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寸又峡温泉の保存車たち。

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奥大井の秘境として知られる寸又峡温泉は、大井川鐵道千頭駅から大井川の支流・寸又川を遡ること約40分、文字通り峡谷の中に佇む秘湯です。この寸又峡温泉の入口に千頭森林鉄道で活躍していたディーゼル機関車と客車が保存されています。
▲寸又峡温泉入口の駐車場横に展示されている千頭森林鉄道の編成。先頭は協三工業製のDB12。'06.5.4

sumatakyou3n.jpg寸又川流域の木材は、かつて筏を使って大井川河口まで送られていたそうですが、昭和のはじめに寸又川に発電所(ダム)が建設されたことによって筏による流送が不可能となり、その代案として建設されたのが沢間?千頭堰堤間を結ぶ森林鉄道でした。その後この千頭森林鉄道「本線」となる20.418kmを核にして支線を伸ばし、最終的に1968(昭和43)年4月に廃止となるまで35年間にわたって活躍を続けた東京営林局管内随一の森林鉄道です。
▲編成の末尾で保存されている富士重工製モノコック式運材台車。'06.5.4

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▲東京営林局きっての大森林鉄道(1級線)だけに、客車も運材台車流用ではなく独自の台車を履いた立派なメーカー品が用意されていた。一見すると木曽のB型14号などと同形に見えるが、ドア配置も台車も異なる。'06.5.4

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寸又峡温泉入口の駐車場に保存されているのはこの千頭森林鉄道で働いていた協三工業製の4.8t機「DB12」と岩崎レール製の客車、それに運材台車の編成です。展示場には屋根があり最悪のコンディションは避けられていますが、状態はそれほど良いとはいえません。機関車は先日「津軽森林鉄道跡をゆく」でご紹介した津軽森林鉄道のものとほぼ同形機ですが、客車の方は1段下降窓を持つこの森林鉄道独自のタイプです。いかんせん一目見にゆくだけでも千頭から2時間は取らねばならないとあって、おいそれと足を向ける気にはならないかもしれませんが、寸又峡温泉に浸かって大井川鐵道の撮影などという際は、この保存車たちもぜひ訪ねていただければと思います。
▲かなり荒廃はしているものの客車内も見学できる(右)。左は機関車のキャブ内。こちらも計器類は失われてしまっている。'06.5.4

せっかくですから昭和32年度時点での東京営林局の森林鉄道現況とその後の自動車道切替計画をお目にかけましょう。今回ご紹介した千頭森林鉄道は戦前は帝室林野局名古屋支局の所管でしたが、戦後の林政統一後は東京・神奈川・千葉・埼玉・静岡の各都県をエリアとする「東京営林局」の所管となりました。この表からは管轄する1都4県の森林鉄道(森林軌道)の昭和32年年度末時点での現況と、以後十年間の計画を読み取ることができます。秩父営林署の中津川森林軌道や平塚営林署の大又沢森林鉄道のように自動車道に転換予定というものもあれば、千頭森林鉄道大間川線のようにこれから新設延長しようというものもあって興味は尽きません。

■東京営林局管内 森林鉄道新設ならびに自動車道切替計画表
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※『林業機械化情報』より抜粋。
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