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ヘレンタールバーンとナスバルトバーン。(上) 動画付

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この週末はちょっと趣向を変えて、オーストリアの知られざる保存ナローゲージ鉄道訪問記を動画付きでお届けしましょう。まずご紹介するのはヘレンタールバーン(Hollentalbahn)という延長5キロほどのミニ電気鉄道で、オーストリアの保存協会(OGLB=Osterreichische Gesellschaft fur Lokalbahnen)加盟路線ながら、そのマイナーさからか、今までほとんど紹介されていません。
▲旧鉄聯の古典DL「V2」(1943年製、16.5t/130PS )に牽かれる客車も1930年製と年代もの。'03.9.27 (このシーンは下記リンクより動画がご覧になれます)

holrental1n068n.jpg首都ウィーンから高速A2線を南下し、さらに国道S6号線を西に向かうこと約100キロ、19世紀中盤に初めてのアルプス縦貫鉄道として建設され、十年ほど前にはユネスコの世界遺産にも登録されたセメリング(Semmering)のわずかに手前、オーストリア国鉄(OBB)のパャバッハ(Payerbach)駅を起点にしているのがヘレンタールバーンです。詳しくはHP内のPDFファイルをご覧いただくとして、20世紀初頭にセメリング鉄道が専用線としてハーシュヴァン(Hirschwang)までの5キロあまりを建設しようと着工したものの、途中の隧道工事でてこずり、そのうちに第一次世界大戦で中断、戦後になってこの隧道工事用に用いられていた760mm軌間の資材軌道をそのまま使ってスタートしたのが、ヘレンタールバーンの発端だとされています。
▲起点のパャバッハ駅。右側が国鉄線で、国鉄駅からは地下道を抜けてかなり歩くことになる。国鉄線の画面右手前方向がかのセメリング方。'03.9.27

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1963(昭和38)年までLBPH(Lokalbahn Payerbach-Hirschwang)と呼ばれて運転されてきたこの鉄道ですが、ご多分に漏れず道路の整備とともに廃止となり、1977(昭和52)年になってその廃線跡をOGLBが引き継いで保存鉄道として再スタートをきりました。
▲もともとが760mm軌間の工事用軌道だっただけに最小曲線は60R、最急勾配は25‰とかなり厳しい。架線電圧は直流550V。'03.9.27

holrental1n069n.jpg現在はボランティアの手によって維持・運転されているこのヘレンタールバーンですが、路線延長も5キロほどと短く、沿線にも終点にもとりたてて見所もないとあって、決して賑わっているとはいえないようです。趣味的にも動態蒸気機関車がいるわけでもなく、彼の地の鉄道誌の誌面を飾ることもほとんどないこの鉄道に足を向けてみようと思い立ったのは、ひとえに奇妙なスタイルのシーメンス製電気機関車に魅かれたからにほかなりません。
▲駅本屋。簡単なレストランも兼ねており、オープンエアでの食事も楽しめる。'03.9.27

holrental1n070n.jpg果たしてたどり着いた起点のパャバッハ駅は拍子抜けするほど小さな駅でした。国鉄駅の逆側に駅とレストランとスーベニアショップを兼ねたささやかなヘレンタールバーンの「本屋」があり、ボランティアと思しきおばさんがいつ来るともわからないお客さんを待っています。列車はと見ると、残念無念、先頭に立っているのはタイプHF130Cと呼ばれる旧鉄道聯隊のDLではないですか。通じない英語で問いただしてみると、どうやらシーズン外れの今日はお目当てのシーメンス製電機は運用に入らないらしく、しきりに同情のポーズをしてくれます。やむなく架線下をゆくDL牽引列車を追うことにしました。
▲1930年製という客車C21の車内。6月中旬から10月中旬の日曜・祭日のみで冬場の運転はないが、それでも天気の悪い日にはかなり寒そうだ。'03.9.27

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列車を牽引している姿を目にすることはかないませんでしたが、お目当ての電気機関車“E1”はお誂えの場所に独特のパンタグラフを高々と掲げて停まっていました。1903年製と言いますから、訪問時にちょうど100歳! もとを正せばL型オープンキャブの工事用電気機関車だったものが、木製エンドキャブになり、さらにこの珍妙なスタイルにと変遷を遂げてきたのは、ある面「草軽」を連想させるものがあります。
▲これがお目当てだった1903年シーメンス製電機。17.8kW×2の出力を持つ9t機。全長4200mmと小さい割には巨大なパンタグラフを振りかざす。'03.9.27
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また来る機会があれば、その時はぜひともこの電機の牽く列車の姿を見てみたいものと、後ろ髪をひかれる思いでヘレンタール、つまりは「地獄谷」を遡り、その奥にあるというナスバルトバーン(Nasswaldbahn)を目指します。次の目的地もナスバルト=じめじめした森という名前からして怪しげではあります。

動画
下記リンクよりホビダスTV内の動画がご覧になれます。音声付きですので、クリックする前に周囲の環境にご配慮ください。なお、Macでは再生できない場合がございます。
ヘレンタールバーンのサンプル動画

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