鉄道ホビダス

2007年5月 8日アーカイブ

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▲東岩瀬駅には富岩鉄道開業時からの駅本屋がそのまま残されている。もちろん現在では使われておらず観光施設として残されているに過ぎないが、80年以上前に築造された買収私鉄の駅と最新のLRTのミスマッチがなんとも楽しい。'07.4.30 東岩瀬
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富山ライトレールに乗ってみて、改めて驚かされるのはそのフリークェンシーの高さです。平日は5時30分の始発(岩瀬浜発)から23時15分の終電(富山駅北発)まで10?15分ヘッドでダイヤが組まれており、車輌定員80人とはいえJR富山港線時代から比べればその本数は3倍以上、しかも後述する「フィーダーバス」との連携で早朝から深夜まで実に利便性の高い“面”のトランスポーテーションとしての展開がなされています。実際に夜21時過ぎの車内で乗客の方にお話を伺ってみても、それまでは一杯加減でちょっと帰りが遅くなったりすると二千円以上のタクシー代がかかっていたものが、ポートラムの開業以来助かっている…といった声など、すこぶる評判は良いようです。

portram13.jpgさて、終点の岩瀬浜駅に降り立つのは私にとって実に32年ぶりです。側線が敷きめぐらされたかなり広い構内の西端に片面の旅客ホームがあり、そこに旧型国電が吊り掛け音を響かせながら出入りしていた印象がありますが、新生ライトレールの岩瀬浜駅は思わず「えっ!」と声を出してしまうほどの小駅、いや“電停”となっていました。もちろんポイントもなく、本線がぶっつりと途絶える形で終点となっています。ただ駅設備は小さいながらもスタイリッシュにまとめられており、ポートラムと合わせたトータルデザインとして完成度の高いものとなっています。
▲一周年イベント会場に隣接する岩瀬浜駅もたいへんな賑わい。'07.4.30 岩瀬浜

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▲残雪の立山連峰をバックに岩瀬運河を渡る。かつては工業地帯の運河といった感じだったこの運河も、今やレジャーボートが行き交うトレンディースポットとなっている。'07.4.30 競輪場前?岩瀬浜

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▲岩瀬浜駅にほど近い岩瀬カナル会館で行われた開業一周年記念イベント“Happy! Happy! PORTRAM”(左)。各車の車体側面には一周年を記念してポートラムのキャラクターである“とれねこ”も描かれていた。'07.4.30

連休中はこの岩瀬浜駅にほど近い岩瀬運河脇の「岩瀬カナル会館」を会場に、開業一周年イベントが盛大に繰り広げられていました。ちょうど季節は富山湾名産の“しろえび”漁の最盛期とあって、会場は岩瀬の漁師さんらによる“しろえびコロッケ”や大漁鍋の実演販売などで大盛り上がり。もちろんポートラム関係の各種グッズ販売や写真展などもたいへんな賑わいとなっていました。

portram14.jpgところで現地に行って改めて驚いたのが、「フィーダーバス」と呼ばれるライトレール接続バスの存在です。岩瀬浜駅前を起点として水橋漁港前までを結ぶ「岩瀬・大広田・浜黒崎ルート」と、蓮町を起点として四方(よかた)方面を結ぶ「四方・草島ルート」のふたつがあり、ともにほぼ30分間隔で運行されています。ポートラムから乗り継ぐ場合は運賃が半額(100円)に設定されているなど、たいへん使い勝手の良い設定となっており、こんな展開も功を奏して想定以上の集客を得ているのでしょう。
▲ポートラムに高頻度で接続してLRTを基軸とする“面”のトランスポーテーションを展開する「フィーダーバス」。後ろは岩瀬浜駅。'07.4.30 岩瀬浜

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▲路線図や時刻表などをコンパクトにまとめたB6判24ページの冊子(左)は各駅に置かれていて実に便利。さらに土・日・祝日にはバスと県営フェリー、そして万葉線をリンクした「万葉線・富山ライトレール回遊ルート」(右)も設定されている。'07.4.30
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▲頒布冊子に見るポートラムとフィーダーバスの展開図。東は水橋漁港、西はもとの射水線車庫があった四方にまで路線が伸びているのがわかる。'07.4.30
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さらに嬉しかったのは土・日・祝日に実施されているという「万葉線・富山ライトレール回遊ルート」です。これは岩瀬浜から「新港東口ライトレール接続線」と呼ばれるバス、さらには県営の富山新港フェリー(無料)を乗り継ぎ万葉線の越ノ潟に連絡するエクスカージョン・ルートです。この「新港東口ライトレール接続線」の多くはかつての富山地方鉄道射水線のルートで、以前このブログでもし射水線が現存していれば一大周遊ルートができたかもしれないのに…とかなわぬ夢を語ったことがありますが、バスを介すことになったもののその夢はまさに現実となったことになります。

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▲一方こちらは伏木富山港をはさんで対岸の万葉線越ノ潟駅。県営富山新港フェリー(画面右端が乗り場)と新港東口ライトレール接続線バスを乗り継いで岩瀬浜へと連絡している。折りしも最新鋭のMLRV-1000形(アイトラム)が高岡へと発車してゆく。'07.4.30 越ノ潟
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かつて広大なヤードが広がっていたJR富山駅北口側は、いま北陸新幹線工事の真っ最中です。予定では開業は2014(平成26)年。これにともない在来線と富山地方鉄道の富山駅乗り入れ部分も高架化され、それを機に富山ライトレールはJRをくぐって南口の富山地方鉄道市内線と接続する運びとなります。市内線南富山駅前から富山駅、ライトレール岩瀬浜へ、そして「回遊ルート」を介して万葉線高岡へ…7年後にはまさに理想のLRT=ライト・レール・トランジットが完成するに違いありません。

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