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レイル・マガジン編集長自らが作る編集日記。

2007年4月12日

新日鉄「くろがね線」瞥見。(上)

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一昨日夜から6月発売号の特集取材で九州へ。博多から小倉、広島、岡山、新大阪と下車、そして東京と久しぶりに東海道・山陽新幹線を全区間乗ることになりました。しかも昨日は朝4時半起きで5時過ぎから取材開始というなんともハードな一日でした。特集の内容は6月発売号をお楽しみに…というわけで、今日は空き時間を利用して“垣間見た”トワイライトな物件をご紹介してみましょう。
▲枝光橋をゆく「くろがね線」の列車。この橋の先で鹿児島本線をクロスする。左上方にはスペースワールドが見える。ちなみにこの枝光橋、現在は左側のワーレントラスの新橋が使用されているが、横にはかつて使用されていた1930(昭和5)年竣工のブレースドリブタイドアーチ橋(東京の白鬚橋と同じ)も残されている。'07.4.11
クリックするとポップアップします。

kurogane5n.jpg早朝の取材が7時前に一段落、小倉駅に戻ってさて朝食でもと思いましたが、移動の新幹線までに2時間弱の余裕があります。そこでハタと思いついたのが新日鉄炭滓運搬鉄道、いわゆる「くろがね線」です。路線のほとんどが囲われていたりトンネルだったりでなかなか観察しにくいのですが、枝光駅付近の宮田山隧道付近は公道や跨線橋上から手軽に線路を見下ろすことができます。数年前に訪ねた時の記憶では、たしか朝7時台から運転が始まっているはず。そうなればゆっくり朝食をとっているなど愚の骨頂とばかり、ハンバーガーを買い込んで博多行きの普通列車に乗り込みました。
▲鹿児島本線枝光駅。「くろがね線」は改札を出て徒歩5分ほど。ホームからも枝光橋が間近に見える。'07.4.11

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▲地図をクリックすると国土地理院の地形図閲覧サービスにとび、周辺の1:25000地形図をご覧になれます。

鹿児島本線小倉?枝光間は所要時間10分あまり。通学の高校生に囲まれながらハンバーガーに食らいつき、7時半頃には宮田山隧道付近に到着。ここに掲げた地形図でもおわかりのように、「くろがね線」は枝光駅下り方で鹿児島本線をクロスしており、駅から国道を渡ればすぐに線路沿いの道に入ることができます。しかも隧道の手前には観察にはもってこいの人道橋が架かっています。沿線はすべて高いフェンスに囲われているものの、この付近からなら手軽に撮影が可能です。余談ながらこういった時に便利なのがコンパクト・デジカメです。本格的な一眼レフではフェンスが邪魔になって撮影しにくいのが常ですが、コンパクトカメラであればフェンスの間から自在にレンズを出せます。今日お見せする画像もすべて愛用のペンタックスOptioによるものです。

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▲宮田山隧道を出てくる「くろがね線」列車。かつては複線で、片側に撤去された路盤が残る。折りしも切通し脇の桜が満開! '07.4.11

kurogane6n.jpgさて、待つこと10分ほど、さっそく八幡方からE8501の牽く列車がやってきました。特殊な積荷のためか、騒音等の配慮もあってか、とにかく歩くほどのスピードで列車は進みます。かなり長大な編成の後部にはディーゼル機関車D704が補機として連結されています。こちらも防爆・防音仕様なのか、ディーゼル機関にも関わらずほとんど無音に近い静かさで目の前を通過してゆきました。それにしても両機ともにその大きさには改めて目を奪われます。専用鉄道といってもまったく他線と連絡しない独自の存在だけに、車輌限界もひと回り大きめに設定されているようです。
▲花崗岩を積み上げたルネッサンス様式のデザインが秀逸なポータル。枝光橋とともに現役の産業遺産としても第一級。'07.4.11

この新日鉄「くろがね線」、もとを正せば1930(昭和5)年に完成したたいへん由緒ある専用鉄道で、当初は八幡製鐵所で発生するスラグ等を戸畑地区の埋立て用として運搬するために建設されたものです。1972(昭和47)年に社員公募によって愛称が「くろがね線」と決まり、その後は地元でも「くろがね線」の名前で親しまれています。