、1994(平成6)年から鉄道総合技術研究所(JR総研)が基礎研究を進め、1998(平成10)年に第一次試験車輌GCT‐01形(3輌編成)が完成、翌1999(平成11)年1月に山陰本線(米子?安来間)で初の走行実験を行ったのを皮切りに、同年4月からはアメリカ・コロラド州のTTCIプエブロ実験線で最高速度246km/hを達成するなど研鑽を積んできました。2年にわたるアメリカでの試験を通して2000回に及ぶ軌間変換実績を重ね、2001(平成13)年からは日豊本線、予讃線、さらには山陽新幹線(新山口?新下関間)で走行試験を行っています。
▲台車は電子制御による車体傾斜システムを備え、在来線での曲線通過性能の向上も目指す。'07.5.26 小倉工場 P:宇都宮照信
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▲なんと中間車には営業車と見まごうばかりの客室設備が備えられている。こんなシートに座ったまま異なる軌間の“新在直通”を体験できる日も遠くないかもしれない。'07.5.26 小倉工場 P:宇都宮照信

今回完成した第二次試作車輌はこれらの成果を踏まえて誕生したまったくの新車で、新幹線区間での270km/h走行、在来線での曲線通過性能の向上等の試験に供される予定です。編成は第一次試作と同様の3輌編成。在来線区間では交直両用の全M車となっており、車体はアルミニウム合金製となっています。

fgt4n.jpg異なる軌間を「軌間変換軌道」と呼ばれる特殊な軌道構造で連結し、走行中に軌間変換を行おうというのがこのプロジェクトの骨子です。軌間可変機構そのものはすでにタルゴ(スペイン)で実用化されていますが、わが国のような動力分散方式では例がなく、ダイレクトドライブ・モーター(DDM)による独立車輪方式の採用など、数々の新技術が盛り込まれている点が注目されます。なお、この第二次試作編成の開発費は約30億円。夏には日豊本線で走行試験を開始するそうです。
▲試験車輌とはいうもののきわめてシンプルな運転台。残念ながら「車輌」ではないため、現在のところ線路閉鎖をせずに営業線上を走行することはできない。'07.5.26 小倉工場 P:宇都宮照信
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