鉄道ホビダス

「加藤くん」をもらってくれませんか?

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北京オリンピックを控えて中国国内の金属価格が高騰してきている影響か、このところ金属製品の盗難が頻発して新聞・テレビを賑わせています。工事用の鉄板から火の見やぐらの半鐘、果ては公園のすべり台まで盗まれるにいたっては呆れ果てるしかありませんが、実はこの騒動、決して私たち鉄道趣味の世界にとっても他人事ではないのです。
▲ボランティアの手によって修復塗り替えが行なわれた際の「加藤くん」。見違えるように綺麗になった。ささやかなスノープラウがチャームポイント。'03.10.21 P:岸 由一郎

というのも、ここにきて保存車輌や保留車の“SOS”が相次いでいるからです。驚いたことに昨日一日だけでも「今月中に救済できないと解体されてしまう」という“SOS”が2件も飛び込んできました。確かに、放置車輌は言うまでもなく、保存のビジョンもないまま車庫裏に留置してある車籍除外車などは、所有者がこの機会に解体して「換金」しようと考えるのも無理からぬことでしょう。

kst8t12n.jpgそんな状況とは背景が異なりますが、今日は1954(昭和29)年加藤製作所製の8tディーゼル機関車をどなたかもらっていただけないか…という異例のお願いをお伝えしたいと思います。貨物鉄道博物館副館長で、ふるさと鉄道保存協会の中心的メンバーでもある笹田昌宏さんからのご依頼で、まずはその経緯を簡単にご説明いたしましょう。
▲修復直前の状況。かなり荒廃しているように見えるが欠品はほとんどなく、今後のレストレーション次第では動態復活も夢ではなさそう。'03.10.20 P:笹田昌宏
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この機関車は新潟県新発田市のデンカセメント専用線で使われていたもので、用途廃止後、2003(平成15)年に笹田さんらが個人的に譲り受けられたものです。当初は貨物鉄道博物館での保存を念頭におかれていたそうですが、諸般の事情で実現できず、ここにきて留置先から解体の打診が来てしまったとのこと。タイムリミットは今月末! もちろん安住先を見つけようと公園や施設等を含めて打診を重ねられたもののすべて不調に終わり、結局考えあぐねた末、皆さんへの周知の機会がきわめて高い小ブログで紹介してもらえないものだろうか…と私に相談をいただいたというわけです。                                                
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この「加藤くん」についてもう少し詳しくご紹介すると、新製当初は長野県・北松本駅の松本製紙専用線で活躍し、1975(昭和50)年から新潟県・新発田駅のデンカセメント専用線に移って、さらに10年間活躍を続けた機関車です。タイプとしては日本通運をはじめとした通運会社の駅荷役入換え作業用として量産されたものですが、この8tという自重のタイプはその中では比較的珍しいといえましょう。いずれにせよ、今となっては現存する個体はほとんどありません。なお、2003(平成15)年10月20?21日に、ボランティア作業で錆落としと再塗装の応急修復が行われています。
▲同系の10t機。通運業者向けの規格型で、鋳鋼台枠の同系機としては6.5t、8t、10tが一般的だったが、一番数が多かったのはこの10tタイプで、8t機は珍しい。側台枠とエンドビーム締結ボルト数が8t機の2/1/2に対して10t機は2/2/2。軸箱脇にはステップの窪みもある。'81.3.23 漆山(日本通運山形支店) P:名取紀之
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さて無償譲渡の条件は基本的に2つ。
1:車輌の価値を理解し長期的に保存する意思があること。
2:車輌の現状渡し(現地からの輸送費は譲受者負担)で受け取れる方。
だそうです。もちろん個人、団体などの資格は問いません。全長は5mほど。ショップ入口のディスプレーなどにも良いかもしれません。ただし、タイムリミットが迫っているため、今月末までには「里親」を決めねばならず、最悪3月31日までに安住先が決まらなかった場合は、この「加藤くん」、53歳の生涯を閉じることとなってしまいます。
お問い合わせは、Eメールで kato8t2007@yahoo.co.jp(笹田さん)まで。

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